新津きよみ
Kiyomi Niitsu

 1957年5月4日長野県生まれ。
 青山学院大学フランス文学科卒業後、3年間の外資系旅行代理店勤務を経て、人材派遣会社に登録、在日米州政府事務所、商社など多彩な業種に従事する。
 OL生活の単調さに変化をつけるためカルチャーセンターに通い、水泳、インテリア・コーディネートのほか、1983年からは講談社フェイマススクールズの小説作法講座を受講した。
 同期に宮部みゆきらがいる。
 講師の山村正夫の勧めにより、87年横溝正史賞に応募した「ソフトボイルドの天使たち」が最終候補となり、翌88年「両面テープのお嬢さん」で長編デビュー。
 好きな赤川次郎ばりの青春ミステリーが当初は多かったが、「結婚させない女」(89)から女性心理に重点を置いた独自のサスペンス小説に転向した。
 以降「イヴの原罪」(90)、「胎内余罪」(92)、「流転」(95)、「女友達」(96)、「アルペジオ」(98)といった、入念な日常描写でサスペンスを高める技法に秀でたドメスティック・ミステリーの佳作を発表している。
 特に短編では、「殺意が見える女」(97)、「時効を待つ女」(98)と連続して日本推理作家協会賞候補となったように、評価を高めている。
 91年に折原一と結婚、夫婦合作による長編「二重生活」(96)も話題を呼んだ。

書名 婚 約 者 (角川ホラー)
内容  雪子の憧れの人は、八歳年上で大学生の従兄・賢一。大人になったら賢一と結婚したいと真剣に願っていた雪子だが、賢一は彼女の気持ちに気づかず、同い年の女性・由貴と親しくなっていく。このままでは由貴に賢一を奪われてしまう…そう思ったとき、雪子の心の中に生まれたものは?少女の無邪気な残酷さと、大人の女のしたたかさを描く、傑作ホラー・サスペンス。
感想  
書名 女 友 達 (角川ホラー)
内容  29歳独身、一人暮らしで特定の恋人は無し。満たされぬ毎日を送っていた千鶴は、ふとしたきっかけから隣人・亮子と知り合った。同い年だが自分より容姿も収入も劣っている亮子との友情に、屈折した安らぎを見出す千鶴。ファッションや持ち物の比較、相手の幸せへの嫉妬、虚栄心を満たすための小さな嘘―女友達の間にはありがちな些細な出来事が積み重なった時、ふたりの間に生まれた惨劇とは?女性心理の奥底を緻密に描く、長編サスペンス・ホラー。
感想  
書名 愛 読 者 (角川ホラー)
内容  駆け出しのミステリー作家・仁科美里のもとに、読者からのファンレターが二通届けられた。片方の差出人は、中学を卒業してから音信不通だった友人・柚子。そしてもう一通は、「愛読者」と名乗る謎の男からの不気味な手紙…。この二通の手紙をきっかけに、美里の生活は大きく変わっていく。美里に近づいてきた柚子の真意は、そして「愛読者」の正体は?驚愕のラストへ向けて読者を誘う、傑作サスペンス・ホラー。
感想  
書名 招 待 客 (角川ホラー)
内容  高谷美由紀は、結婚を間近に控えた27歳。彼女には幼い頃、増水した川で溺れかかっていたところを通りすがりの男子高校生に助けられたという過去があった。その話を知った友人たちは、その「命の恩人」を結婚披露パーティに招待するよう美由紀にすすめる。当時の新聞記事を頼りに、恩人・井口貴明の住所を探し出し、招待状を送った美由紀だったが…。かつての「恩人」はひそかに豹変していた―。書き下ろし傑作サスペンス・ホラー。
感想  
書名 同 窓 生 (角川ホラー)
内容  大学時代の友人たちと、十四年ぶりに集まることになった史子。近況報告や思い出話をしながら、楽しいひとときを過ごしていた。ところが、誰もが憶えている「鈴木友子」という同級生のことを、史子はどうしても思い出せない。皆に「鈴木さんと一番親しかったのはあなたのはず」と言われ、史子の不安はますます大きくなるが…。複雑に絡み合った記憶の底から恐怖が滲み出す、長編ホラー・サスペンス。書き下ろし。
感想  
