日経を読む
- JAPASIAアジアの中の日本
第1部海越え芽吹くA
メード喫茶 南国の笑顔
日経 2007年2月17日 夕刊 1面
「ウエルカム・バック・マスター(お帰りなさいませ、ご主人さま)」。シンガポールの中心街に
昨年12月、初のメードカフェが開店した。
もてなすのは自作のメード風衣装に身を包んだ16歳から23歳の女性たち。若いシンガポール人男性客らは
照れくさそうだが、日本人や欧米人観光客は話しかけたり、写真を撮ったり。店の雰囲気は南国らしく、
からっとして明るい。
店を開いたのはファーリン・タン・チャーメイさん(16)。昨年8月に名古屋で催された「世界コスプレ
サミット」のシンガポール代表。コスプレ仲間の間では中国名チャーメイ(佳美)から「よしみ」で通る。
自称「コスプレオタク」が東京・秋葉原で入ったメードカフェに感激し、両親の資金援助で開業した。
シンガポールは規則が厳しい国ということで有名みたいですが、アジアということでさすがですね。
日経もなかなかサブカルチャーを取材することが好きなようで、よくこのような話題から話が進みます。
このごろは、土曜の夕刊3面に“さぶかるウォッチング”というコーナーが出来、
これまでに涼宮ハルヒという単語が、3回ぐらい出ているようで、かなりのマニアックぶりです。
そういう意味で、日経を読んでいると結構楽しいですし、
このようなコンテンツも最近の経済には重要になってきていると日々感じています。
たぶん、これを読んで頂いているみなさんにも、そう感じて頂ていることを期待します。
(別にそれが、よいとはようよう言えませんが)
(2007.02.21)
- ケータイVB 変わる業界地図
すそ野広がる(下)
1年持たない商品寿命 需要の波とらえて変化
日経 2007年2月7日 15面
「ヒット端末に巡り合うかどうかで業績が大きく変わってしまう」。折り畳み式携帯電話端末の
ヒンジ(ちょうつがい)でシェアトップのストロベリーコーポレーション。大泉雅裕社長は業績が
端末の販売動向に左右されやすい状況を嘆く。
量産効果出せず
折り畳み式の需要拡大を追い風に業績を伸ばしたが、2007年3月期の連結経常利益は前期比90%減の
8000万円にとどまりそう。今期は同社がヒンジを供給する端末のヒットが少なかったからだ。
携帯電話会社や端末メーカーの顧客獲得競争で、端末の種類は増える一方だ。機種の増加で部品メーカーの
事業機会は拡大するが「はずれ」の端末も多くなる。一機種あたりの平均生産台数は「2-3年前は100万台は
あったが、今では半減している」(大泉社長)。
ヒンジは機種ごとに仕様が違い、自社が担当する端末が販売不振で量産効果を出せないと金型などの
初期負担が重くなる。01年ころは一つのヒット商品が1年程度売り上げに貢献したが、最近は3カ月程度しか
もたなくなっているという。
ケータイも大変、競争が厳しい部門であります。
海外では、日本のメーカーがかなり撤退し、国内でもかなり苦しい状況になっていると思います。
下請け企業になると、なかなか利益率を上げることは難しく、
メーカーからの負担の方が大きくなってきているようです。
端末に組み込むソフトも商品寿命は、短くなってきているようで、
収益を上げるには、さらなる工夫が必要となっている模様です。
(2007.02.20)
- 予想以上?遺伝の個人差
コピー数多型の違いで体質差
個数の違い多く、個の医療重要に
日経 2007年2月4日 29面
東京大学など日米英カナダの国際研究チームは、ヒトゲノム(人間の全遺伝情報)の遺伝子のうち
2908種類で、人により保有個数に違いがあることを発見し、英科学誌ネイチャーに昨年11月発表した。
ヒトの遺伝子は全部で約25000種類と考えられているので、約12%にものぼる。
こうした個人差は「コピー数多型(たけい)」と呼ばれる。コピー数は、親から子へ複製される遺伝子の
個数を指し、多型とはその個数に複数パターンがあるという意味だ。
ほとんどの遺伝子は通常、各種類につき両親から一個ずつ複製されて受け継ぐため計二個持つが、
コピー数多型は片方の親からの複製がゼロだったり二個だったりして起こる。複製がもっと多い場合もあり、ある免疫に関係する遺伝子を六個持つ例も報告され
ている。
コピー数多型が遺伝子の約12%にあるという割合は、今後の研究で「30%程度にまで増える可能性がある」と
国際研究チームの日本の代表者である油谷浩幸・東京大学教授は予測、「これまでオーダーメード医療は
