雑想庵




(2000年10月10日開設)

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2018年11月19日更新<見聞録>)

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本日の呟き(7月26日) (バックナンバーへ

「今のままじゃ、Jリーガーになれても日本代表としてW杯に出るのは無理」スペインで活躍する柴崎岳が変わるきっかけとなった青森山田高校・黒田監督の言葉サカイク
「褒められ慣れてしまうのは、すごく危険だと思います。なぜなら、自分ができること以上の要求をされたことに対して、ストレスを感じるようになってしまうからです。今まで70%、80%の力でプレーしていたことに対しても、安易に褒めてしまうと、それを100%のプレーだと勘違いして「これが自分の全力のプレーなのだろう」という思考が働いてしまいます。安易に褒めてしまう指導は「無責任」なことです。さらに向上できるよう導くことが適切な指導だと考えています。」
 教育において大事なことは褒めることだと思っていたが、それだけでもダメだというのは肝に銘じる必要があるな、と。
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当庵の覚書(2008年3月更新)
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見聞録の書斎(11月19日更新) (追記の更新目録はココ
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最近の見聞録


11月19日

 西山隆行『移民大国アメリカ』(筑摩書房(ちくま新書)、2016年)を読む。移民の国としてのアイデンティティをもっているアメリカ合衆国について、データに基づきながら現在の状況について述べていく。興味を引かれた点については以下にメモ的に挙げていくのだが、気になったのは、特に日本のことを述べる際には具体的なデータが不足している点。
 著者は、日本も移民の受け入れを行うべきという方向性で述べたいのだろうが、アメリカの事例を述べるときとは異なり、その際には具体的なデータがない場合が見受けられた。たとえば、「日本に定住する意志を示している人々については、犯罪に関与すれば国外退去となる可能性もあることもあった、その犯罪率は一般の日本人と比べても低い」(126頁)とあるが、アメリカについては出身国別で行っているのであれば(同頁)、日本においてもそのように行うべきであろう。
 なお、「メキシコからの移民の犯罪率が取り立てて高いわけではない」(76頁)という記述に対しても具体的なデータはなかった。もしかすると実際にはデータがあって、他の国からの移民と差はないのかもしれないが、それならばそれで、データの提示はいると思う。ちなみに、人口10万人あたりの収監者数(126頁)によれば、黒人が2285人、中南米系が979人、白人が400人となっている。そのうえで、移民法関連で追訴された人が多いというデータを示しているが(130頁)、私の理解が悪いのか、中南米系は移民法関連で追訴された人が多いという関係性があるのかよく分からなかった。もしそうならば、中南米系は収監者数における移民法関連で追訴された場合が多いので、それ以外の犯罪によって収監された比率は低めとなり、中南米系の移民が犯罪を犯す比率は低い、となると思う。ただし、そのように具体的に書いてあるようには読み取れなかったので、本当にそう言えるのかよく分からなかった。
 私自身は移民について何か意見を言えるほどの知識はないのだが、データの裏付けと比較を綿密に行っていなければ、日本での移民否定派を説得するのは難しいと思う。
 以下メモ的に。20世紀初頭には風刺漫画にてアイルランド系やイタリア系の人々が有色人種として顔に色が付けられていることが多かった。プロテスタントでなければ、ヨーロッパからの移民といえどもWASPとは異なる人種と見なされたためである(35~36頁)。
 ビュー・リサーチセンターの調査によれば、1960年には総人口の85%を占めていた白人(中南米系を除く)の割合は、2011年には63%に低下しており、2050年には47%にまで低下すると推測されている。各人種における1960年から2011年への変化は、中南米系は3.5%から17%、黒人は11%から12%、アジア系は0.6%から5.0%となっている(50~51頁)。
 中南米系は大統領選挙において一貫して民主党を支持している。ただし、共和党への投票比率がある程度高めの場合には共和党候補が勝利している(53頁)。
 アメリカには日本におけるに日本語のような国語が存在しない。アメリカ連邦法では、基礎教育を英語で行わなければならないとは規定されていないので、基礎教育をスペイン語で行うことも可能である。なお、基礎教育を児童に与える義務はあるものの、学校へ通わせることは義務づけられていないので、最低限の要件を満たしていれば、家庭での教育も可能である(101頁)。
 エスニック・ロビイングによる政治活動の活発さについても触れられているが、国家レベルの場合には本会議での投票に掛けられない場合がほとんどであるのは、小尾敏夫『ロビイスト アメリカ政治を動かすもの』で具体的に述べられている通りであり、州や地方レベルでの活発な活動と下院委員会などを通じた公の場での決議表明などについては、対日本のために中国・韓国系が行っている活動からもよく分かる。なお、中国の場合は若手の外交官を長期にわたって派遣して、長期的な観点からの人脈作りに励むのに対して、日本の場合は、引退に近いヒトが大使として任命される場合が多いそうである(189頁)。
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11月9日