書名 二重生活(講談社)
内容  共著:折原一
 わたしを裏切った男と侮辱したあの女は絶対に許せない!ふたり同時に復讐するには、あの方法しかない―男に妻も子どももいると知った愛人の心に燃えたぎった嫉妬と殺意。重婚をテーマに男女の息づまる駆け引きをスリリングに描く多重心理ミステリー。折原一・新津きよみ、おしどり作家、初の合作が実現。
感想  
書名 アルペジオ彼女の拳銃彼のクラリネット〜(講談社)
内容  夫の陰湿な暴力に耐え切れず由布子は家を出た。偶然に手に入れた拳銃が御守りだった。スミス&ウエッソン―かつて愛した男の憧れの拳銃。逃避行にはジムのインストラクター逸美が同行した。彼女にも「殺してやりたいほど憎い男」がいた。出会うはずのなかった女二人と男の人生が絡みあう愛のミステリー。
感想  未読
書名 イヴの原罪(光文社)
内容  都内の大邸宅の離れを借りて住みはじめた二人のOL・祥子と美加。しかし美加は不慮の事故で帰らぬ人に。悲しみに暮れる祥子は、美加が新人賞に応募しようと執筆していた小説の原稿を偶然見つけた。「親友の魂を慰めるために…」祥子が、自分が書いたと偽って応募したことから、運命の悪戯が始まる。“悪女とは何か”の本質に迫る、気鋭の女流作家衝撃の問題作。
感想  未読
書名 そばにいさせて(光文社)
内容  恐怖は、すぐそばの日常に潜む―。自分を捨てた男を見返すため涙ぐましい努力をし、理想的容姿を手に入れた佐山ゆかり。職場も住居も替えて新生活をはじめた彼女に、悪質なストーカーがつきまとう!そいつの正体は?そして、ゆかりを守るため隣人の女性がとった意外な行動とは!?(表題作)。女性作家が同性の心理を濃やかに描きだすオリジナル作品集。
感想  未読
書名 殺意が見える女(徳間)
内容  日本推理作家協会賞第51回候補作
感想  
書名 結婚させない女(双葉)
内容  T観光に勤務するOL高倉葉子は学生時代に『ミス・リップスティック』に選ばれた程のミステリアスな美貌である。最近親しくなった男友達が続いて絞殺死体で発見された。事件の陰にもう一人の『高倉葉子』の存在を知った彼女は、疑惑を霽らすため、「もう一人の“わたし”を捜さなければ…」とせかれたように『葉子』の痕跡を求めて大阪へと向かう。
感想  
書名 恐怖の白昼夢 <ドリームカウンセラー・三上量子>(双葉)
内容  “ドリーム・カウンセラー”を名乗る三上量子は、他人が見た夢を見ることのできる特殊能力を使い、その夢を手がかりに依頼人の心の悩みを治療する臨床心理士である。元亭主の四方晴彦は同じビルの隣りに「浮気以外は何でも承る」探偵事務所を開いている。記憶喪失の悩みを訴える阿川美砂江の相談に乗ったばかりに、思わぬ難事件に巻き込まれた二人。
感想  未読
書名 流  転(双葉)
内容  夏の暑い日、アパートの隣室へ無断で入り込んだ女を殺してしまった女子大生の鈴木かおる。彼女は遺体を処分、完全犯罪を心に誓う。一方、サイコ・セラピストの須山久美子は、殺人の告白やら、抑えきれない殺意の存在という電話を受ける。久美子のまわりで、暑い夏は次第に複雑な様相を帯びていく。七本の糸が一つに結び合わされるとき驚愕のドラマが。
感想  未読
書名 喪失の殺意 <女監察医・叶理香子>(双葉)
内容  叶理香子26歳、彼女の勤め先はおよそ若い娘には不似合いな監察医務院。そこでする仕事といったら変死体を切り刻み、死因を明らかにすることである。もっとも彼女は死因から推理し犯罪を暴き出す探偵としても有名だ。その理香子に手紙が舞いこむ。事故死した女性の妹からで、指輪の紛失、多額の保険金など疑問点が多く調査を頼むというのだが…。
感想  未読
書名 眠れない花嫁(双葉)
内容  わたし眠るのが恐いんです。結婚を目前に控えた市川倫子と名乗る女が、量子のカウンセリングルームを訪れた。幸せの最中にある彼女がなぜ悪夢を。量子が倫子の夢を「追見」すると、ある忌わしい記憶が。難事件に挑む三上量子と、彼女を手助けするもと夫の私立探偵・四方晴彦の活躍を描く新感覚サイコミステリーの第一作『浅い夢の記憶』を併録。
