今までのページが重たくなってきたので、このページに1998年と1999年分をまとめました。
99年12月
大工さんとの会話から 11月から、週の前半を建築現場で過ごしています。自然と大工さんと親しくなり、休憩の時や終い際によく話をします。趣味から出発して家具を作っている私にはとても興味深いことが多くあります。今回は見たことや話の中から、いくつか紹介します。 ◇電動工具 ◇手道具 ◇研ぎ ◇治具等 ◇酒・たばこ・余談 名古屋工房の現状 工房、機械室とも友人と二人で床暖房を施行。トイレは仮設の水洗に。11月上旬に現有の機械を運び込み、京都の六畳一間工房はついに消滅しました。 |
99年11月
工具の個人輸入 1ドル100円に近くなると送料を加算しても国内で買うより安く日本にはない道具や材料が入手できる個人輸入はとても魅力的です。国際郵便や国際宅急便が使える小型軽量の道具なら、国内の通信販売とほとんどかわりませんが、以下のような注意と覚悟が必要です。
下のページに私が実際に使った見積依頼や注文の英文例を少しですが掲載しました。おかしな英語ではありますが、文法や体裁にこだわった文より、単刀直入な表現の方が相手にも分かりやすいようです。個人輸入文例集 お店の探し方ですが、最初はFineWoodWorking誌などを購読し、その広告から好みのお店を見つけ、カタログ請求してみるのがよいと思います。海外の雑誌を見ることで英語に慣れます。初めての場合は必ず見積もりを取って、対応が安心できるか判断をする目安にして下さい。 名古屋工房の現状
11月上旬に友人と床暖房を施行します。その後窓や戸などが入って施錠ができ、トイレなどの設備も使用できるようになったら見学が可能になるかもしれません。もうすぐ六畳一間の工房が消滅します。 |
99年10月
北欧木工漫遊記 94年夏、41歳で参加したカペラゴーデンのサマーセミナーのことは時々話題にしますが、実は帰国直後に「北欧木工漫遊記」という連載で、パソコン通信PCVANに発表しています。この一文は感傷的になって書いたためか、ちょっと気恥ずかしいところもあり、その後は公開はしていませんでした。 なお、このサマーセミナーへの参加方法は、リンクのページにあるカペラゴーデンのホームページに書いてあります。 介護保険 脱サラして自営になられた方は皆さん経験されると思いますが、国民健康保険と国民年金が大きな負担になることにビックリされるでしょう。特に退職直後は、前年の収入を基礎に計算されるために、健康保険だけで毎月3万以上払うことになります。私は家族の病気や怪我のことを考え健康保険はかけていますが、自分のことである国民年金は今年は払うのが辛いので免除を申請しています(もちろん払わない期間に応じて、支給額は減少します)。 もうすぐ介護保険が導入されます。私の親父の場合でも、寝たきり老人の介護は実に切実な問題ではありましたが、政府の今までのやり方を考えると本当の意味での介護保険になるのか疑問です。実質国保の穴埋めや、老人介護に乗り出す業者へ回るだけではないかという危惧があります。また消費税の福祉目的税化による増税などというのも末恐ろしい。 不況によるリストラや、収入減によって健康保険の財源も減少するばかり。そこに登場する介護保険。これから木工で生計を立てようと考えておられる方、必ず出会う国民健康保険+介護保険と国民年金にどう対処するか、考えておく必要があるようです。 |
99年9月
高岡短期大学でのサマーセミナー 英国のパーナムカレッジ(家具作家、メークピース氏の学校)から、二人の講師を招いてのサマーセミナーに参加してきました。昨年の山形大学に始まり、今年は高岡短期大学、来年は旭川東海大学の3年連続の企画だそうです。「北陸は暑さがましだろう」という甘い期待は完全に裏切られ、連日体温を超すような日本一の気温が続きました。
