2000年と2001年分の記事をこのページに残しております。(上方が新しい記事です)
1998年度分と1999年度分は以下のページをご覧下さい。
2001年12月
目次 ロシアから9人の実習生 ひょんなことから、ロシアから来られた9人の方の家具製作実習をウチの工房ですることになりました。なんでも橋本・エリチン合意に基ずくロシアへの技術支援の活動らしいのです。ロシアで家具工場を経営したり、工場で何年も働いている人に、趣味あがりの私が教えることができることといったら、日本の刃物の研ぎしかないのではと思い、ウチの基礎コースのとおり、鉋とノミの研ぎから経験してもらい、写真のスツールを作ってもらいました。最初は、「なんでこんなことせなあかんねん?」という表情が見え見えだった彼等も、だんだんと手作業に熱中し、なかなか充実した4日間ではなかったかと思います。「写真を送る代わりに、ホームページに載せる」という約束をしましたので、このページに、全てのスナップ写真を掲載しました。 初めて見た彼らは、なんとなく怖いイメージでしたが、次第に打ち解け、最終日のバーベキュウパーティーは、「鍋奉行」ならぬ「バーベキュウ奉行」も登場し、とても楽しいひと時でした。来年二月には、今度はウラジオストックへ乗り込むことになりそうです。 名古屋木工機械展 11月上旬に名古屋金城埠頭で名古屋木工機械展がありました。最盛期には巨大なドーム型展示場を含め3つの会場に木工機械がひしめきあっておりましたが、今回は、二会場のみの、ややさみしいムードでした。 東京国際家具見本市 数年前に見た東京国際家具見本市は、大きな倉庫みたいな所だったのに、今回は美しい巨大な建物でした。何時の間に建ったんでしょうか。不況不況といいながら、ある所にはあるんですね。それにしてもお台場やこの展示場といい、このような巨大な開発は必要なんでしょうかねえ? ◆関西人の名古屋界隈事情◆ 私は、へそ曲がりというかなんと言うか、マイナーかダサイ方を応援する性質です。「巨人より阪神」、「吉野家より松屋」、「スターバックスよりドトール」、「梅田・難波より新世界」、「三宮より元町高架下」、・・・、書き出すときりがない。 |
2001年11月
目次 更新、その他 ◆韓国から木工を習いに”チェ”さん来る◆ このホームページを見た韓国のチェさんが「木工を習いたい」とメールをくれたのが約一月前、「二日間ほどの短期講習は可能」と返事を書いたら、飛行機に乗って本当に来てくれました。筑波に二年間いたこともあって日本語はペラペラ、インダストリアルデザイナーから木工屋への転職希望だそうです。いつもの基礎コースと同じく、研ぎから始めて、筆箱を完成させ、穴掘りとホゾ作りの練習までなんとかできました。来春には韓国で自分の工房を開く予定だそうです。
◆カナダから3度目の来日、エドワード◆ 10月と11月は海外からの訪問ラッシュです。京都の自宅にも二度来ている、カナダ、トロントのエドワードさんが名古屋を訪ねてくれました。11月上旬にはロシア人9人の家具製作実習も予定されていますが、詳しいリポートは次月度のお楽しみ。
◆関西人の名古屋界隈事情◆ 名古屋弁は好きである。大阪弁よりも好きかもしれない。名古屋人は、名古屋弁にもっと自信を持ってもよいと思う。 JR中央線に鶴舞という駅があり、「つるまい」と読むが、由緒正しい名古屋人は「つるみゃあ」と言うらしい。もちろん、エビフライは「エビふりゃあ」です。「〜しとったがや」は「〜しとったぎゃあ」となったりする。これらはたいてい語尾を上げて発音します。工房を建ててもらった大工さんは、ばからしい話のあとに「トロクサイ」、ラジオの女性アナウンサーは、やたら「なにー!」を連発。丁寧語で「家具を作ってみえる」という言い方、これはやわらかい感じ。食べ物をわけわけするのを「モウヤッコ」すると言い、修理するとか触ることを「ナブル」という。集めれば、面白い名古屋弁がいっぱいあると思うが、すでに名古屋にかなり染まっているので、名古屋弁と気がつかないものが多いかも。「メチャうまい」は「デラうまい」になったりするが、これは全国版?。 地域情報ですが、名古屋市の北の端に名古屋市最高峰「東谷山」(とうこくさん)があり、そのふもとに「東谷山フルーツパーク」があります。入場料はタダで、園内の販売店には格安の果物が並びます。行楽シーズンの休日をのぞけば、ノンビリした果樹園の続く園内を歩くのはささやかな私の楽しみです。もうひとつ楽しみなのは、ここのソフトクリーム(230円)。濃厚でとても美味しい。生まれ育った神戸は好きな町やけど、ワイン城、海釣り公園など、やたら有料施設が多い。それに比べ、このフルーツパーク、熱帯植物館をのぞけば入場無料で、東谷山へのハイキングや、森林公園とともに心身の手軽なリフレッシュにいいんです。 今月は名古屋を誉める内容になってしまったがゃあ。 |