 広岡正久『ロシアを読み解く』(講談社(講談社現代新書)、1995年)を読む。池田嘉郎『ロシア革命 破局の8か月』と同じく、仕事の必要性から読んだもの。ソ連崩壊後に書かれた本であるため、現代史の本としては古めになるのだが、ソ連をロシアという観点から読み解くものであるので、文化論としてはいまでも知識を得られる本になっていると思う。広いテーマを扱っているだけ、専門外の人間としてはこちらの方が楽しめた。たとえば、ロシアでは16世紀末から17世紀初頭にかけて帝位の空白が生じた際に動乱や戦争によって無秩序状態に陥った。スムータと呼ばれるこの時代の再来をロシア人は恐れているとして、だからこそツァーリやスターリン体制の独裁にも耐えられたのだとしている(46頁)。さらにいえば、ソヴィエト体制下でも指導者に対する個人崇拝はしばしば行われており、レーニンはミイラとして保存されていたのはその一例である(114頁)。細かい部分では、こうまとめてしまうと齟齬が出るのかもしれないが、全体的な方向性が間違っていないのであれば、わかりやすいまとめである。実際に現在もプーチン体制が続いているのだから説得力もある気はする。
 以下メモ的に。マルクス主義を信奉したインテリゲンツィアにとって、ロシア農民は宗教的・精神的土壌を受け継ぐ反動勢力に映った。だからこそソヴィエト体制下で農民が弾圧の標的となった(83頁)。ロシア人にとってのキリスト教解釈は、むしろ神秘主義的であった。教会も、制度ではなく信仰の共同性に基づく有機的結合体と見なす。救済は個々人の罪の許しではなく信仰の共同体を通して与えられる。これは、「人間や動物、そして植物も含む全宇宙の変容にいたる、霊の癒しと神聖化の過程を意味するものであった」(91頁)。なお、マルクスは「宗教は人民のアヘンである」と言ったが、レーニンはそれをもじって「宗教は精神的な下等なウオツカである」と述べる(105頁)。個人的には、共産主義はキリスト教の最後の審判と同じような方向性にあると考えており、そうだとすれば共産主義とキリスト教は近親憎悪に近い気がする。そのあたりについて書いてある本があれば読んでみたい。なお本書によれば、ベルジャーエフ『ロシア共産主義の歴史と意味』(白水社、1970年(原著は)、未読)では、宗教弾圧を招いた疑似宗教的性格が指摘されているようであり、「ロシア的な"神への叛逆"の思想的系譜に立つレーニンの"戦闘的"無神論の狭義は、「天国の楽園」と「地上の楽園」とをめぐる、宗教と共産主義との血みどろの戦争を、そして宗教の殺戮を予見するものであった」(107頁)と本書でも述べられている。
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便利な商品コーナー

かつて、「茶の間の呟き」で紹介したことのある商品の中から、
個人的に使い勝手のいい物をピックアップしています。

SX-CL02MSV (2009年5月7日)
 ノートパソコンの背面下部に置いてUSBにつなぐと風を送ってくれて、ノートパソコンの底面を冷やしてくれる(なお、バスパワータイプのUSBハブにつないでも作動してくれている)。これはかなり劇的な効果があるので、パソコンの熱さにお悩みの方は是非。なお、これはB5サイズ用で、A4サイズ用はSX-CL03MSVになる。


ブックストッパー (2009年5月7日)
 洗濯ばさみに分銅のようなおもりが付いたようなもので、見た目はかなりショボイのだが、本の両端にはさんでおけば、常に見開き状態にすることができる。文庫や新書、ペーパーバックなどを見ながらパソコンに情報を打ち込むのに便利。2つ一緒に用いないと使いづらいので、買うならば2つ一緒に。


桐灰カイロ 上からはるくつ下用 5足入 (2014年2月25日)
 靴下の裏から貼るカイロだと、冷たくなったときに硬くなってしまい、歩いていると足の裏が痛くなってしまうのだが、上から張るのだとそうならくて便利。


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