二番目の課題は、スツールです。ウォルトン先生の作る椅子は斜めの部材を併用した細く軽い椅子で、座はナイロンテープを編んでいるものが多く、私の好みと一致しています。この課題でも図を書かずに5分の1モデルでアイデアを具現化しました。参加者の中には木工機械をさわるのは初めての方もおられ、実際の製作ではかなり苦労した方も多かったようです。日本のどこまでもきっちりした木工技術とは違い、ややラフで、実質的な先生のやり方に戸惑いもありましたが、最後にはほとんどの皆さんが独創的なスツールを完成していました。下の写真の中央にあるのが私のスツールで細いテーパーのついた丸棒3本をひとつの脚にし、座はウォルトン先生の指導で麻ひも3本をならべて編んでいます。
7月30日から8月7日という長期間であり、滞在費を含めた参加費用はかなりの額になるため、参加しにくい傾向はありましたが、得難いチャンスを与えて下さいました国立高岡短期大学のスタッフの皆様に感謝しています。 |
99年8月
「木造と継手と仕口」住吉寅七・松井源吾、鹿島出版会という本をご存知でしょうか?日本の建物の伝統的な継手と仕口の本は何冊かありますが、図面、写真、強度試験結果等が載っているのはこの本だけではないかと思います。縁あって、その著者住吉氏の天理市にある御宅と作業場を訪問しました。 明治44年生まれの住吉棟梁ですが、まだまだお元気で、奥さんと二人で天理教の教会のそばに住んでおられます。木造校舎で有名な東野高校の建設で、早稲田大学の松井源吾教授と出会い、上記の本を残されたのだと思います。その後ニューヨークでも伝統的な継手と仕口の展示会も行ない、たいへん盛況であったと聞きました。 今まで日本の伝統的仕口や継手は、意匠的過ぎるものが多いのではないかと思っていましたが、棟梁のお話を聞いて、「大工さんが力のかかり方や木の使い方を考えてゆく過程で次第に複雑な物になってきたのではないか」という思うようになりました。 まだまだ元気な棟梁ですが、今手元においている継手と仕口の見本を、生きた形で活用してもらえる場所へ預けたいという気持ちが強くなっておられるようです。また要望があれば後進の実技指導や講演会等に出かけられることも可能ではないかと思います。 そんなわけで、棟梁の御宅にある継手と仕口の見本(本のモデル)を多くの人が活用できる機関や場所等をご紹介いただける方がおられましたら、ぜひ私までご連絡いただきたいと思います。なお、名古屋で発行されている地域的な建築雑誌には特集を組む予定があるようです。 |
99年7月
海外のホームページから パソコンに向かう時間がだんだんと長くなっています。「コリャいかん!」と思いながらもついズルズル。「インターネットは空っぽの洞窟」と言う方もおられますが、私はインターネット抜きの生活は考えられないようになりました。今月は今まで利用したホームページで安心してオススメできるサイトをいくつかピックアップしました。すでにご存知のところも多いと思いますが、英語が苦手な方も辞書片手にトライされては如何でしょうか。通信費節約のため、ダイアルアップを切断し、時間を気にしないで読むといいです。なおリンクページを大幅更新していますのでご利用下さい。 WoodWorking onthe World Wide Webの意味で、Wが五つあることからW5という名前。やたら文字が多いですが、アメリカの木工関連情報がびっしりと詰まっています。文字の多いホームページの方が、内容が充実していることが多いと感じるのは私だけでしょうか?ここから米国の通販店を探すことも可能。 木工関連書籍のオンラインカタログが役に立ちます。私はメールで見積もりをとり、FAXでクレジットカード番号を送って注文しています。後述のアマゾンブックスと値段を比較してから安い方で買うといいかも。このお店はメールでの対応も迅速で安心です。なお、個人輸入にはクレジットカードがないと、不可能ではありませんが、不安な前払いになってしまいます。スーパーやデパートのカードでもVISAなどと連携してあるものなら使えます。 世界最大のインターネット本屋さん。最も成功した仮想店舗として有名。英国やドイツにも支店があるので、米国圏以外の本も入手できる可能性があります。