2001年10月
目次 ・木工教室作品展スナップ ・関西人の名古屋界隈事情 更新、その他 ◆第一回木工教室作品展スナップ◆ 9月28日〜30日、工房ギャラリーで教室作品展を開催しました。初日は3人しか来られなくて、「どうなることか?」と心配しましたが、土日は生徒さんの知り合いはもちろん、近所の方、新聞の案内やHPを見てこられた方、材木屋さんや木工家の知人等、多くの方にきて頂き、ありがとうございました。作る方も見る方も良い刺激があったように思います。ぜひ年一回は実施していきたいと思います。
◆関西人の名古屋界隈事情◆ 名古屋名物といえば、きしめん、ういろが有名だが、「味噌煮込みうどん」が現地では勢いがある。 ところがである、老舗「山本」の味噌煮込みうどんを食べてみても、関西人の私には生っぽい麺を味噌入りのダシで煮込んだだけで、値段が高いのに人気があるが全く理解できない。あまり具の入っていないシンプルな味噌煮込みで800円ぐらいするのだ。大阪弁で言えば、「ぼったくりや!」である。ただし、スガキヤが発売している、インスタントの味噌煮込みうどんは、女房や神戸の実家で大好評、すがきやブランドでありながら、オススメです。 「老舗」の味に?がつくのは、名古屋だけではありまへん。食い倒れの町大阪、そのミナミに行列ができるラーメン屋といえば、「金龍ラーメン」と「神座」だが、私は何度食べても、人気の秘密がわからなかった。どうして、こんなに行列ができるか、食い倒れ大阪の七不思議の二つである。「大阪で”うまいもん”食べたかったら、行列に並んだらエエ」といわれるが、例外もありまっせ。 昔、「中華料理はきたない店がうまい」と信じてたけど、違うかも。親父の最後が近かった頃、京都から神戸の実家へよく通い、神戸元町の親父が好きやった「丸玉食堂」でよく昼飯を食べました。このお店はガード下のパチンコ屋のとなりで、台湾の屋台のようなムードの、わりと有名なお店。ある日卵入りアンカケのかかった老麺を注文、おばちゃんが、「ハイ」と言って持ってきたのを見ると、熱ーいとろみのついたスープの中に、右手親指がしっかり第一間接まで浸かっておりました。流石に、この「親指ラーメン」には参ったのであります。というわけで、最近は清潔さも大切と認識してます。 |
2001年9月
◆第一回木工教室作品展◆ 2000年1月にスタートした名古屋での木工教室、そのはじめての作品展を下記のとおり開催します。スキマがあったり、鉋がうまくかかってなかったり・・・、技術は未熟であっても、自分で作ったものには限りない愛着があります。「完成品」ではなく、作る楽しさを感じてもらえると嬉しいです。 期間:2001年9月28日(金)〜30日(日)
◆木表木裏?◆ 6月から知人のご好意で東京のある建具屋さんで月一回指導を受けています。本当の修行をしたことがない私にとって、そこでの体験はとても刺激的です。先日、師匠曰く「木裏、木表がわからない人は物を作ってもらっては困ります」・・・トホホ。木口を見なくても、「板の表面を見れば、木裏か木表かわかる」と言われるのです。 ◆関西人の名古屋界隈情報◆ 毎月、木工の話ばかりではこちらが面白くありません。何を隠そう、私はラーメン、うどん、そば、ギョウザに代表される安い食べ物愛好家というか講釈屋です。工房から近い尾張旭市は名古屋でも有数の有名ラーメン店が集まる所と聞き、盲腸が治ったこの機会に、ラーメンの食べ歩きを始めました。今回は総論です。 第一にはっきりさせておきたいのでは、焼き豚と煮豚は別物であるということ。名古屋のラーメン店では、豚肉のやわらかいものがのっていることが多く、それなりに美味しいわけですが、これらは「煮豚」であると考えます。神戸の、昔からの「中華そば」に入っているチャーシューは、まさしく「焼き豚」であって、タレをかけながら焼いたものです。当然、風味が違います。 次回は、各論に・・・入るかな? |
2001年8月
