依井貴裕
Takahiro Yorii

 大阪府生まれ。
 関西学院大学を卒業後、大阪市職員として勤務しながら小説家を志望、ミステリー創作を開始。
 処女作「記念樹(メモリアル・トゥリー)」(1990)は鮎川哲也賞の前身である「鮎川哲也と13の謎」の最終巻「十三番目の椅子」公募に英池恵夢(はないけめぐむ)名義で最終候補になった作品。
 これは学園に発生した連続殺人事件を扱った本格ミステリーである。
 登場する探偵の名・多根井理(たねいさとし)はエラリー・クイーンの合作者F・ダネイとM.B.リーのもじりであり、作中「国名」シリーズのように、「読者への挑戦」が挿入されるなど、クイーンへの傾倒ぶりが明らかである。
 筆名もクイーンのイニシャル「E.Q.」のもじりだそうだ。
 また、泡坂妻夫のマジックの弟子でもあり、作中にマジックに対する関心が書き込まれているのも特徴である。
 それが最も顕著なのは、第二作「歳時記(ダイアリイ)」(91)であるが、アマチュア奇術クラブで発生した殺人事件を描きながら、師・泡坂妻夫を思わせるような「仕掛け」を盛り込むなど、アクロバティックな作品に仕上がっている。
 続く「肖像画(ポートレイト)」(95)はクイーン的な論理展開の作品に回帰し、「夜想曲(ノクターン)」(99)では再び叙述トリックを試みるなど、今後も模索を続けながら新たな地平を開拓していく可能性を秘めた作家である。

書名 夜想曲(ノクターン) (角川)
内容  同期会が催された山荘で三日三晩に三人のメンバーが絞殺された。俳優の桜木も会に参加していたが、なぜか、その間の記憶が抜け落ちていた。ただ、ひとつロープで他人の首を絞めた生々しい感触を除いては…。そしてその追い打ちをかけるように何者かからワープロ原稿が送られてきた。そこには空白の三日間が小説として再現され、桜木を真犯人として断罪していたが…。トリック&ロジックの本格派が新たに叩きつける「読者への挑戦状」。長編ミステリ。
感想  未読
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