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2005年7月の見聞録



7月31日

 岩明均『ヒストリエ』(アフタヌーンC、講談社)12巻を読む。アレクサンドロス大王の書記官であったエウメネスを主人公とした物語。エウメネスの青年時代から少年時代の回想へと入った段階なので、まだまだ序盤だけれども、前作『ヘウレーカ』よりもはるかに面白い。ストーリーにおいても絵においても、人を突き放したかのようにある種淡々と物語を進めていくこの人の作風は、歴史ものを描くにはうってつけだと思う。
 あと、揚げ足取りみたいであんまり書きたくはないのだけれど、1つ気になったことを。1巻でエウメネスがアリストテレスの発言に対して「差別だ」みたいなことを言っているけど、「差別」なんていう表現は、言葉だけじゃなくて概念の上でも、古代ギリシアにはなかったんじゃなかろうか。


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