先月19日に虫垂炎破裂で緊急手術入院をしました。今月は木工の話題とは全然関係ありませんが、この経過を報告しつつ、病気との付き合い方について考えてみました。自営業に限らず、いつやってくるかわからない病気、その時の対応に参考になればと思います。 (経過) (反省点) ・「体が資本」と考えるあまり、「少々の痛みは我慢して、がんばらねば!」という考えが根底にあった。病気で我慢してもいいことはひとつもない。できれば、小さな病気の時から、大きな病院の信頼できる医師と親しくなっておいて、病気が重篤にならないうちに手を打つのが望ましい。 ・本当に「緊急」と感じたら、救急車を呼ぶべし。緊急外来へ自分の車で行くと、熱の出た子供などの後回しになってしまうが、救急車なら真っ先に見てもらえる。 (その他) ・国保の二割負担でかかった費用は約16万円でした。隣のベッドの結腸ガンの疑いで切除をした方もほぼ同じような費用でした。突然病気をした場合、国保に入っていれば、たいていは20万円以下の費用ですむのではないでしょうか。 |
2001年7月
「暮らしの中の木の椅子展」の椅子が帰ってきました。約一年半の間、各地の展示会で多くの方に座られたと思いますが、ほとんど傷んでいません。前回のスタッキングチェアではホゾが緩んでいたのに・・・。超軽量で意外に強いスツールです。
鉋の手入れ、刃口と裏刃について優れた技能をお持ちの建具職人さんに自分の鉋をみていただく機会があり、自分の道具の未熟さを恥ずかしく思いながらアドバイスをいただきました。なんとなく切れが悪く、逆目が止まらないようになっていた鉋でしたが、指摘された点を直すと、写真のように調子よく削れるようになり、逆目もかなり止まるようになりました。 裏刃 刃口 手ごろな樫の木がなかったので、ハードメイプルを使いましたが、白い色がよそよそしい。 |
2001年6月
松本クラフトフェアと木曽路ドライブの一日 5月26日、何年かぶりで松本クラフトフェアを見に行きました。高速代節約のため、中津川から19号線を走り、3時間少々。木曽路のドライブは快適ですが塩尻松本間が渋滞で時間がかかりました。 帰り道、19号線沿いにある「木曽暮らしの工芸館」に立ち寄りました。ここは道の駅「木曽ならかわ」に併設された大きな建物で、伝統工芸である木曽漆器の製造過程を展示してあったり、大きなギャラーでは家具の展示がされています。時々この地方在住の木工家さん達の展示会もおこわなれているようです。 工芸館で木曽路の地図を見ていたカミさんが、「奈良井宿って面白そう」というので、寄ってみました。JR奈良井駅前の無料駐車場に車を置いて歩き出すと、期待していなかったのに、実にいいムード。「電柱を見せない」「音楽を鳴らさない」「自動販売機がない」「呼び込みはしない」というような、細かい心配りが感じられ、観光地でしばしば味わう不快感なしに、昔の宿場町の雰囲気を味わえて満足でした。この日一番の収穫かな。 |
2001年5月
第二回鉋一日講習会終わる 4月30日に大阪・奈良・愛知等から6名の方が来られ、鉋一日講習会を実施しました。貫禄ある大工道具箱を携えて来られたKさん、桑の木で指物が得意なMさん、建築家のFさん、大阪から来られた研ぎに熱心なEさん、「包春」の新しいカンナを持って来られた奈良のWさん、そしてご近所の木工愛好家Nさんです。私も皆さんからいろいろ話が聞けて楽しかったです。昼食はカレー、タンドリーチキン、サラダ等でしたが、かなり多量に炊いたごはんがほとんどなくなり、料理を作ったカミさんは喜んでいました。3時の休憩後、試し削りにはいりました。うまく削れる人、イマイチ調子の出ない人、それぞれでしたが、鉋を調整し仕立てる過程の一つの例として参考になったのではないでしょうか。年に何回か、テーマを変えたりしてこのような単発セミナーを計画したいと考えています。 この機会に木工講座で書いている物以外で、鉋の研ぎで使用頻度の高い小物等について少し書いてみました。 厚いガラス板 金鋼砂の代用品 金盤 安いダイヤモンド砥石 金床 |
2001年4月
ロスのBobさんがスクレーパーの特別講習
スクレーパーに刃をつける方法は単純ですが、なかなかうまくゆきません。いろんな流儀があるようですが、彼の方法を紹介しておきます。 1、角を完全な直角にする 2、刃をつける 3、削る その後、いろいろ試してみましたが、私はノミの裏を使って刃をつける方法の方が少ない力でうまくゆくようでした。しかし、当然のことながら鉋でスカッと仕上た木肌の光沢は得られません。サンドペーパー仕上げと鉋仕上げの中間のような感じです。鉋でどうしても逆目が止まらないような場合に重宝するでしょう。 4、余談 |