感想  
書名 見つめないで(祥伝社)
内容  「本当の自分になるの」突然、自信に満ちた表情で語る秀子に、喜美代は恐怖さえ覚えた。主婦に納まって十数年、家庭を捨てて家出し、夢だったダンサーに再挑戦するというのだ。が、その直後、秀子は何者かに殺された…。別の際に彼女から渡された手鏡。ひょっとして、それが彼女の運命を変えたのか?内なる欲望を映し出す鏡が日常を歪める長編サイコホラー。
感想  未読
書名 捜さないで(祥伝社)
内容  単調な日常と無関心な家族。夫や娘の無神経な態度にキレた倫子は、『捜さないで』と書置きを残し、友人の留守宅マンションで一時の解放感を味わっていた。ところがその矢先、見知らぬ男が興奮した面持ちで現われた。「捜し出したぞ」この男は何者?が、その一言が、倫子の陥ちた犯罪への序曲だった…。日常から逸脱した主婦が見た、人間心理の深奥に潜む狂気とは?書下ろし長編サイコホラー。
感想  未読
書名 さわらないで(祥伝社)
内容  夫・石井夏彦の浮気が原因で、5年続いた結婚生活に終止符を打った恵子。再就職先を捜し始めた矢先、夏彦の母・妙子が一緒に暮らそうと押しかけてきた。元義母に義理はない。恵子は拒否したが、その時、彼女は驚くべき脅迫の言葉を吐いた。「あなたの秘密を知っているのよ」なぜあのことを?ストーカーと化した元姑。恐怖の共同生活の行く末に待つ殺意とは…。
感想  
書名 二重証言(ハルキ)
内容  早瀬咲子は、大手企業に勤める夫と大学生の息子を持つ平凡な主婦。一見幸福そうな彼女は、心の奥に孤独と焦燥感を抱いている。そんなある日、中学校の同窓会で、イラストレーターの待井が近付いてきた。三週間後、彼の仕事場を訪ねた咲子が見たものは…。うその深みにはまった主婦に再び幸福は訪れるのか?心理サスペンスの傑作長篇。
感想  
書名 血を吸う夫(ハルキ)
内容  「夫は吸血鬼かもしれない」―マタニティ雑誌「プレマム」編集部の布施乃理子あてに不審な手紙が届いた。一方、同じ頃、「プレマム」の元モデルが絞殺され、さらに「プレマム」の読者を巻き込む児童誘拐事件が発生する。不審な手紙と二つの事件には、複雑な人間関係と恐るべき事実が隠されていた…。「現代」の吸血鬼をテーマに、人間の“血”と“愛”を描く心理サスペンスの力作長篇。
感想  未読
書名 同姓同名(ハルキ)
内容  謹め先が倒産し、故郷に戻った唯木緑は、幼なじみの田中紀之と婚約した。が、結婚式の準備に追われていたある日、出張先の横浜で紀之が、男にからまれた女性を助けようとして刺殺される。「タナカミドリ」という言葉を残して―。緑は単身上京し、犯人と逃げた女性の「目撃者」を探すためにビラ配りを始めるが…。思いがけない偶然に追いつめられていく女性たちの姿を描く、心理サスペンスの書き下ろし長篇。
感想  
書名 安曇野殺人紀行(ハルキ)
内容  結婚を一ヶ月後に控えた藤森岳志は、独身最後の想い出として、悪友とともに山に登ったが、縦走中に転落死してしまう。婚約者の野々村亜衣は、自分がお守りにと首にかけたペンダントが遺体にないことに、不審を抱くが―。一年後、別の遭難場所から、鎖の切れた、あのペンダントが発見された。真相を追う亜衣の身辺で次々と殺人事件が起きる…。長篇旅情ミステリーの傑作。
感想  未読
書名 結婚紹介殺人事件(ハルキ)
内容  榊原千亜記の短大時代からの親友・橋本恵美がアパートの自室で全裸死体となって発見された。恵美は結婚紹介所<エルピーライフ>に入会しており、その日も五人目の相手とデートをしていたはずであった。千亜記は「恵美がスキャンダラスな女ではないこと」を証明するために、刑事の忠告を無視して単独で捜査を始めるのだが…。
 “幸せな結婚”を夢見る男と女の交錯する愛憎を描く長編ミステリーの傑作。

 解説:新保博久
感想  未読
