00.06.12作成
リスト
順不同ですが,主に科名のアイウエオ順となっています.なるべく,同じ科・属の似た種類を比べて記載しています.
薬用:薬としているか,薬として用いた場合がある植物 食用:食べられる植物(おいしくないものもあります)
毒草:毒の有る植物
1.ヤエムグラ | 2.ヨツバムグラ | 3.ミツバアケビ(食用,薬用) | 4.アケビ(食用,薬用) |
5.ナズナ(食用) | 6.タネツケバナ(食用) | 7.キショウブ | 8.コブシ(薬用) |
9.フデリンドウ | 10.スズメノヤリ | 11.ヤマザクラ(薬用) | 12.トウダイグサ(薬用,毒草) |
13.チガヤ(薬用) | 14.クサノオウ(薬用,毒草) | 15.ジロボウエンゴサク(薬用,毒草) | 16.ムラサキケマン(毒草) |
17.クヌギ(薬用) | 18.コナラ(薬用) | 19.ウラシマソウ(毒草) | 20.マムシグサ(薬用) |
21.カントウタンポポ(食用,薬用) | 22.セイヨウタンポポ(食用,薬用) | 23.アマドコロ(食用,薬用) | 24.ナルコユリ(薬用) |
25.ヤマグワ(食用,薬用) | 26.コウゾ(食用) | 27.ケキツネノボタン(毒草) | 28.ウマノアシガタ(毒草) |
29.キランソウ(薬用) | 30.ジュウニヒトエ | 31.スイカズラ(薬用) | 32.ヤマウグイスカグラ |
33.ニワトコ(食用,薬用) | 34.ガマズミ(薬用) | 35.タチツボスミレ | 36.ニオイタチツボスミレ |
37.ツボスミレ | 38.アカネスミレ | 39.ケマルバスミレ | 40.スミレ |
41.ウツギ(薬用) | 42.ノイバラ(薬用) | 43.モミジイチゴ(食用) | 44.ヤブニンジン |
45.セントソウ | 46.ヒトリシズカ | 47.フタリシズカ | 48.ニガキ(薬用) |
49.サワフタギ | 50.クサボケ(食用,薬用) | 51.ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)(食用) | 52.スズメノエンドウ |
53.アオキ(食用) | 54.ハナイカダ(食用) | 55.ヤマネコノメソウ | 56.チゴユリ |
57.サルトリイバラ(薬用) | 58.キンラン | 59.ギンラン | 60.ナツグミ(食用) |
その他の阿見で見られる春(3月〜6月上)に咲く植物:(すべて,作成者が直接確認したものです.)
科名のアイウエオ順です.---- アカネ科 オオバノヤエムグラ,ヒメヨツバムグラ イグサ科 イグサ,クサイ イネ科 スズメノテッポウ,ハルガヤ,カラスムギ,カモガヤ,アズマネザサ ウルシ科 ヤマハゼ エゴノキ科 エゴノキ オオバコ科 オオバコ,ヘラオオバコ カヤツリグサ科 アゼナルコ,カサスゲ キク科 ノアザミ,ハルジオン,ハハコグサ,チチコグサ,キツネアザミ,ブタナ,ニガナ,ジシバリ,オオジシバリ,コウゾリナ,ノゲシ,オニノゲシ キンポウゲ科 キツネノボタン,タガラシ クマツヅラ科 ムラサキシキブ ゴマノハグサ科 ホソバウンラン,ムラサキサギゴケ,トキワハゼ,タチイヌノフグリ,オオイヌノフグリ サクラソウ科 コナスビ シソ科 カキドオシ,ホトケノザ,トウバナ セリ科 チドメグサ タデ科 イヌタデ,スイバ ツバキ科 ヒサカキ トクサ科 スギナ ドクダミ科 ドクダミ ナデシコ科 オランダミミナグサ ミミナグサ ノミノフスマ ハコベ ウシハコベ ニレ科 ムクノキ,エノキ バラ科 ヘビイチゴ,ヤブヘビイチゴ,キジムシロ,ミツバツチグリ,ウワミズザクラ,クサイチゴ,ナワシロイチゴ ベンケイソウ科 コモチマンネングサ マメ科 ミヤコグサ,コメツブツメクサ,ムラサキツメクサ,シロツメクサ,カスマグサ,フジ ミツバウツギ科 ゴンズイ ムラサキ科 ハナイバナ,キュウリグサ モクセイ科 イボタノキ ヤナギ科 アカメヤナギ,イヌコリヤナギ,カワヤナギ,キツネヤナギ,ヤマナラシ ユキノシタ科 ユキノシタ ユリ科 ノビル
1.ヤエムグラ
ヤエムグラ Galium sputim Linn. var. echinospermon
Hayek アカネ科 '96.5
いわゆる,雑草のたぐいで,日当たりのよい道端に群生しています.全体に下向きのカギがあって,ざらざらしています.