2001年3月
鉋一日講習会 連休運前半の4月30日、平鉋を使えるようにする一日講習会を行います。教室の基礎コースの初回で行っている、裏押し、研ぎ、裏刃の調整、台の調整、完全な直方体を鉋で作る、等の内容です。ご興味のある方はメール等で「鉋一日講習会要綱希望」の旨お知らせください。 WEBページ情報 以下の「家具とインテリア」のホームページで、木工の英語で使用される単語や樹種名についての辞書が公開されています。木工関連洋書を読まれる方など、役にたつのではないでしょうか。 乾性油を含む塗料の出火事故について どのメーカーの木工仕上げ用オイルにも、「拭き取りに使用したウエス等は自然発火の可能性があるので、焼却焼却処分すること」と書いてあり、このことに恐れを感じた方は多いのではないでしょうか。ウチで扱っている植物乾性油のラベルにも同様の注意書きを入れておりますが、正直な所、そんな事故は起こらないだろうと思っておりました。ところが、ある塗料メーカーの方のお話では、出火事故が日本でもあるようなのです。火事につながる重要たことでもあり、承諾を得まして、注意書きを引用させていただきます。 ------- 以下引用 ------- <事例> ブース塗装 <対策> 酸化乾燥型塗料は、空気中の「酸素を吸収し酸化重合をして乾きます」が、これは「物質の急激な酸化」と定義される「燃焼」との類似性をみれば、発熱、発火の現象は内包された避けることのできない性質といえます。 発火の原因は、塗装ブースを改修した際に改修業者が知らずに掃除した布類を固めておいて発火するなど、日ごろ取り扱わない人が知らずにする場合もあるそうです。 [補足] ---- 引用終わり ---- さて、過去に何度か書いていますが、ウチではオイルフィニッシュで使用したウエス等は以下のようにして廃棄しています。これでよいかわかりませんが、要するに乾燥過程で生じる熱が内部にこもってしまわないようにするのです。 1、塗布や拭き取りに用いたウエスやスポンジは、陶器の流しや、金属製バケツの淵に一枚ずつ広げて乾しておく。 2、ウエスが乾燥して硬くなってから、ゴミを出す当日の朝、ゴミ袋へ廃棄し、可燃ごみとして処理。 焼却は住宅街などでは黒煙がでたりしますので、避けざるをえない場合が多いでしょうし、水につける方法は後の処分方法に問題がのこります。発火事故の責任を回避する意味から、私が扱っている乾性油のラベルにも「焼却処分してください」と書いていますが、実際は上記の乾燥後捨てる方法が一番だと感じています。 |
2001年2月
一枚板のテーブルはいい? 「テーブルを作ってほしい」と来られた方の、多くは「一枚板のテーブルがほしい」とおっしゃいます。最近はそんなニーズに応えて、一枚板をならべて販売するインテリアショップも多くなりました。この機会に一枚板のテーブルの良い所、悪い所をまとめておきたいと思います。 良い所
悪い所
幅の広い無垢の板を見つけ、それに適当な足をつけてテーブルにするということは、加工時間が比較的少ないためにトータルでは手頃な価格になることが多いですが、木材を大切にするためにも、上記のようなことをよく考えてからにほしいと思います。
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2001年1月
今年も2001年度展示会のページを公開しました。ご覧いただければ幸いです。 |
2000年12月
----- メタボ社のテーブルソウ ----- テクノツールズ東海さんのご好意で、メタボ社のテーブルソウを一ヶ月ほど試用しました。そのインプレッションです。 外観は大きいですが、レバーを動かせばキャスターが出てきて、一人で簡単に動かすことができます。ドイツの木工機械に特徴的な安全装置はもちろん完備。 スイッチ スイッチを入れる時は、赤いボタンのついたこのカバーをあげて、中の緑色のボタンを押さなければなりませんが、切るときは、この赤いのを押すだけです。安全のために「入りにくく、切りやすい」スイッチとなっており、膝で押せる高さについています。また、横切り定規とフェンスには目盛を見るためのレンズがついており、老眼の私には非常にありがたいと思いました。ただ、実際に材料を当てるストップの位置とはオフセットされており、慣れない時に寸法を間違ったことがありました。 価格は60万ほどで、気軽に買える値段ではありません。また趣味の木工家が自宅に置けるるような大きさでもありません。しかし、スライドテーブルを持ったドイツの安全基準を満たした丸鋸で国内で買えるアルテンドルフなどの他社製品は最低でも200万程度しますので、この大きさと性能、安全基準を考えるとお値打ち品と言えるように思います。ただ、このタイプのスライドテーブルは、刃を境に二つの別のテーブルがあるために、どうしても段差が生じます。このため精度は鋳物製の昇降盤には及びません。 その他の印象
