鍼灸不妊治療のハリポ鍼灸室
妊娠力の向上をめざして
鍼灸による不妊治療とは、下腹部などの血流を促進して、子宮や卵巣の機能を元気にすることを目指します。
- 鍼灸不妊治療は現在のところ十分なエビデンスがあるとは言えません。
- 鍼灸不妊治療は日本だけではなく、欧州など世界的に行われ、検索すると有効とする臨床報告が散見されます。
- 多嚢胞性卵巣症候群に有効であるという報告があります。
- 体外受精などの前後に行うことで着床率が高まるという報告があります。
- 継続的に行うことでホルモンバランスが改善し、基礎体温が改善するという報告があります。
infertility
これまでの経験から
不妊傾向にある方には、いくつかのタイプがあります。例えば....
お腹が硬い
腹部を押さえたときには、表面に異常な硬さがなく、柔らかいボールのように凹んでゆく感じが正常です。
押さえたところに重苦しい感じがあったり、筋肉が硬くてうまく凹んでゆかない場合には異常です。
異常のある部位によって、胃腸虚弱タイプ、血液の滞りタイプ 体内水分バランスの異常タイプ ストレスの影響タイプなど、いくつかのタイプに分類して、それぞれ適切な施術を行います。
手足がよく冷える症状がある場合には、冷えを改善する着眼も重要です。
(実際には問診の結果、脈の状態、腹部の状態など、いくつかの東洋医学所見を総合して判断をします)
治療の内容は
不妊症の施術内容は、生理、排卵の周期によっても変ります。
例えば生理中の場合には、排泄を促す内容を重視し、
排卵時期の場合には卵胞ホルモンの上昇に役立つと考えられる内容を重点に施術を行います。
鍼灸の場合、標準的には
膝から下のツボ 3箇所位
腹部のツボ 3箇所位
腕のツボ 1−2箇所位
腰や骨盤のツボ 4−5箇所位を用います
鍼の手法は皮膚の表面に1−3ミリくらい少しだけ刺す方法です。苦痛はほとんどありません。
冷えなどの場合にはお灸をする場合もありますが、極小のものですので、ほとんど痕にもなりません。骨盤に歪みがある場合には、これを改善する整体(矯正手技)を行うこともあります。
これは、骨盤内の不自然な圧迫や血流を改善し、子宮などを健全な環境におくこと目的です。1回の所用時間は30分くらいです。
治療の間隔は、タイプにもよりますが1週間に1回程度です。
骨盤の開閉周期骨盤は、生理の周期によってわずかですが開閉運動を繰り返しています。
生理の時には開き(弛み)、排卵時期にもっとも閉じます(締まり)。骨盤の開閉はとても重要です。
例えば生理痛などは、生理時期に骨盤がうまく開かないことが要因と考えます。ハリポ鍼灸整体室では、不妊治療のためにこの骨盤リズムに着目します。
骨盤の異常な緊張、こわばりを手技的に解放して、理想的な周期開閉運動に近づけること。現時点で効果の根拠となるデータはありませんが、見逃すことができないポイントだと考えます。
体の中の日陰
検査をしても異常がないのに、何故か妊娠しない。
このような状態を説明するのに、私は体の中の日陰という喩えをします。
体の中に日向(ひなた)と日陰(ひかげ)がある。
日向とは、いわば血液循環もよく元気の良い状態。
日陰とは、血行がわるく、異常ではないが機能的に盛り上がれない状態のイメージです。
日陰は何故起こるのでしょうか。
骨盤でいうなら悪い姿勢が関係するかもしれません。
ストレスなど精神的な問題もおおきく関係しそうです。
下肢を冷やすことも影響があるでしょう。いずれにしても、日陰を日向にすると、いままで育たなかった作物が育つように、当たり前のことが当たり前にゆくようになる。
治療は、体の中の日陰を、日向にすることだと考えます。
エピソード
鍼灸不妊治療は、計画的な施術を継続的に行いますが、ごく短期間で結果につながるケースがあります。
10年以上にわたり、体外も含めて不妊治療を繰り返してきた方ですが、数回の鍼灸治療で妊娠されたケースがありました。
(鍼灸のみ 病院での加療は休止中)
鍼灸不妊治療は体質の改善を促します。
ある婦人科の先生は、不妊症の人には便秘の人が多いと言ったそうですが、私もその意見にうなずけるものがあります。
鍼灸の継続治療で、子供の頃からの便秘傾向がすっかり改善し、快便になったケースがありました。
一例として、このような所見をもって「体質が変わった」と言えるのではないかと考えます。
また、別の体質改善の例として、化粧品の購入に受けていた「肌タイプチェック」で、全く違う肌タイプに変わり、店員も驚いていたというケースもありました。肌の状態は体質を診る上で重要なポイントです。
不育症の方で無事出産に至ったケースがあります。
当院の施術を受けられた方の手記です
結果が得られた方、残念ながら結果が得られなかった方、様々な視点から施術の感想等をおよせいただきました。