SNP(一塩基多型)だけで遺伝的な違いを判定していたが、見直す必要がある」と指摘する。
国際研究チームは精度よくコピー数多型を見つける技術の研究などを進める計画。1-2年後には
新しい診断法が登場しそうだ。
かなり、ややこしい話ですが、遺伝子研究によっていろいろ分かってきているみたいです。
その人にあった、副作用の起こりにくい治療を受けられるようになってきています。
ES細胞の研究もさかんになってきているようなので、これからの進歩が楽しみではありますが、
倫理の面で問題も多く存在するので、病気の人が早く治療できるように進展することを期待しています。
(2007.02.20)
- 車載ソフト開発 トヨタ陣営強化
デンソーが技術者増員、アイシンは新会社設立 「クルマの電子化」に対応
日経 2007年2月1日 13面
トヨタ自動車グループ各社が車載用ソフトウエアの開発を強化する。豊田通商は2011年までに
タイの技術者を現在の約8倍にあたる570人に、デンソーはフィリピンで08年までに3倍にそれぞれ増やす。
アイシン精機も31日、ソフト開発専門の新会社設立を発表した。一台の自動車に使う
制御用コンピューターが増える「クルマの電子化」が進み、駆動するソフトの開発力が車の性能向上に
直結し始めたことに対応する。
車載用ソフトはマイコンに搭載され、エンジン制御などに使われる。ここ数年はハイブリッド車や
カーナビゲーションシステム、駐車支援システムなどにマイコンの利用が広がっている。今後、
燃費性能や安全対策といった自動車の付加価値を高める技術は、車載ソフトの性能に左右されるとみられ、
各社は開発力の向上を急ぐ。
車も本当に細かい部品の組み合わせも多いですが、技術革新のスピードも目覚しいものがあります。
ハイブリッド車が出始めのころは、そんなに効率も良くなかったみたいですが、
今では車以外に、建設用機械にも採用する動きも見られています。
ロボット技術が、車の開発に役立つような日がそろそろ現実になってきました。
早くも、ボディースーツの発売やレンタルが行われようとしています。
そのうち、車もオートドライバーが標準になるかもしれませんね。
(2007.02.19)
- メセナを担う
福原義春さんに聞く
多面体の人こそ魅力的 自分サイズの活動を
日経 2007年2月1日 夕刊 13面 こころのページ
A面の仕事とB面の趣味が2つそろって人生は豊かになる
経済界きっての文化人といわれるだけに、いきなり「文化はヒト、モノ、カネと同じように経営資源
なんです」という持論が飛び出した。福原さんが社長になった1987年ごろ、「会社の寿命30年」
ということが盛んにメディアで騒がれていた。ところが資生堂はとっくに創業100年を超えていた。
社員にはいつも、「レコードにA面とB面があるように、人生にも仕事のA面と趣味やプライベートの
B面があり、2つのそろって人生が豊かになる」と伝えてきた。
百人いれば百通りのメセナがある
そんな“B面人間”を自任する福原さんが「メセナ」(企業の芸術・文化支援活動)に
のめり込んでいったのも、至極当然の成り行きだった。
88年に京都で「日仏文化サミット」が開かれた。フランス側の代表から、
「民間で芸術文化を推薦する団体が世界中で生まれているのに、日本にはそのような組織が存在しない。
これでは各国と連帯できず、日本が置いてきぼりになるだろう」と指摘され、悔しい思いをした。
そこで、仲間の経済人に呼びかけ、90年に企業メセナ協議会を立ち上げたのである。
05年度にメセナを実施した企業は、調査に回答した上場企業など6百数十社の7割を超え
過去最高を記録した。
「CSR(企業の社会的責任)の一環として、メセナは新しい段階に入った。社会に喜びを与えられない
企業は淘汰されていく。若い人たちも、本能的にそういう会社の寿命は短いと気付いているのでは
ないでしょうか」
なにやらいろいろ凄いことが書いてあります。あくまで仮説的なことばかりでありますが、
趣味の方も大事ということです、これは、他の方もよく書かれていることで、
仕事一本の人が、大人になってから碁を覚えて、いろいろ役に立ったと前に見ました。
いやまあ、仕事あってのものですが。(昨日のエンジニアの方も強烈でしたが)
福原義春さんは、現在、資生堂の名誉会長だそうで、
企業メセナ協議会会長、東京都写真美術館館長など公職多数。趣味も洋ラン栽培など多彩とあります。
これからは、企業の成り立ちにも充分、注意していく必要を感じました。
(2007.02.19)