ケース 1 Tさん 30歳代中期

 

結婚してもうすぐ四年になる頃、漠然と、「ずっと赤ちゃんがいなくて、このままでもいいような気もするけど、何もしないでも後悔しないだろうか」ということを考えていました。

 

私たち夫婦は、婦人科で検査を受けたことがあり、その数値はどれも異常はありませんでした。
積極的な不妊治療を受けることも考えたけれど、なんとなく自分には向いていないような気がしました。

 

そんな折、本屋さんで偶然見つけた本をみて、「とりあえず鍼行ってみようかな、別に妊娠しなくても、鍼ちょっと興味あるし」と思いたち、鍼灸治療を受けてみることにしました。


これがハリポへ通院するきっかけです。

 

さて、不妊というテーマから少し話しが飛びますが、体のメンテナンスとして考えた時、スポーツをする人や身体表現活動(楽器を演奏する、歌う、演じる、踊るなど)をする人にとってもハリポ鍼灸整体室はおもしろいと思います。

私は、自分が歌を歌うことや、人に発声法や体の使い方をレッスンするというお仕事をしています。
ハリポに通い、鍼や整体で体をほぐしてもらったり、また、自身の体の使い方の癖でかたよったバランスになっているところを、少しずつ何か(これが何なのか、言葉では説明できない!!)をしてもらっているうちに、妊娠しようとか、出来たらとか考えるのはいつのまにかやめていて、歌うためによい身体変化、という側面ばかりをみていました。

 

体や喉の使いすぎで疲労からくるトラブルも、重症化するのを防げるし、これからハードなスケジュールになるという時も、その前に調子を整えるということも可能で、いろんなときに頼りにしていました。

私は、自分の体がちょっとづつ、いつの間にか変わって、自分の表現活動にそれが反映されるおもしろさと、表現の中身が人からもよくなってきてるねと言われることが増え、そのことをただ楽しんでいました。

 

ある時、とてもうれしい結果がともなった時にお礼を言ったら、先生は「当院は、あなたが思っている以上に、その人が願う部分に近づくための策略を図ります(笑)」と言っていて、それがとても印象的。
「なんだそれー!、でもちょっと当たってるかも!」と思いました。

 

そうして、私の歌というか表現というか、私はかなり変わってしまいました(平易に言うと、いい方向に)。

そして、通うようになって一年経つ頃、なんと自然妊娠していました。


こうなったらいいな、という願いが叶うときって、呆気なくてびっくりします。
つらいことをやりぬいた結果ということでもなく、うまい表現がみつかりません。

 

妊娠も出産も産後も、体はどんどん変化していき、痛かったり不安定になったり、新しくてなぞだらけの感覚です。

せっかく出来ていた事やわかりかけていたことがなくなってしまう部分もあるけれど、自分の体の新しくてなぞだらけの感覚を味わいながら、再構築していくということも教えてもらいました。
そうして今、子どもと向き合いながら、 歌う体も立て直しています。

ハリポよりコメント

 

身体が変わると言うことは、大げさに言えば全人的に変容することだと考えます。
例えば便秘だから便秘だけが治れば良いと思っても、都合よく便秘だけが治るなどという変化はあり得ないと思います。

 

食生活、姿勢のありか方、体の使い方、思考のパターン、呼吸のパターンなどの結果として、今の体の状態があると考えた時に、部分の変化のためにさえ、それら主要要素に変化がないと、身体はおそらく変わらないと考えるからです。

 

不妊の治療も同様です。
鍼灸においては、便秘の治療も、腰痛の治療も、不妊の治療も、行っていることは基本的に同じなのかもしれません。

 

ただ単純に、今とは違う体に変化を促すこと。
このことを知って施術を受けていただけば、病院で行おうとしている事と、本質的に何が違うのかが理解しやすいと思います。

 

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