また絶版となった本の場合でも中古市場から探し出してくれることがあり、メールでの対応も親切で丁寧。成功するだけのことはあります。 木工とは関係ないかもしれませんが、対応が迅速で確実なCDショップ。一度購入すると、定期的に届くメールが、RYOHEIバージョンになっており、以前購入したCDと同じジャンルのCDをPRしてくるところがニクイ。日本では入手不可能なCDが手に入る。 日本のページだが、オハイオに住む日本人木工家がアメリカからオススメ木工グッズの通販をしていたりして、面白い。ニフティーサーブのDIYフォーラムのメンバーが中心になってすすめているオンラインDIYショップ。決済方法はメールで各々のお店と連絡する仕組みのようです。ウエスタンレッドシダー材の通販もあるのにはビックリ。 |
99年6月
東さんの南京鉋 松本クラフトフェアの頃になると、東さんを思い出します。数年前友人から、彼の作る南京鉋がすばらしいことを聞き、松本クラフトフェアで二本購入し、今も使っています。天国の東さんは許してくれると勝手に判断し、コピーをしてみました。
上は刃幅30mm、中は刃幅24mm、下はそれをコピーした私の作です。なんとなく形がしまりません。刃は中段の24mmを兼用し、台はやや丸がきついように作りました。下の写真はその裏側です。シートの桝目は5cm間隔ですから、だいたいサイズはわかると思います。 結果はオリジナルにはおよびませんでしたが、ほぼそれに近い削り具合で満足です。貴重な職人技を形で残してくれた東さんにおおいに感謝しています。 |
99年5月
ウッドカーバーとボッシュの変速ディスクサンダー 3月大阪DIYショウで、超硬えぐりカッター(オーストラリア、ARBORTECH社)と保護カバーを購入しました。展示即売特別価格と思いますがカバーと合計で税込12000円でした。後日大阪日本橋たつみ商会で買ったボッシュの変速ディスクサンダー、GWS6-100E/N(定価19000円を旧モデル価格12000円)につけて使っています。知人から「座ぐりにはウッドカーバーがいいよ」とすすめられていたのですが、使ってみた感想は
図のようにいろいろな加工ができるようですが、個人的には、どうしても必要な道具とは思いませんでした。しかし滑らかで自由な切削感覚は今までにないもので、この能力を生かす上手な使い方を考えたいところです。直径100m補助ハンドル付15000回転以下のディスクサンダーで使用可。発売元は株スターエム(0794-82-0200)。 クルミ油 最近、クルミ油にはまっています。スプーンやサラダボールはもちろん、「簡便で安全なオイルフィニッシュはクルミ油で決まり!」とさえ思います。匂いが良く、乾燥は速くないはずですが、2日ほどでほとんどベタツキ感がなくなるのは意外でした。問題は入手しにくいことでしたが、国内でも食用油の豊年からクルミ油が発売されているのを最近知りました。大きなスーパーの食用油売り場で、オリーブオイルなどと並んで、小さな角ビンに入ったクルミ油を発見できるでしょう。 |
99年4月
接着剤 ”接着”という作業、ひょっとしたら木工技術の中で一番難しい部類に入るのではないでしょうか。現在の木工技術は接着剤に頼るところが大きいので接着剤についてよく知っておくことは重要です。 趣味の木工をしてきた私が日頃よく使うのはコニシのCH18です。樹脂分が多いプロ用(CH1000等)を試したいのですが、販売されている最小単位は20kg入りで個人ではちょっと買えません。多くの場合、CH18で問題はありませんが、テーブルの天板などでは耐水性に不安があり、またスキマを埋めることのできる接着剤もほしい。そんなわけで今まで使ってみた接着剤を簡単にリポートしてみました。 コニシCH18 TitebondU ゴリラグルー Execel TP-111(水性ビニールボンド、通称PIボンド) 二液性エポキシボンド 結局、趣味や小さな工房では、いわゆる木工ボンドをその接着力が最大に生かされるように注意しながら使うのが一番という結論になりそうです。膠は試していませんが、これは長期にわたる経年変化にも実績があり、今度ぜひ使ってみたいと思います。 |
