Ryohei's Exhibition 1999


 

娘の机
アルダー・楢・黒檀

 マンガの絵のついた学習机を欲しがったウチの子供たちも、高校に入るときにはオヤジの作る机を欲しがりました。
 二才上の息子の時も、シンプルな机を作りましたが、今回は娘から、「引出のない、横に長い幅の狭い机」という注文です。軽いアルダーの天板を、丈夫な楢の脚部で支えています。幕板と脚の仕口は少し複雑で、黒檀の楔を斜めに入れてアクセントにしました。天板はオスモのクリアーで、その他は煮亜麻仁油仕上。ねらいどおり軽い感じにできあがりました。
 

カエデの筆箱
カエデ、黒檀

写真ではわかりにくいですが、複雑な木目が側面全てにつながっています。トリック的な木取りです。
 桐油のオイルフィニッシュと、ワックス仕上げの二種類あります。

ペンたて
スプルース・ブラックウォールナット

 機械をできるだけ使ってつくっています。留めは切りっぱなし、紙テープを外側に使って接着。乾燥後ジグにのせてテーブルソウで切り込みをいれ、サネをはめました。
 煮亜麻仁油によるオイルフィニッシュと、蜜蝋のワックス仕上げの二種類あります。

木のアタッシュケース
桐・楢・黒檀・カエデ

 自分用に作ったものの、目立ちすぎるように思えて外に持って出たことがありません。フィンガージョイントで楢の外枠を組み、薄い黒檀のサネをいれて桐の板を表と底にはめ込みました。カエデの取っ手はスリットを入れた黒檀の丸棒で、半分収納できるようになっており、巻き貝型の円盤を回して開け閉めします。
 外枠はオスモのウォールナットで、その他は自家製ブレンドワックスで仕上げています。

小さな額
ブラックウォールナット

 絵葉書を入れるための小さな額。80度に斜めに切断した枠を接着し、乾燥後サネを入れています。内部が凹んだ額はあとで鉋がかけられないので、接着に気を使います。仕上げは蜜蝋。
 絵はスウェーデンのエーランド島の羊たちです。

壁掛用飾り棚
黒檀、カエデ

 虹をイメージしたカエデの棒に黒檀の薄板が水平に組み合わさっています。写真の馬はスウェーデンの民芸品。
 自家製ブレンドワックス仕上げ。

電話/FAX台
ブラックチェリー、カエデ、アルダー、楢、シウリサクラ

 自宅の電話台です。多くの樹種を使っていますが、これは工房にたまっている端材を使って作ったため。
 ふつうの引出箱は外側の板と引出の板が二重になっていますが、これが材木の無駄使いのように思えてならなかったのです。それで引出の側板をそのまま見せる形を考えました。引出は黒檀のレールを仲立ちに全部引き出しても落ちない仕組みです。
 取っ手は昨年から私のよくやる、お魚。割れの入った木目の流れる川の中を四匹の親子の魚が泳いでいるように見えるかな?
 仕上げはESHAの蜜蝋ワックス仕上げと煮亜麻仁油によるオイルフィニッシュです。

アイロンチェアー
鉄棒、アルダー、楢、ニレ

 昨年末、富士山麓で鉄工所を経営されている、自称”なみへい”さんの工場で、初めて曲げや溶接、焼きつけ塗装などを体験しました。その時作ったフレームに、木製の座と背もたれをつけました。
 背は、アルダーを薄く切って曲面ジグにあわせて接着し、曲げています。座はアルダーの角棒を四本のニレの棒が串刺しになっています。木には少し座ぐりがしてあり、さらに曲がった鉄のフレームに固定され、中央がやや低くなっています。
 これはプロトタイプであり、背もたれや前脚の強度が足りません。鉄棒をもっと剛性のあるものにすれば、実用に耐えるのではないかと思います。
 鉄部が黒のつや消し焼きつけ塗装、木部はESHAの蜜蝋ワックスです。

コートハンガー
楢、ニレ

 この変な形のオブジェ、コートハンガーのつもりで作りましたが、実はウチで室内洗濯物用の物干し台になっています。ハートの部分にパンツやクツ下がたくさんつるされているハンガーを3つかけるととても便利。カッコ良くありませんが、気どったオブジェより、実用的に使ってもらえて木も幸せでしょう。
 3本の長い棒は端材のニレを二本ずつ曲げて接着しています。上段の丸い輪は八角形に接着した二つの層を互い違いに接着し、ルーターで丸く整形しました。かなり複雑な工程です。
 ワックス仕上げと、ワトコ茶ワックスなどを併用しています。ストックホルムで再会したウイレ君からもらった湖の底に沈んでいたという風格のある流木を台にのせています。

ダイニングチェア
楢、ペーパーコード

 背もたれの低い、シンプルで丈夫なダイニングチェア。目立つデザインではありませんが、充分な強度と実用的な座り心地です。
 ペーパーコードは米国からの輸入物、日本のペーパーコードよりやや緩く、スキマなくうまく編めました。欠点は少ないのですが、あえて言えば、どこかにアクセントがほしいところです。
 ワトコの白ワックスと自家製ワックスを併用しています。


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