2.ヨツバムグラ
ヨツバムグラ Galium trachysperumun A.Gray アカネ科 '96.6
ヤエムグラと同じ仲間ですが,よく田んぼのあぜ道などに生え小柄でよく見て探さないとその存在すらわかりません.
3.ミツバアケビ食用・薬用
ミツバアケビ Akebia trifoliata Koidz. アケビ科 '96.5
葉が3枚のアケビで,アケビ同様に食用・薬用にします.漢方薬で茎を消炎利尿剤として使います.
4.アケビ食用・薬用
アケビ Akebia quinata Decne. アケビ科 '98.5
果物としては有名です.漢方薬で茎を消炎利尿剤として使います.アケビ,ミツバアケビのほかに,それらの交雑種であるゴヨウアケビも多く阿見町に生えています.若芽もおひたしなどにして食べられるそうですが,サポニンが多くあるのでかなり,アクが強いのではないでしょうか.
5.ナズナ食用
ナズナ Capsella bursa-pastoris Medik. アブラナ科 '96.5
ペンペングサでおなじみ.実が軍配のようなマメグンバイナズナ(帰化植物)もあります.
6.タネツケバナ食用
タネツケバナ Cardamine flexuosa With. アブラナ科 '96.5
今まで見た植物のなかで,タネツケバナは最も個体変異や環境により形が異なるものと思います.下の写真は田んぼのわきで,富栄養状態でクレソン様に巨大になったものです.駐車場などでは,10cmくらいです.果実の形は,ナズナと異なり,菜の花みたいに細長くなります.
7.キショウブ
キショウブ Iris pseudacorus Linn. アヤメ科 '96.5
帰化植物ですが,あちらこちらの湿地に咲いています.
8.コブシ薬用
コブシ Magnolia kobus DC. モクレン科 '97.3
歌「北国の春」の中にも登場し,春の野山を代表する花です.阿見町には雑木林や植林の中に比較的多く見られます.漢方薬や風邪薬で,つぼみを鼻炎に使います.同じ仲間のタムシバは花の下に葉がつかないことで区別ができます.
9.フデリンドウ
フデリンドウ Gentiana zollingeri Fawcett リンドウ科 '97.4
春に咲くリンドウの仲間で,最もポピラーなものです.風が強くてビンボケになってしまいました.
10.スズメノヤリ
スズメノヤリ Luzula capitata Miq. イグサ科 '97.4
地味な花ですが,よく見ると黄色いおしべがけっこうきれいです.
11.ヤマザクラ薬用
ヤマザクラ Prunus jamasakura Sieb. バラ科 '97.4
ソメイヨシノとは異なり,花が咲くときに葉が出ます.阿見では所々にありますが,若栗グランドの周りで多く見られました.樹皮を煎じて皮膚病に使います.
12.トウダイグサ毒草・薬用
トウダイグサ Euphorbia helioscopia Linn. トウダイグサ科 '96.5
少し湿ったところに生えています.この仲間(属)はいろいろ形が異なっていて,ポインセチアと同じ属とはびっくりします.茎や葉を折ると白い乳液を出し,これが皮膚に触れると水泡をおこすそうである.この乳液を利用して,民間療法でいぼ取りに使用していたらしい.
13.チガヤ薬用
チガヤ Imperata cylindrica Beauv. var. koenigii Durand et Sohinz イネ科 '96.5
日当たりの良い野に生え,花の咲いた後,実はふわふわの綿毛がつきます.根を利尿剤として用います.
14.クサノオウ毒草・薬用
クサノオウ Chelidonium majus Linn. var. asiaticum Ohwi ケシ科 '96.7
やや湿ったところに生える草で,株によって春早くから夏ごろまで咲いています.葉や茎からでる黄色の液体はアルカロイドを含み有毒ですが,それを利用して水虫などに使用します.また,漢方では全草を煎じて胃がんや胃潰瘍に使うとあります.過去に一般用(どこでも買える)の医薬品にしようといた人がいたようで,厚生省監修「医薬品製造指針」には毒性が強く一般用医薬品には適さない(許可しない)と記載しています.
