鮫洲には2基の大神輿があります。惣町大神輿(惣町神輿)と八幡神社大神輿(宮神輿)です。

猟師町だった鮫洲では、海上安全、豊漁並びに船中守護を祈願しての海中祭が行われていました。そのとき、惣町大神輿は鮫洲浦にて海中渡御されていました。
戦後、海中渡御が出来なくなった後も渡御されていましたが、昭和34年(1959)協議の末、神社の社宝として納める事になり渡御することができなくなりました。
その結果、鮫洲には担ぐ神輿のない時代を迎えました。

その後、氏子の間で「ふたたび宮神輿を」という運動が高まって新たに神輿を新調することになり、昭和42年(1967)浅草の宮本卯之助商店にて作られたのが八幡神社大神輿です。


惣町大神輿 八幡神社大神輿
台輪               4尺3寸5分
屋根(巾)             5尺2寸
高さ(台輪下部〜屋根上)    6尺4寸
大鳥(鳳凰)の高さ       3尺
重量               約450貫
製作年              文化10年(1813)
製作者              山崎音次郎(大工)

神輿庫に納められています
台輪                3尺3寸
屋根(巾)              4尺2寸5分
高さ(台輪下部〜屋根上)    5尺1寸
大鳥(鳳凰)の高さ       2尺4寸
重量                約300貫
製作年              昭和42年(1967)
製作者              宮本重義

社殿に納められています


通常の例大祭では八幡神社大神輿が渡御されますが、昭和47年(1972)の神社遷宮を契機に社宝として納められていた惣町大神輿が再び渡御されるようになりました。
現在では
御祝い事のある時に惣町大神輿が渡御さ

神輿の特徴は、縦棒を担ぐ神輿に見られる様な縦棒が台輪の中を通すのと違い、縦棒に神輿を載せるようにします。このため、台輪は厚みがありません。その縦棒へ神輿の前後に3本ずつ計6本の横棒がつき、担ぎ手は横棒を担ぎます。
また、屋根の吹き返しも厚みのある独特のものです。これは、以前海中渡御をしている時に太鼓と笛の手の者は屋根に上がり奏でていました。そのときの足の支えにするとき怪我のないように、厚みのある吹き返しになっています。

惣町神輿組み立ての様子です


旧東海道に面している、北町・仲町・南町には町会神輿があります。
神輿は3基とも台輪2尺4寸ほどの神輿で、現在の子供神輿が出来る昭和30年代までは子供神輿として渡御されていました。
戦前や惣町大神輿が海中渡御されなくなった後、この3基の神輿も海に入り海中渡御をしていました。
一時期渡御されない時代がありましたが、現在では3基とも綺麗な姿に修復されて基本的に毎年1基づつ渡御されています。
鮫洲では、この3基の神輿を「旧子供神輿(中若神輿)」と呼んでいます。

北町
台輪 2尺4寸1分
製作年 不明
製作者 大竹
仲町
台輪 2尺3寸6分
製作年 不明
製作者 不明
南町
台輪 2尺3寸7分
製作年 不明
製作者 不明


各町会にはこの他に山車と子供神輿があります。
旧東海道沿い3町会の山車は浦島太郎(北町)・乙姫様(仲町)・桃太郎(南町)の人形と囃子が乗った山車です。
この他の林町と曙町は曳太鼓の山車です。

浦島太郎(北町)
昭和26年 神田・だし鉄作
乙姫様(仲町)
昭和32年 神田・だし鉄作
桃太郎(南町)
昭和初年 製作者不明

北町子供神輿 仲町子供神輿 南町子供神輿
曙町曳太鼓山車 曙町子供神輿