----- サイト情報 -----
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2000年11月
パソコン通信時代が終わる?! 「木工のHPなのに、なんでパソコン通信の話やねん!」という声が聞こえそうですが、私にとってパソコン通信は多くの人と知り合い、東京の情報、そして世界の木工情報を知る糸口だったのです。インターネット全盛の昨今ですが、このような相互交流の場は非常に貴重だと思います。ところが、おおいにお世話になった大手のPCVANのパソコン通信サービスが来年早々終了し、相互コミュニケーションの場がなくなってしまうかもしれません。正しくはホームページにその機能が移されるわけですが、これによって今までの人間関係がなくなってしまわないように願っています。今月はPCVANの「家具とインテリアSIG」のHPを紹介します。ここには本館と別館がり、本館は会員しか入れませんが、別館は誰でも入って見たり、書き込んだりできるのです。元家具屋のおじんさんとか、私もWWMの名前でたまに書き込みをしています。パソコン通信の雰囲気が少しは感じ取れると思います。 このSIGの仲間で建築ワンダーランドの世話役をされている、”くん”さんが、ご自分の仕事、イベントブース設営のお仕事を面白おかしく、私の木工講座101連載以上のパワーで書き込んでおられます。実際にお会いしても、文面から想像されるとおりの楽しいかたです。面白いだけではなく、マルノコの治具やナグリの話、はたまたハイエースや、タバコの灰だらけの車の話など、とてもためになる?連載です。 --- 展示会から --- holly
wood buddy展 |
2000年10月
黒田辰秋展見てきました 正直なところ、黒田辰秋の家具の多くは漆が塗られ、暗く重たいイメージがするもので、好みではありません。今まで写真でしか見たことがなかった、故黒沢明監督の別荘に納められたという、テーブルセットなど、どうしてあれほどの木を使って一人では動かないような巨大な椅子にしたのかかわかりません。しかし、なんという存在感、なんという迫力、そして見たこともない形・・・。膨大な展示品がひとつひとつが強烈な個性と存在感を持っているのには驚かざるをえませんでした。あれほど多くの作品を一人で作る事はできないと思っていましたら、図録をみると、黒田辰秋の工房にはロクロ氏や塗師、工芸を目指す若者が集まって、下仕事をしていたようです。多くの人を引きつけ、その中心にあって、自分の製作活動を行っていたのではないかと想像しました。簡素ではあるが、きっちりと丁寧に描かれた図面も興味深いものでした。豊田美術館の建物もすばらしく、いろんな意味で、ぜひ一度足を運ばれることをおすすめします。図録2800円も価値があります。 ルーターのコレットとマキタへお願い 私はElu3339とDW621の二つのルーターと国産トリマを使っています。DW621はアメリカから個人輸入したもので、6.35mmと12.7mmのコレット・ナットが付属していましたのでインチサイズの個人輸入したビットをメインに使っています。6mm軸の国産ビットを使う時は、レジューサーと呼ばれる、軸径を落とすスリーブを使っていましたが、これが使いにくく、センターも狂いやすい。それでDW621(欧州ではOF97)用に販売されている専用コレットを購入したのですが・・・、見事に失敗でした。欧州で販売されている同機は、最大8mm軸までのビット用であり、アメリカ仕様で太い回転軸が使われていたのです。 しかたなくDW621に合う、マキタ3612用のコレットを注文しました。すぐに取り寄せてくれましたが、ナット、12mmのコレット、6mmに軸径を落とす、スリーブの三点セットで4000円以上でした。個人輸入で失敗したうえに、マキタの部品を買って、元のレジューサー使用に逆戻りとう皮肉な結果になったわけです。