1999年3月
CADについて 「新しいアイデアは紙の上でしか生まれない」と思っている私ですが、字が下手で100%ワープロで文を書いている私にはパソコンで製図ができることはひとつの課題です。今回は今まで試してきた数種類のCADソフトについて簡単に使用感を書きました。
事実上、世界標準とされるAutoCADやアシスト機能が便利なMiniCADなど、すばらしいでしょうが、個人では気軽に買えない値段です。3次元とかこだわらなければ、JWCADを習熟しておけば、きっと何かの役にたつと思います。無料で、市販のソフトより使いやすく、事実上の日本標準・・・そんなおいしいソフト、他に聞いたことがありません。作者の方に頭が下がるばかりです。 |
1999年2月
新塗料、ESHAについて 昨年、ターナー絵の具からESHAという名前の一連の安全性を重視したオイルや蜜蝋などが発売されました。縁あって、その最終段階のサンプルを試す機会がありました。製品の種類や成分などの詳しい情報は同社のホームページを見ていただくとして、使った率直な感想などを少し書きます。(試供品の提供を受けたこと以外、同社との利害関係はありません) オイルフィニッシュ グロスフィニッシュ 蜜蝋 着色剤 オスモ、アウロ、リボス等、ドイツ製塗料におされてきた感のある安全や自然循環をテーマにした塗料分野に、入手しやすい日本製が加わることは歓迎です。欲を言えば、流通経路の見直しなどによって末端価格がより手ごろになればと思います。 |
1999年1月
頌春 今年もよろしくお願いします。 年頭にあたり、昨年製作した作品の展示会を今年も開催します。ご覧いただいた率直な感想やご意見をいただけるとうれしいです。 Exhibition99 暮らしの中の木の椅子展 1月28日(木)〜2月16日(火) |
1998年12月
「暮らしの中の木の椅子展」余談 今年名古屋でスタートしたこの展示会、見学者が自由に見て触って座れるのが好評で、当初は最後とされた新宿OZONEでの展示会のあとも木の椅子展が、来年4月25日から6月20日まで「札幌芸術の森工芸館」でも開催されるようです。 これまでコンペで「選外」のハガキばかりもらっていた私、うれしくて4月の名古屋の展示会場に出かけました。初日とあって審査員の方々もこられており、学生を連れてこられた長先生のお話なども聞くことができました。そのなかで選考の基準なども少し話されていました。「木目が見事な座卓のように、木の質感にたよった作品はすべてはずしました」というお話が印象に残っています。この基準がいいか悪いかわかりませんが、私自身はその方向でのモノ作りに共感を覚えています。 レベルの高い他の作品を見ると正直なところ私の椅子がどうして入ったか不思議です。スタッキングの仕組みはストックホルムの市庁舎にあった椅子からヒントをもらったもので北欧ではごく一般的なものです。できるだけ軽く細身にしたかったので、後脚は約2cm厚の板、前脚は3cm角材を使い、ホゾ穴はルーターを用いて貫通寸前まで掘っています。それでも強度にやや問題があると思います。チークと桐、楢とハンノキという二種類の木のコントラストの面白さもねらいました。
1月28日(木)から2月16日(火)
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1998年11月
カペラゴーデン校長先生夫婦来日
1998年11月7日
9月に訪問したスウェーデンの工芸学校、カペラゴーデンの校長先生夫妻がタイ経由で来日、7日に奈良の大仏さんを案内した後、狭いウチの6畳工房を見て、近くのハーブ屋さんで友人達といっしょにディナーを楽しみました。北海道、高岡、そして京都・奈良で観光を楽しみ、9日関空から帰国されました。
含水率計購入レポート
11月10日
