1998年〜2015年の記事は下記に残しています。 HOME
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2018年4月
・今までの目次
◆ 今までの目次 ◆ 月一回、木工関係の話題を主として何か書いてきました。それが20年分も貯まっていること、そして今月65歳の誕生日を迎えることから、一区切りの気持ちで、それらの目次を整理してみました。リンクを貼っているわけではありませんので、見たい項目がありましたら上記の年月で追いかけて見てください。 今まで「月刊記事」と命名し毎月書いておりましたが一応ここで区切りとし、4月以降は別のページに毎月にこだわらず気ままに書いていくつもりです。以下古い方からの順です。 1998年1999年 工房開設準備や海外交流で忙しくしていました。
2000年2001年 工房立ち上げと教室スタートの初々しい頃
2001年秋から「関西人の名古屋界隈事情」連載開始。毎月”しょうもないこと”を最後に書いてます。
この頃いろんなことを精力的に書いてます。
木工関連の話題を長文で書いていることが多いのに自分でも驚き。
ちょっと話題がマンネリ化してきたなか?
木工教室10年経過。
一時期、名古屋界隈事情に足跡遠望記が混在(笑)。
名古屋事情と足跡遠望記は不定期に、そしてほぼ終了
現在に近づいてきました(^^)
ようやく2018年です。
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2018年3月
・机の製作
◆ 机の製作 ◆ 兄のリタイア記念として机を作りましたので簡単に紹介します。材はブラックウォールナットです。今は人気で高騰してしまった樹種ですが、10数年前までは手頃な値段だったので教材として持っていました。その残材で白い所も多いですし、死節もあったりと扱いにくい板です。自分はきれいな使いやすい板も好きですが、他人が選ばないようなクセのある材を贔屓にする傾向があります。安いからでもありますが・・・。 幅90cm奥行45cmの机で薄い引出が二杯入っています。写真でわかるでしょうか、中央のキッカーとなる板には割れが入っています。見えなくなるところですし、強度的にも問題ないところには、このような欠点のある部分を積極的に使います。前後の幕板はブラックとはいえない薄い色で一部皮もところもありますが、これも問題無いところに使いながら、それが逆に良い味わいなればと思います。 ギリギリ二枚接ぎで天板ができましたが、ご覧の通り難しい木目です。鉋掛けに苦労するこんな部分は仕上げてみるといいアクセントになることが多いです。 予想どおり鉋がけは苦労しました。ややこしい部分は鉋で木目を読みながら、いろんな方向から削り、どうしても残る刃の跡をスクレーパーで取ってからサンディングしました。スクレーパーにはとても助けれられています。ちゃんと刃を付けたスクレーパーで削ると、粉ではなく写真のように鉋屑が出ます。 塗装は手持ちのリボス”メルドス”です。二度目を塗った後、2日間くらい小節のところなどから少量の油の吹き出しがありました。また艶が欲しい方はワックス分の入ったオイルの方がよいかもしれません。 天板の取付は両側幕板のコマ止めと中央の桟でのネジ止めを併用しています。長年寝かしてあった材だけに、反りなどの動きは少なかったです。これから絵の額装作業等に使うそうで、気にいってくれると嬉しいです。
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2018年2月
・バンドソウでタブテイル
◆ バンドソウでダブテイル ◆ インフルエンザ流行もあり、教室トイレのタオルを試験的にペーパータオルにしてみようと、ティッシュボックスのような箱を作ることにしました。私はプラスチック製品が嫌いではありません。特に水回りは木製ではない方がよいと考えているくらいです。今回もプラスチックの既製品でいいのですが、この頃あまり作っていないので、練習も兼ねて木で作ることにしました。材料は端材が残っていた神代ニレです。 昨年秋に書いたダブテイルの記事を参考に(^^)、今回は向かい合う二枚の板を両面テープで張り合わせ、テールを先に加工する方法をとりました。そして、手鋸でのカットとバンドソウでのカットを試してみました。(教室ではこのような作業は機械を長時間占有するのでお断りしています。生徒の皆さんご了解ください。) 今回はタブテールの型を抜いた墨付け用ジグを使わず、適当に墨を入れ、80度にカットした合板で角度保持をして写真のように切り込んでいきます。 カット後、二枚の板をはがし、一分と五厘のノミを使って欠き取ります。