雑想庵




(2000年10月10日開設)

当庵は、見たり・読んだり・聞いたりした色々なものについて考えたことを
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2018年9月10日更新<見聞録>)

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本日の呟き(7月26日) (バックナンバーへ

「今のままじゃ、Jリーガーになれても日本代表としてW杯に出るのは無理」スペインで活躍する柴崎岳が変わるきっかけとなった青森山田高校・黒田監督の言葉サカイク
「褒められ慣れてしまうのは、すごく危険だと思います。なぜなら、自分ができること以上の要求をされたことに対して、ストレスを感じるようになってしまうからです。今まで70%、80%の力でプレーしていたことに対しても、安易に褒めてしまうと、それを100%のプレーだと勘違いして「これが自分の全力のプレーなのだろう」という思考が働いてしまいます。安易に褒めてしまう指導は「無責任」なことです。さらに向上できるよう導くことが適切な指導だと考えています。」
 教育において大事なことは褒めることだと思っていたが、それだけでもダメだというのは肝に銘じる必要があるな、と。
*

当庵の覚書(2008年3月更新)
  最初にお読みください。

見聞録の書斎(9月10日更新) (追記の更新目録はココ
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最近の見聞録


9月10日

 竹内薫『赤ちゃんはなぜ父親に似るのか 育児のサイエンス』(NHK出版(NHK出版新書)、2012年)を読む。50歳をすぎて初めて父親になることになった著者が、妊娠から育児までのトピックを最新の科学的知識に触れつつ述べていく。著者はサイエンスライターとして有名だが、才能のある人は何でもネタできるのだな、と感じた。男性の立場から言うと、妻にとって夫は最後の砦なのだからきちんと共感してあげることが大切であり、安易に他の子供と比べてはならない、と言えるかと思う。なお、参考とした研究そのものの具体名はあまりあがっていない(雑誌記事は挙がっているが、科学論文ではない)。著者自身はきちんと確認したのであろうが、どこまで信じていいのかなとも感じた。ただし、これも著者自身が書いているように、乳児に関する科学的な見解はまだまだ変わっていく可能性があるので、どれか1つの理論を盲進しないことが大切なのだろうし、最新研究を挙げていけばきりがないのだろう。いずれにせよ、以下にメモ的に挙げたもの以外にもいろいろと興味深いトピックもあったので、育児エッセイとして読んでも楽しめるだろう。ちなみに、タイトルについてのトピックはなかった気がする。
 以下メモ的に。ひとりで寝るようになる時期が早く訪れる条件の1つには、母親の胸に執着していないことが挙げられる。そして、乳児の泣く声に過敏に反応しない母親であることも挙げられる(208~209頁)。
 金曜日と土曜日に就寝時間が遅れている子供と遅れていない子供では、1時間ずれるごとに知能検査の成績が7ポイントずつ下がった、という報告がある。なので、帰宅後の父親が子供とスキンシップを取ろうとして乳児の寝る時間を遅らせることはあまりしない方が良いとも言える(210頁)。
 産後から1週間くらいに分泌される黄色がかって粘り気のある初乳は、乳児に必要な免疫、特に免疫グロブリンA(IgA)を豊富に含んでいる。なお、半世紀前までは初乳の重要性は分かっておらず、あげてなくてもよいものとされていたようである(219頁)。免疫のうち、免疫グロブリンG(IgG)は胎盤を通じて子宮内にいるうちに乳児へと送られる。ただし、乳児の免疫システムは生後2、3ヶ月からつくられ始め、きちんと機能するのは1歳をすぎてからである。となると、母親からもらった免疫がなくなり、免疫システムが未完成という時期が必ず訪れ、その時期は感染症にかかりやすくなる(220頁)。なお、完全人工栄養だと免疫が乳児に伝わらないかというと必ずしもそうではなく、母乳栄養の乳児の方がアレルギー疾患を発症しやすくなるという説もあるらしい(221頁)。
 半年以上、認可外保育園に預けていた実績があると、認可保育園の申し込みのとき若干有利になる。そのため認可外保育園は夏頃に人数が増え、4月になると少数に戻る(263頁)。
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8月31日