海外のメーカーの多くは、小さな軸径にも専用コレットを用意しているのに。もうひとつ文句を言うと、最近マキタが発売したDW621のコピーと思われるルーター、海外では電子制御モデルがあるのに、日本国内では変速モデルはありません。マキタさん、もう少し国内のユーザーを大切にしてくれませんでしょうか?これでは修理に不安があっても、海外のルーターを使わざるを得ません。 余談ですが、マキタ本社へ問い合わせたところ、3612用に12.7mmのコレットコーンは扱っているそうですが、6.35mmはレジューサー併用だそうです。 Lenoxのバンドソウ刃 以前からほしかった、Lenox社製カーバイドチップ刃のデルタ14インチバンドソウ用ブレードを購入しました。これは最高です。切れ味だけでなく、刃の横ぶれがほとんどありません。Lenox社の帯鋸刃は日本国内でも、私たちの知らない世界で使われています。冷凍マグロの切断です。冷凍マグロ会社経由でも一本入手しましたが、同時にFWW誌の広告で見かけた下記のホームページからも購入し一度に二本、別経路で入手しました。個人での購入等、小口ではこのアメリカの販売会社からの購入をおすすめします。現在は、注文画面がアメリカ国内用で、メールでの例外的な処理となりますが、近日国際対応になるということです。 Carbide.com 各社のルータービット、マルノコ刃等、カーバイドチップのついた木工用刃物全般を扱うインターネット上の会社のようです。 |
2000年9月
更新内容から抜粋
注文家具の価格について 家具の注文を受けて作ることが多くなりました。その価格について日頃考えていることを書いてみます。手作り家具をオーダーされる方のご参考になればと思います。個人でやっている工房へ家具を注文する場合、その価格には以下のような費用を含んでいると思います。
先日近くのスーパーの家具売り場で、ダイニング5点セットが39800円で売られていました。もちろん、作りは貧弱ですが、このような途上国作られた格安の家具に手作り家具が価格で対抗できる訳がありません。作り手は大量生産の家具では得られない、満足というか充実感を与えることができる家具を目指し、それらが正当な評価を受けるようになることを願っています。 |
2000年8月
六畳工房での工夫シリーズ 自動鉋を導入すると、発生する木屑の量が急増します。テーブルソウやバンドソウでいつのまにか木の粉が袋いっぱいになったりします。貴重な有機物であるこれら木屑は、できるだけ、堆肥にするなど。大地に戻してやりたいものですが、小さな建売住宅の庭ではそう簡単にはゆきません。小さな木っ端は無料で木工趣味の方等にあげるという方法もありますが、これも問題があり、私はよい方法とは思っていません。また、”生ゴミといっしょに堆肥にする”というのは土地が充分に広く、土もふんだんに使えるならよいかもしれませんが、個人の住宅では、たとえ分解に成功しても、分解によって一時的に大量の有機物(硝酸体窒素など)が流出することも、考えられ、実際にはどうかな・・・と思います。 最初の頃、風のない日に庭で燃やしていました。木屑を庭の空いた所にぶちまけ、火をつけます。注意したいのは手カンナの屑で、フワフワ飛んでいったりして危険。集塵機で集められた木屑は粉になっているので、風で飛ぶ心配は少ないかわりに、燃え難い。煙がいっぱい出ます。木屑の表面に乾いた材木などを置いておくと、比較的煙も少なく、よく燃えてくれるようです。後に石油缶に穴をあけた自家製焼却炉で燃やしていましたが、風に強いというメリットはありましたが、煙が出なくなるわけではありませんでした。 しかし、この方法は「野焼き禁止」が叫ばれる今、たとえ安全な木だけを燃やしていたとしても、近所からの苦情の心配や火災防止の観点から問題ががあります。それで数年前から、町指定の生ゴミ袋に木屑をいっぱい詰めて、ゴミの日に出すことにしています。趣味の木工ではこの方法が一番よいと思います。 名古屋工房では前にもまして木屑の量が多くなりました。パーティクルボードなどを作っておられる工場の方など、もちろん無料で結構ですから、燃やさないで再利用していただけると一番ありがたいです。 名古屋工房での活動について 6月上旬に名古屋工房は竣工しました。まだ内部の作りつけ家具など、私の仕事が残ってはいますが、1月にスタートした木工教室もはや半年が経過したことになります。この機会に少しずつ木工教室の内容について紹介したいと思います。基礎コースの案内、工房写真を紹介しています。 |
