雑想庵




(2000年10月10日開設)

当庵は、見たり・読んだり・聞いたりした色々なものについて考えたことを
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2019年7月17日更新<見聞録>)

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【決定版】スーパーで買ったステーキ肉を自宅で完全なうまさで焼く方法【レシピ】メシ通
ユーザー120人に聞いた、夏の「そうめん」を飽きずに食べ倒すには?【具&薬味のバリエーション大研究】メシ通
 食事系サイトをメモ的に。

本を裁断せずA3まで見開きで取り込める非破壊スキャナ「Aura」を使ってみた<>
 これが一般化すれば、スキャンするのが当たり前という時代がやってくるのかも。
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当庵の覚書(2008年3月更新)
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最近の見聞録


7月17日

 ウォルター・ミシェル(柴田裕之訳)『マシュマロ・テスト 成功する子・しない子』(早川書房、2015年)を読む。マシュマロをすぐ1個もらうか、それともがまんして、あとで2個もらうかという選択に対して、我慢した秒数が長い子供ほど、後に成績がより良くなったり、目標を効果的に付き休できたり、欲求不満やストレスに上手く対応できるという調査結果が出た。これを本書のタイトルが示すマシュマロ・テストという。脳の中には、即座の欲求充足を求めるホットシステムと、将来を考えてその先延ばしを図るクールシステムがあって、常に主導権争いをしていてそれが行動に反映される。
 クールシステムの育成の手法として、たとえば報酬のお菓子を想像させるのではなく、お菓子の画像を見せるというのがある。前者だと平均して6分も待てなかったが、後者だと18分待てたという(42~43頁)。辛い経験という「ホットスポット」を克服するときに、自分と距離を置く方法として、自分の目を通して視覚化して気持ちを理解しようとするのではなく、壁に止まったハエのような第三者からの視点から同じようにした方が、情動的な度合いは小さくなり、それほど自己中心的ではなくなった。
 さらにおおざっぱに言えば、適切な自省のスキルや楽観的な見通し、成功体験、他人による助けや支援がないと、ホットシステムにコントロールされたままになってしまう。さらに、自分がホットになってしまう固有の事象を、詳細な日記を付けてそのようになってしまう時を見つけるとよい。そうすれば、もしこうなったときには、こうするとよいという「イフ・ゼン」実行プランを立てうる。自分がやりたいことがすぐに出来ずにかんしゃくを起こしたて子供に対しては、「自分で気をそらして、他に面白いことを頭の中でやったり、実際にやったりすれば、そのうち始まる」と諭せば、先延ばしにする対処法を他の時にも実行するようになる。
 マシュマロテストに対する対処法は興味深いものなのだが、こういう説明を聞くとしばしば疑問に思うことがある。たとえば、成績が上がるということだが、もし全員の成績が上がれば、総体的にどうしても下に位置づけられる人間が出てきてしまうのではまかろうか。自分自身の成績が上がっても、まわりの成績が上がってしまい順位が上がらないとすれば、満足感を得ることができるのであろうか。それとも成績が上がることは知能が上がることでもあるので、順番が上でなくとも幸せはありうるという思いで落ち着かせることが出来るようになるから、それでよいのだろうか。
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7月7日

 藤田覚『勘定奉行の江戸時代』筑摩書房(ちくま新書)、2018年)を読む。江戸時代に財政の職務を担った勘定奉行は、それだけではなく政治案件の意志決定にも関わる重職であった。その職務には計数能力を含む実務能力も必要だったため、家柄が重視された江戸幕府内の他の役職とは異なり、実力を認められた者が叩き上げで昇進する場合もあった。
 個人的に、勘定奉行の重要性と昇進の仕組みが語られていく前半は面白かったのだが、後半は貨幣改鋳の話がメインとなっていき、読み物としての面白さが減ってしまったように感じた。
 以下メモ的に。1852年に勘定奉行に就任した川路聖謨は、1817年に勘定所の筆算吟味に合格した。その後、評定所の裁判記録などを整理・保管する評定所書物方、評定所の裁判に関わる評定所留役助、寺社奉行の裁判に関わる寺社奉行吟味物調役当分助へと出向していた。ここからは勘定奉行が江戸幕府の裁判機能の多くを担う役所だったと分かる(18~19頁)。
 勘定所内部の階梯を上ってトップの奉行に昇進する者は、少ないとはいえ10%程度はいた。これに対して町奉行所では、職員である与力・同心から奉行に昇進した者は一人もいない。同心・与力から他の役職に転じて、町奉行へ昇進した者も皆無である。むしろこれが普通であり、勘定所のシステムの方が異例であった(39~40頁)。なお、内部昇進による奉行への昇進は吉宗時代の享保期から目立つようになる(40頁)。
 荻原重秀が、貨幣は瓦でも良いと言い放ったという逸話は『三王外記』に見られるのだが、この書物は信憑性の薄い風聞も多く載せられているので、扱いに注意が必要である(64頁)。この逸話は大石慎三郎『将軍と側用人の政治(新書・江戸時代1)』で初めて知ったのだが、もしかしたら創作の可能性もあるということになる。
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便利な商品コーナー

かつて、「茶の間の呟き」で紹介したことのある商品の中から、
個人的に使い勝手のいい物をピックアップしています。

SX-CL02MSV (2009年5月7日)
 ノートパソコンの背面下部に置いてUSBにつなぐと風を送ってくれて、ノートパソコンの底面を冷やしてくれる(なお、バスパワータイプのUSBハブにつないでも作動してくれている)。これはかなり劇的な効果があるので、パソコンの熱さにお悩みの方は是非。なお、これはB5サイズ用で、A4サイズ用はSX-CL03MSVになる。


ブックストッパー (2009年5月7日)
 洗濯ばさみに分銅のようなおもりが付いたようなもので、見た目はかなりショボイのだが、本の両端にはさんでおけば、常に見開き状態にすることができる。文庫や新書、ペーパーバックなどを見ながらパソコンに情報を打ち込むのに便利。2つ一緒に用いないと使いづらいので、買うならば2つ一緒に。


桐灰カイロ 上からはるくつ下用 5足入 (2014年2月25日)
 靴下の裏から貼るカイロだと、冷たくなったときに硬くなってしまい、歩いていると足の裏が痛くなってしまうのだが、上から張るのだとそうならくて便利。


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