日経を読む
- なんとかなるさ
小さくたってD 89歳で冒険、いざ中国
機械部品会社経営 小山星児氏(101)
日経 2007年3月9日 夕刊 1面
不老長寿伝説の本場ともいえる中国の人々を面食らわす。小山星児が空港でパスポートをみせると
「この年齢で本当に現役なのか」と騒ぎになり、入管ゲートが全面閉鎖されたことがあった。
騒動も無理はなく、自動車のクラッチ用部品や家電用部品を造る睦特殊金属工業(東京都町田市)の会長として、
中国進出を決めたのは1994年、89歳のとき。
「日本では中小企業で終わったが、大陸なら大企業になれるかも」。海外挑戦は太平洋戦争中、
軍事工場の技術者として日米の技術力の差を痛感して以来の夢でもある。周囲は「その年で」と反対したが、
本人としては好機を迎えたとき、たまたま戦後50年が経過していただけの話だ。
壮絶な方の話です。100歳まで生きることもなかなか難しいとは思いますが、
89歳で、まだまだ現役を目指す意欲に驚かされます。
なにやら、ものすごく丈夫な家系なのでしょうか。
この方のお言葉を借りれば、「老いは年齢が決めるのではない。人が自分で判断するものだ。」
とのことです。元気に暮らすことが大切なようです。
(2007.04.08)
- 急行と快速どちらが速い
複雑なダイヤで乗客細かく拾う
日経 2007年2月24日 プラス1 19面
急行、準急、快速。ふだん乗り慣れない私鉄だと、どれが速いのか、わからないことがある。
転勤や旅行などで困らないよう、調べてみた。(中略)
一部の駅を通過する私鉄の列車で初期のものとしては、南海電気鉄道の前身、南海鉄道が1903年に走らせている。
蒸気機関車の時代だ。電車でみると14年の京阪電気鉄道が早い。
種別を増やした背景には競合路線とのスピード競争のほか、都市化の進行や混雑の拡大がある。
その過程で妙なねじれも生じた。京阪では準急のほうが区間急行より速い。
停車駅が少ない準急が途中で区間急行を追い抜く仕組みだ
しかし最近は別の問題が出てきている。少子化などによる利用者の減少だ。日本民営鉄道協会によると、
大手16社の輸送人員は1991年度をピークに11年減り続けた。
そこで盛んになったのがダイヤの多様化。途中の停車パターンを工夫し、
乗客をきめ細かく拾っていこうとする考え方だ。
その結果として出てきた奇妙な現象が特急のスピードダウンだ。京阪は2000年まで、大阪市の淀屋橋駅と
京都市の三条駅を最速44分20秒で結んでいた。ところがいまは49分30秒。5分10秒遅くなった。
京都市内の中書島駅と丹波橋駅でも特急を止めて、宇治線や近畿日本鉄道京都線からの
乗り換え客を取りこもうとしたためだ。(京阪についての部分を主に抜粋しました)
かなりマニアックな記事が出ているなぁ、と思って感心しながら見ていました。
関西の私鉄には、快速という車両が無いので特には気にしなかったのですが、
関東の東武、西武、京成、京王、小田急と急行・快速について、なかなかの混乱ぶりという感じです。
JR西日本の京都線は、新快速が走っているのでとんでもなく速いような気もします。
(京都、大阪間の停車駅は高槻、新大阪の2駅だけで29分で着きます)
全体的に京阪の記事も多かったです。京阪の特急は急行よりも少し速いかなぁという感じですが、
景色がのんびりしているところが多いので、乗っていて結構楽しいです。
(2007.04.08)
- 大日本印刷、ICカード1枚50
円 非接触型、従来の10分の1
日経 2007年3月6日 13面
大日本印刷は従来と同等の安全性を確保しながら価格が10分の1程度となる非接触ICカードを開発した。
従来より容量は小さいが、1枚約50円に抑えることで、映画チケットや社員証、診察券などにも利用可能。
高価格で多機能の用途に限られていた非接触ICカード市場のすそ野が広がる。
3月中旬からサンプルを出荷、年内に量産を始める。
非接触ICカードはまだまだ高いもので、JR西日本のICOCAを使うのに、
確か500円のデポジット金を取られたような気がします。
これからの利用価値は非常に高いとされているだけに、量産体制が整えば色々な利用方法が、
期待できると思います。ただ、記事によると記録容量は現行の60分の1だそうで、
まだまだ、改善の余地はあるのでしょうか。
(2007.04.08)
- 「正規分布」なぜ役立つ?
数学の応用、幅広く、確実性のよりどころ求め
日経 2007年3月4日 29面
統計に加え確立も
明日香はまず、金融機関のリスク管理に詳しい富士通総研(東京・港)へ向かった。
説明してくれたのは主席研究員の中林歩さん(44)。「金融機関は日々の為替や株などの変動リスクを
管理するため、正規分布という数学手法を使っています」
「正規分布?」。明日香はその足で図書館へ行き、数学の本を開いた。
すると、正規分布は19世紀の数学者ガウスにちなんでガウス分布とも呼ばれ、
統計で集めたデータをグラフ化した際に山型の左右対称になること、とある。
例えば、平均点70点の試験で、一定の点数幅を横軸に、人数を縦軸に取ってグラフにすると、
70点近辺を頂点にした左右対称の山型になる。これを正規分布と呼び、
ほとんどのデータが一定のばらつきの中に収まる。ある集団の身長や体重などのばらつきにも
正規分布が当てはまる。「なるほどね」
再び富士通総研の中林さんに電話で聞くと「正規分布は、ある集団の統計データのばらつきを
表現するだけでなく、確率の算出にも使えます」と付け加えてくれた。
物語り仕立てでいろいろな謎に挑戦している、エコノ探偵団。
今回は数学ということで、久しぶりにのんびりと読んでしまいました。
記事にあった、数学を産業に応用した主な例として紹介されていたのは、
符号理論、待ち行列、正規分布、黄金比とありました。
待ち行列は、銀行ATMへの並び方とあります。何やら気になる感じです。
この記事の最後には、毎回カワイイ落ちが着きます。
(2007.04.08)