2000年7月
六畳工房での工夫シリーズ 思えば、写真の自動鉋兼手押し鉋を買ったのが、自宅六畳での本格的木工の始まりであったと思います。テーブルソウがあっても、木材の平面がちゃんと出ていないと、正確な加工ができないばかりか、危険でもあります。手で平面や直角を出すことは不可能ではありませんが、実際にはひじょうに困難です。 最初は集塵機もなく、自動鉋使用時は木屑が飛び散るので、網戸用網をはりつけたダンボール箱に木屑を集めていましたが、結局、マキタの100Vで使える小さな集塵機を買いました。集塵機はもっと早く買っておけばよかったとそのとき思ったものです。150mmではちょっと巾の広い板は加工できませんので、できれば250mmぐらいの自動鉋のほうが良いでしょう。今は軽量の自動鉋や手押鉋が各社から発売されており、選択は容易になったと思います。しかし、この種の機械は、重量がものを言います。可能なら鋳物のしっかりしたのを選ぶ方がよいのは言うまでもありません。 名古屋工房での活動について 6月上旬に名古屋工房は竣工しました。まだ内部の作りつけ家具など、私の仕事が残ってはいますが、1月にスタートした木工教室もはや半年が経過したことになります。この機会に少しずつ木工教室の内容について紹介したいと思います。このページでは基礎コースの案内文を紹介しています。 |
2000年6月
六畳工房での工夫シリーズ 先月紹介したマキタ2708テーブルソウ、買ったままの状態では、マイター定規と溝との間にスキマがあり、それが原因で横切りの精度が良くありません。定規の溝に入る金属板の両側に細いビニールテープを張りつけるだけで、ガタが少なくなり、かなり使えるようになります。その後米国の雑誌等で定番とも言える横切治具を見て、それを真似て図のような治具を製作しました。今月はその具体的な製作法を紹介します。 製作
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2000年5月
六畳工房での工夫シリーズ、マキタ2708 このホームページの最初の名前は「六畳一間の工房から」でした。今は消滅してしまった六畳工房ですが、そこでの工夫は結構貴重なものではないかと思います。これから機会があれば、それらをひとつひとつ紹介してゆきたいと思います。自宅で家具作りに挑戦している方には参考になるかもしれません。今月のテーマはマキタ2708です。 30代はじめ、二年間ほど木工教室に通って、「そろそろ先生にたよらずに自分で作らなアカン」と思った時、問題は木工機械でした。昇降盤の代用になる小型のテーブルソウが必要だと思いました。アルミベースの造作丸鋸を持っていましたが、小さな部材の加工や、ホゾ加工、溝掘りなど、テーブルソウがなくては話しにならないのです。 2708はもちろん100Vで使え、傾斜切断もでき、オプションで溝切カッターも使え、さらにルーターやトリマのテーブルとしても使える便利なものでした。横切りの精度が悪い、音がやかましい、集塵が困難などの問題もありますが、それぞれ工夫や我慢をすれば結構使える機械だと思います。
残念ながら安全装置は役に立ちません。しかし手頃な価格で、軽くて持ち運びに便利、使い方次第で本格的な木工作業もできる2708、家具作りなら、丸鋸よりもはるかに使える機種だと思います。 |
2000年4月
昇降盤の使い勝手? 二月に念願の大型木工機械(中古)を導入しました。300mmの手押し鉋や500mmの自動鉋はやはり便利ですが、昇降盤はできれば使いたくありません。鋳物の昇降盤は精度がよいですが、今の使っているドイツULMIAのテーブルソウに比べ、安全性、使い勝手、快適性等、比較になりません。 例えば・・・、
これ以上書くと、”ドイツカブレ”と言われそうですので、これくらいにしますが、日本の木工機械メーカーは指を飛ばすような事故をできるだけ防ぐような工夫を今までどうしてしてこなかったのか、それが不思議です。上の項目で割刃については基礎的な設計から考え直す必要がありますが、それ以外は簡単に改善できると思います。 |
2000年3月