前からほしいと思いながら円安で購入に踏み切れなかった含水率計を、先週の円高のタイミングに合わせて米国Woodcraftから購入しました。FWW誌などでも定評のあるWAGNER社のL606という高周波含水率計です。
今日到着したので電池を入れていろんな木材を測定してみましたが、家の中においている木はどれも15%以下で、家具作りに問題ない程度に乾燥していることが確認できました。これから材木購入には必ずお供させるつもりです。今まで勘に頼っていたことが、メーターで数値として読み取れると安心です。
本体約240ドル、送料17ドルに消費税と通関手数料900円を取られ、計31000円ぐらいになっていると思います。先日の大阪木工機械展で同じものが38000円で売られているのを見ましたから、これぐらいの価格差であれば国内で購入する方が安心かもしれません。
右は説明書の写真で、現在の製品にはストラップはなく、そのかわりにナイロンコーデュロイ製ケースが付属しています。ダグラスファーは直読できますが、それ以外はメーター指示値を付属している各樹種への換算表から含水率を読み取ります。測定精度はよくわかりませんが、私が木工をするのに充分なことは間違いなさそうです。
1998年9月
カミさんとスウェーデン木工ツアー
Sep24,1998
二ヶ月前に定職をリタイヤした身ではありますが、時間が十分にあるこのチャンスを利用して、前々から実現したかったカミさんとのスウェーデン旅行をしてきました。一番の目的は4年前にサマーセミナーに参加したカペラゴーデンをもう一度夫婦で見ることでしたが、友人や知人の御宅に招かれることも多く、スウェーデン人の気配りやさしさが前にもまして身にしみました。(旅行記を別ページ書いています)
カペラゴーデン中庭
[行動概要]
9月10日 関空からヘルシンキ経由でストックホルム。
9月11日 SJ(スウェーデンのJR)でカルマルへ。車でカペラゴーデン(3泊)。
9月12日 アルベスタ駅での展示会や、O氏宅訪問。
9月13日 先生の案内でエーランド島観光
9月14日 SJでストックホルムへ。マルムステン、ストックホルム校見学
9月15日 市内の博物館等見学
9月16日 午前中市庁舎を見て午後カミさん一人で帰国
9月17日 ストックホルム市の工房、工具店、ショップなど案内される
9月18日 バスでオーモルへ。四年前にいっしょだったY嬢と再会。
9月19日 スティーナビースクール見学。午後キノコ採り
9月20日 ヨーテボリへ移動、ルシュカ博物館とホーデコー(学校)見学
9月21日 アリングソスの工房や、近郊の工房訪問
9月22日 ストックホルムへ移動。家具展示場見学
9月23日 最後のショッピングをして午後の便で帰国、24日関空帰着
写真ができたら、少しずつ思い出を書いていこうと思います。最後に一言。一週間自分達で家事をしてくれた子供たちと3日間その手助けをしてくれたカミさんのお母さんの協力がなければ実現できない旅でした。また国内外を問わず、数え切れないほど多くの皆さんにお世話になりました。感謝します。
1998年8月
木製アタッシュ
強度と軽さを考え、外枠は10mm厚柾目の楢をフィンガージョイントで組み、オスモのウォールナットで仕上げています。鏡板に相当する部分は6mm厚の桐に溝を切り、2mmの黒檀のサネで5枚をルーズに結合しています。仕上げはオリジナルブレンドワックス。蝶番は6mm黒檀で自作、取っ手はカエデで、収納式黒檀の丸棒で箱を保持する仕組み。開け閉めは考えに考えた末の巻き貝型。この詳細は企業秘密(^^)。ちょっとしたアイデアでも、物マネではないオリジナルなアイデアが実現できた時はうれしいものです。 製作には様々なテクニックを使っています。フィンガージョインとはテーブルソウと簡単な治具で作り、桐板の溝は薄い丸鋸刃で加工し、サネの黒檀2mmはバンドソウで挽いています。錠前はルーターと簡単な円切り治具で作っています。自己満足でしょうが、簡単に見えるこの鞄、今までにやってきたいろんなことがいっぱい詰まっているのです。 この変な鞄を持ったオジサンを見かけたら、それがWWMおじさんというわけです。 |