書名 ふたたびの加奈子(ハルキホラー)
内容  五歳になる一人娘の加奈子を交通事故で亡くした桐原容子は、夫の信樹と“加奈子の魂”と三人で暮らしていた。容子は、食事の時も、外出する時も、いつも“加奈子の魂”と一緒だった。
 だが、そんなある日、“加奈子の魂”は転生の場所を見つけたらしい。
 妊娠三ヶ月の主婦<野口正美>の身体だ。容子は、ひたすら正美の出産を心待ちにするが…。
 愛する子を失った深い悲しみと、意外な結末が感動を誘うホラーサスペンスの書き下ろし長編。
感想  未読
書名 危険な恩人(ハルキ)
内容  線路に落ちた娘・美希を助けてくれた、行きずりの美青年。堂本良子は、新聞記事がきっかけで、その男性・伊吹渉と再会した。売れない役者だという彼は、危険な魅力に満ちていた。その時、良子と伊吹のいる部屋をじっと見つめている刑事が二人いた―。伊吹は、その後、堂本家にうまく入り込み、美希ともすっかり仲良くなったが…。良家の人妻の、危険な美青年に魅かれていく女心を描ききる、長篇サスペンスの傑作。
感想  未読
書名 隣の女(ハルキ)
内容  ステンドグラス作家・羽田野祥子は、妹を持て遊び、自殺に追い込んだ男・森嶋吾郎を殺そうと刃物を手に待ち伏せをしていた。そんな彼女の前に、アイと名乗る謎の人物が現れた。「ぼくが、かわりに殺してあげましょうか」…一週間後、森嶋は自宅近くの公園で頭を割られ、死体となって発見された!次の日、祥子は隣に住む主婦・宮脇まゆみに、「わたしにも殺し屋を紹介してほしい」と頼まれるが…。殺意を抱く二人の女性心理を描く長篇サスペンス。
感想  未読
書名 もう一度住みたい(ハルキ)
内容  高橋芙美子は競売物件でマイホームを手に入れた。偶然、先住者も「高橋」であったため、表札はそのまま使うことに。新生活は穏やかにスタートしたが、そんなある日、「ただいま」と見知らぬ男がやって来た。男は先住の高橋家の長男で、七年余り家出をしていたという。男は消えたが、翌日、芙美子は二階で“ガリガリ”と不気味な音がしているのに気が付いた…。幸福な「高橋」家に襲いかかる不幸な「高橋」家の影。戦慄の書き下ろしホラーサスペンス長篇。
感想  未読
書名 匿名容疑者(日文)
内容  
感想  
書名 正当防衛(日文)
内容  推理作家の庄司桐子は、テレビの画面に現れた女の顔を見て愕然とする。偶然、店に押し入った連続殺人犯を説得して自首させた早坂志歩美こそ、十年前、桐子の兄を殺害しながらも、現場の状況から正当防衛とみなされ、不起訴となった女だった。兄の無実を信じ続ける桐子は、十年前の事件の真相を、自らの作品で告発しようとするが…。女同士の息づまる対決を多重構造で描く長編ミステリー。
感想  
書名 階上に住む女(日文)
内容  所沢にある二世帯住宅の二階に引っ越した共働き夫婦の阿部なつきと数彦。大家の兄弟夫婦が同居する予定だったが、兄夫婦の海外赴任で間借り人を探していたのだ。一階は大家の弟夫婦・河野祐二と史子。夫婦二組の奇妙な同居は、二人の女に軋轢をもたらし、なつき宛ての手紙が消失したことで、運命の歯車は予期せぬ展開に…。心理の奥底に潜む歪んだ陥穽を捉えた長編ミステリー。

 日本推理作家協会賞候補作
感想  未読
書名 氷の靴を履く女(日文)
内容  夫や義姉たちの裏切りにより、十四年間の結婚生活に終止符を打った紀子はある日、週刊誌の記事を読み、息を呑んだ。目の不自由な資産家が、親切にしてくれた女性を捜しており、お礼がしたいというのだ。記事の話は、紀子が離婚前に知り合ったその女性から聞いた憶えがあった。紀子は“シンデレラ”の彼女に連絡を取ろうとしたが…。心の闇底に潜む戦慄を捉えた書き下ろし長編ミステリー。
感想  未読
書名 胎内余罪(ケイブン)
内容  
感想  
書名  
内容  
感想  



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