そして、ピンを作る相手の板の木口に小さな切り出しで位置を写します。この時の反省点としては、これくらい小さなテールだと写している刃先が見えないので、このような場合はピンを先に加工する方がよいと思いました。 木口に入ったピンの切り出しによる凹みを慎重に外側に写し、今度は写真のような80度に傾けたベッドに乗せて、切込みます。 後はピンとピンの間の不要な部分を欠き落とすわけですが、今回写真のようにバンドソウで切り込みを沢山入れてから、ノミで落としました。これで多少効率はアップしますが、ノミで慎重に落とすのに比べ、やや雑になってしまうようで、良し悪しです。 木が比較的柔らかいこともあり、ある程度入ると見当をつけたら、仮組はせず、やや強引に接着剤をつけて叩き込みました。タブテイルの配置を適当にやったので、間隔がいい加減ですね。それもまあ良しとします。 久々にタブテイルを加工してみて思うことは、やはり視力が大事なことです。慎重に墨を入れるのに、また機械でも手鋸でも、墨線に沿って鋸を入れるのに、やっぱり目が大事です。老眼年齢の方は拡大鏡機能のあるメガネを使ったり、明るいヘッドランプを使ったり、いろんな工夫でなんとか乗り切ってください。 バンドソウでのタブテイル加工が手鋸より良かったのかどうかですが、今回の感じでは”どっこいどっこい”です。やはり慎重さと丁寧さが大事で、それは機械でも手鋸でも同じです。角度が決まるという点ではバンドソウが優位ですが、ミスをする可能性はかなり大きいです。その点、手鋸は、多少ブレたりしても、間違いは少ないように思います。 以前テーブルソウの刃を傾けたりして、今回と原理的には同じ方法でタブテールを加工したことがあります。テーブルソウを使う方法では、細いピンのタブテールの加工はできません。それとあまりに真っ直ぐにカットされていて、機械加工であることが一目でわかる感じでした。好みの問題ではありますが、多少曖昧な加工の方が私は好みです。 機械と手鋸による加工、結果が引き分けなら、大きくて高い機械が必要ない分、手鋸に軍配があがります。大きな機械や設備を持たないアマチュアの方こそ、ぜひ手鋸を活用するように練習してみてください。あるいは角度を保持して正確に切り込みためのジグを工夫するのも楽しいかもしれません。 追記:完成しトイレの壁に設置してみました。アンカーボルトだけでは不安なので、板を壁に固定し、そこに蟻桟のように横から滑り込ませているので取り外しは簡単です。本格使用はこれからですが木工教室としてはやっぱり木で作って良かったかも。
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2018年1月
・第17回木工教室作品展作品紹介
・通販終了について
◆ 第17回木工教室作品展作品紹介 ◆ 昨年秋に開催しました第17回木工教室作品展の作品の写真をアップしました。ご興味にある方は見て下さい。ご利用は個人での閲覧に限らせていいただき、画像の転用やSMSへの投稿などは禁止させていただきます。 ◆ 通販終了について ◆ 長年細々と続けてきました木工関連素材の通販ですが、本年度は商品の在庫や容器等の在庫がなくなったものから順に終了させていただくことにしました。 「オイルフィニッシュとは何?」という疑問から始まり、荏胡麻油などの植物乾性油を求めて、油の神さんである京都府の離宮八幡宮を訪ね、社務所で油の老舗をお聞きし、仕入先を探して回ったことが昨日のことのようです。昔は照明用としての油の需要があり、また雨傘などの防水用としての油、また刀を磨くための蝋など、身近な植物や動物を使って巧みに利用して生きる知恵があったことも知りました。 通販を始めたのは名古屋に工房を移す前からですので25年間くらい前になります。初めは月に一件か二件の注文でしたが、当時は老舗油問屋さんは小売に消極的だったため、少量入手を希望される方からの注文が徐々増え、そのうち工務店や時には歌舞伎の舞台衣装を作っておられる方からまとまった量の蝋の注文があったりと、最盛期には月30件くらいの注文をこなしていたこともありました。 しかし21世紀に入るとインターネットが普及、ネット通販も一般的な購入手段となります。それまでの製造元から卸問屋そして各地の油屋から個人という商いのルートも変化してきました。今では東西の老舗油問屋さんでさえオンラインショップを作られ、個人の方へも気軽に販売されています。このような現状では私の通販の存在意義はもうなくなっています。そのようなわけで本年度中に通販を終了することにしました。 これまでご注文をいただいている皆様にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解いただきますようお願いいたします。 |