価格について 「日本の価格は不透明」とか言われますが、素人からプロの世界の端っこに入った私は、そのことを実感として感じることが多いこの頃です。趣味で木工を楽しまれる方が、そのような複雑な価格体系を知ることが良いことか悪いことかわかりませんが、個人的には、将来もっとわかりやすい価格体系になってほしいという思いがあります。 例えば、ある会社の合板の見積には、「設計価格」、「大口」、「小口」の3つがありました。設計価格とは、設計して見積もりをするための、お客に提示するための価格であり、いわば定価。実際には大口、小口の価格で納入されるのです。この会社の例では大口価格は設計価格の約70%、小口価格は約80%でした。このくらいなら納得のゆくところかもしれません。 もっと複雑なのが、道具です。特に日本では製造元、問屋、小売、消費者という流通の中で問屋(おろし)が幅を利かせています。具体的に道具の名前をあげてその価格を明らかにすることはしませんが、定価、需要家(大口)、卸価格、そして私達にはわからない、メーカー出荷時の価格と4つほどの価格があるようです。大口価格は定価の70%程度、卸価格は50数%と思われますが、販売数に応じたリベートがあるのが普通で、実際は50%前後ではないかと思います。 ホームセンターではとんでもなく安い掘り出し物を見かけることがありますが、トータルでは利益を確保するために、定番と呼ばれる通常商品の値段はかなり高いのです。逆に小さな金物屋や道具屋さんでは、ほとんどすべての商品に同じように利益をのせています。目をひくような安いものはないかわりに、ネジを一箱買っても、比較的安いのです。またホームセンターでは得られない道具についての情報も得られます。ですから、道具は地元の大工さんが行くような道具屋、金物屋で買うのが一番と思います。
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2000年2月
鉋刃の裏押しと研ぎ 1月から教室で平鉋を使えるようにすることから始める基礎コースをスタートしましたが、私自身いろいろと新しい発見があります。 中砥は、キング1000番、べスター1200番、シャプトン1000番などを使っています。どれも充分使えますが、キングは減りやすく、シャプトンは滑りやすいという印象で、べスターの評判が良いようです。合成の仕上げ砥は、キングS1,キングG1,嵐山など、大差はないようです。いずれ天然が欲しくなる? 鉋の裏押し方法は、昔からの金盤による方法ですが、刃物店の親父さんの多くは、「これが一番」だと言います。金剛砂で研磨するわけですから、金盤ももちろん減っていくので、平面維持の観点からはダイヤモンド砥石などによる裏押しの方が良いという考え方もあるようですが、シャープさが違うというか、私も金盤が一番ではないかと考えます。研磨に使う金剛砂ですが、「キレマスナ」などの商品名で売られている細かい研磨剤の方が、大きな傷がつく危険性がすくなく良いということです。ただし私自身は、従来の金剛砂でゴリゴリやる感触が捨て切れません。 裏押しの方法ですが、先日工房にこられた鉋専門店の御主人が特別に実演をして下さいました。金盤に自分の唾を落とし、その上に金剛砂を昆布茶のサジ一杯ぐらい置いて、押棒を併用して体重をかけて研磨していきます。刃先の方側(普通左)6、右手4の力の入れ方で、刃先に力がかかるように棒を握る位置を調整しながら研磨、水気がなくなってきたら磨きをかけるように空研ぎして、短時間で鏡のような裏を作られました。唾の方が金剛砂が飛び散りにくいそうです。とにかく、裏さえ完全にできていたら、表研ぎは多少下手でも充分切れると思います。 裏切れした時に行なう裏出しも見せていただきました。たたく場所はしのぎ面の中間ではなく、スロープ上部(もちろん地金側)で、たたく力はかなり強いです。玄翁も300gぐらいの物が良いとおっしゃってました。なお裏出しは刃にヒビが入るなどのトラブルも充分予想されますので、各自の責任でお願いします。 第二回暮らしの中の木の椅子展 展示会が下記のように予定されています。私の”軽量スツールセット”も展示されます。
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2000年1月
2000年、名古屋工房スタートの年 このHPのアクセス数が40000を越えました。これまでのご支援ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。 さて、2000年という節目の年に、名古屋の新工房での活動を開始します。現在は写真のように六畳工房から運び込んだ機械で今まで通りの製作をしていますが、1月から日曜日のみ、基礎の木工教室をスタートします。 |