1998年7月
「木工房」という雑誌が発刊されました。このホームページがきっかけで、そこにオイルフィニッシュ関連の記事を書いています。まだまだ海外の木工雑誌などに比べると、不満なところが多いのですが、文句を言うばかりではなく、自分の記事だけでも、今までにない情報や考え方、ノウハウ等を伝えたいと思います。
今年からFineWoodWorking誌(FWW誌)の兄弟雑誌HomeFurniture誌が廃刊になりました。美しい写真とすばらしい家具の紹介で、日本でも読者が多かったことと思います。私も気に入って、3年間の購読を更新した矢先でした。特に要望しないかぎり、その購読料は、FWW誌の購読に流用されるので、なんと私は2003年までFWW誌の購読料を払っていることになります。
このアメリカの出版社のやることも結構エグイですね。悪く考えれば、「資金稼ぎのために新しい雑誌を発刊し、短期間で廃刊にした」ともとらえることができると思います。今まで絶賛していましたが、FWW誌を見続けている私には、最近ちょっと記事が面白くなくなっています。
一方、二年ほど前に発刊された英国のFurniture&CabinetMaking誌はややマンネリのFWW誌に比べ、毎回内容がアップしている気がします。また欧州は米国にくらべてよりオリジナリティーや独自のアイデアを大切にするようです。
知的所有権についてに認識は、私を含め、日本人が今後最も気をつけなければならないことのひとつだと思います。
1998年5月
3月4月は実にたくさんの海外からのお客さんがこられました。Linkページでも紹介しているロスの木工家Bobさん、オーストラリアの家具デザイナーで製作家のTonyさん、二回目の来宅であるカナダのEdwardさん、そして最後は1994年夏にサマーセミナーでお世話になったスウェーデンの工芸学校、カペラゴーデンの先生と生徒計20名です。そのうちで何と言っても圧巻はスウェーデンからの一行でした。以下のページにカペラの若者の様子やEdwardの糸鋸テクニック披露の様子をレポートします。
from Capellagarden4月26日午前9時6分、スウェーデンの工芸学校、カペラゴーデンの生徒と先生20名がついに我が町にやってきた。最寄りのJR駅から連なって歩いている20名のスウェーデン人の行列はただならぬ気配。近所の犬が吠え立てる中、我が家に到着。もうあとはどうして入ったかわかりません。居間に行ったり工房にいったりして、最終的にピアノとエレクトーンと机2つが置いてある、6畳の部屋に全員が集まってしまった。玄関に家族を立たせて紹介し、私は工房の襖をあけて、そこから日本人女性の生徒さんの通訳で、全体討議。 向こうからは、「カペラゴーデンに行ったことの意義はなんでしたか?」とか、計画中の木工学校について「それで経済的にやっていけると思いますか?」など真剣な質問があり、思っていることを正直に答えましたが、その内容はかなり個人的かつ専門的で省略します。
もっと休んでいたそうだったが、JR駅まで車二往復で彼らを運び、JR法隆寺駅へ。駅から田んぼの中の道を歩いて法隆寺に到着し、伽藍を見学。彼らの見学スタイルというのは日本の団体旅行とは全く違い、英語ガイドの話など聞かないで、それぞれ勝手に見ているのである。お疲れの人は木陰で寝ていたり、スケッチをしたり・・・これでは実質日本の案内をしている日本人女性の生徒さんがたいへんだ。 以上 4月26日の日記より from Canadaインターネットのニュースグループ、rec.woodworkingへの書き込みに返事をくれたことで知合ったEdward、ウチに来るのは2回目。日本のクラフトフェスティバルに作品を応募したこともある彼の得意は糸鋸。今回帰国前日、再度ウチに寄ってその腕前を披露してくれました。繊細な切り抜きをこなすためのポイントは
以上、5月10日(日)の日記から |