 長谷川英祐『働かないアリに意義がある』(メディアファクトリー(メディアファクトリー新書)、2010年)を読む。生物進化の大原則は、「生存の確率を高め、次の世代に伝わる遺伝子の総量を多くしたもののみが、将来残っていくことができる」といわれている。にもかかわらず、アリやハチなどの特殊な集団構成を持つ真社会性生物は、働きアリや兵隊アリのように生殖を行わないものがコロニーの中に数多くいる。さらに、すべてが働いているわけではない。シクワケアリを対象にした1ヶ月の調査では、2割くらいは働いていると見なせる行動をほとんどしない働きでアリと判明した。そうしたアリは、自分の体をなめたり、目的もなく歩いたり、ただぼーっと動かないでいたりしていた(27~28頁)。こうしたアリは好んで働かないのではなく、働きたいのに鈍くて仕事にありつけない固体であると考えられる。そうしたアリも他のアリが疲れたときには代わりに働く。もしすべてがいっせいに働いてしまえば、誰も働けなくなる時間がやってきて、常に誰かの世話が必要な卵の世話などができなくなってしまうため、コロニーが壊滅しかねない。しがたって、働かないアリにも存在意義があると言える。
 アリについての地道な研究を専門家以外に面白く紹介していると思う。ただし、こうしたアリの世界のことを単純に現代文明への批判につなげるのはよくないな、と考えていたら本書にそれが出てきてしまった。グローバル化で皆が勝ち組を目指すのではなく、アリの世界のように余裕を持つべき、という指摘である(77頁)。著者自身も述べているようにアリの世界の考え方は、人間とは大きく異なるのだから、アリの世界での最適解が人間の世界で当てはまるわけはないのに、したり顔で現代文明の安易な批判をするのはやめた方がよいだろう。アリの研究のためにありを観察し続けるという地道な作業が必要だと著者は述べているが(63頁)、現代社会に対する研究だって本来はそうした地道な作業が必要であろう。「ヒトの社会をムシの論理で見たときに見えてくることもあるのでなないでしょうか」(169頁)というのは確かにそうだと思う。とはいうものの、それは実証に基づいた比較でなければ、良い社会にしようという単純な道徳的な指摘になり、建設的なものにはなり得ないだろう。それが無理ならば、ひとつの考え方だけが絶対に正しいわけではないという程度に持っていくだけに留めるべきだと思う。
 以下メモ的に。若いアリは主に育児と巣の維持に従事して、歳をとったアリは巣の外側での採餌のような危険な仕事に従事するようになる。これは種全体の効率を高めるための選択である(39頁)。
 アリは餌を見つける際にフェロモンを蒔いて道を作るので、他のアリはそのフェロモンをたどって餌に辿り着く。ただし、これを間違えるアリもいる。けれども、それによってより短い経路が発見される場合もあるため、むしろそうしたアリのいる方が効率はあがる(46頁)。
 餌をめぐって多種のアリとの争いになったとき、兵隊アリは真っ先に逃げてしまう。兵隊アリは育てるのにコストもかかっているので、多少の餌を掛けたにすぎない戦いで失うのは得策ではないと判断しているためである(47~48頁)。
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便利な商品コーナー

かつて、「茶の間の呟き」で紹介したことのある商品の中から、
個人的に使い勝手のいい物をピックアップしています。

SX-CL02MSV (2009年5月7日)
 ノートパソコンの背面下部に置いてUSBにつなぐと風を送ってくれて、ノートパソコンの底面を冷やしてくれる(なお、バスパワータイプのUSBハブにつないでも作動してくれている)。これはかなり劇的な効果があるので、パソコンの熱さにお悩みの方は是非。なお、これはB5サイズ用で、A4サイズ用はSX-CL03MSVになる。


ブックストッパー (2009年5月7日)
 洗濯ばさみに分銅のようなおもりが付いたようなもので、見た目はかなりショボイのだが、本の両端にはさんでおけば、常に見開き状態にすることができる。文庫や新書、ペーパーバックなどを見ながらパソコンに情報を打ち込むのに便利。2つ一緒に用いないと使いづらいので、買うならば2つ一緒に。


桐灰カイロ 上からはるくつ下用 5足入 (2014年2月25日)
 靴下の裏から貼るカイロだと、冷たくなったときに硬くなってしまい、歩いていると足の裏が痛くなってしまうのだが、上から張るのだとそうならくて便利。


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