15.ジロボウエンゴサク毒草・薬用
ジロボウエンゴサク(Corydalis decumbens Pers. ,ケシ科 '97.4
アルカロイドを含み,毒草です.薬用と書きましたが,中国産や韓国産の他種が主で本種はほとんど使われません.
16.ムラサキケマン毒草・薬用
ムラサキケマン Corydalis incisa Pers. ケシ科 '97.4
エンゴサク類と同じ仲間(属)で毒草ですが,エンゴサクのように根が丸くなりません.
17.クヌギ薬用
クヌギ(花)Quercus acutissima Carruth.(ブナ科) '97.4
雑木林を代表するドングリの木で,甘い木の汁を求めてクワガタやカブトムシが集まります.しかし,スズメバチは怖いですね.コナラやクヌギの樹皮を煎じて,打撲に用います.コナラと樹皮のひだの形がことなり,樹皮の写真も載せました.
18.コナラ薬用
コナラ Quercus serrata Thunb. ブナ科 '97.4
クヌギと同様に雑木林を代表するドングリの木で,甘い木の汁を求めてクワガタやカブトムシが集まります.コナラやクヌギの樹皮を煎じて,打撲に用います.クヌギと樹皮のひだの形がことなります.
19.ウラシマソウ毒草
ウラシマソウ Arisaema urashima Hara サトイモ科 '97.4
浦島太郎が釣りをしているということですが,この草はマムシグサと同様に阿見にかなり多く見られます.これらはコンニャクの仲間ですが,生で食べると口が腫れ上がり大変な毒草です.マムシグサ類(テンナンショウ)は薬用にされますが,ウラシマソウを薬として使用した話は聞いたことがありません.
20.マムシグサ毒草・薬用
マムシグサ(ムラサキマムシグサ)(Arisaema serratum Schott サトイモ科)
'97.4
阿見に生えているマムシグサはかなり大型で,大きいものは人の背丈くらいあります.私が見たのものの中では他に例がありません.根(芋)を乾燥し,鎮痛・去痰薬といています.筑波山にはミミガタテンナンショウがあります.
21.カントウタンポポ食用・薬用
カントウタンポポ Taraxacum platycarpum Dahlst キク科 '96.5
日本に自生するタンポポの一種で,名のとおり関東地方に多く生えています.セイヨウタンポポとはがくの反らないことで区別しますが,カントウタンポポはセイヨウタンポポのように自家受精をしないため,ある程度の群落が必要とされています.また,セイヨウタンポポは一年中花が咲きやたらめったら増えるので,カントウタンポポは押されている傾向にあるそうです.しかし,最近は逆にカントウタンポポが勢力を取り返しつつあることをテレビで聞きました.日本自然保護協会の講習会で,カントウタンポポとセイヨウタンポポが生えている土壌のpHと湿度はけっこう異なることを知ったことから,バブル崩壊でまた以前ような環境がもどりつつあるのではないかとわたしながら解釈しています.
薬学部の1年生のとき生薬研究会というクラブで,タンポポコーヒーなるものを文献どおりにつくって飲んでみました.ほろ苦く,意外といけると思いました.最近,**茶と称してドクダミやタンポポが入ったお茶が有名メーカーから販売されており,自然志向であることはいいことですが,やはり手作りでが一番ですよね.
薬としては,根を煎じて健胃や乳房のはれに使用しているらしいです.
22.セイヨウタンポポ食用・薬用
セイヨウタンポポ Taraxacum officinale Weber キク科 '96.5
ヨーロッパでは葉を野菜サラダや養鶏飼料に使っていた.乳牛の乳の出をよくするため,北海道で一時セイヨウタンポポが栽培されたが,これが日本全土にはびこった.と薬草カラー図鑑(1)(主婦の友社,伊沢一男著)にあります.
23.アマドコロ薬用・食用
アマドコロ Polygonatum odoratum Druce var. pluriflorum Ohwi ユリ科 '96.5
アマドコロと次のナルコユリはよく似ていますが,茎に翼があるのがアマドコロで,ナルコユリには翼がなくつるつるしています.阿見ではナルコユリはほとんどみられませんが(一箇所のみ),アマドコロはかなり多くあります.若芽を摘んで,てんぷらにしたらおいしいそうです.根茎をナルコユリと同様に滋養・強壮に用います.
24.ナルコユリ薬用
ナルコユリ Polygonatum falcatum A. Gray ユリ科 '98.5
アマドコロより,少し高いところにはえているみたいで,阿見にはいろいろ回りましたが,一箇所しか見つかりませんでした.根茎はアマドコロと同様に滋養・強壮に用いますが,アマドコロよりごっついためか若芽を食べる記載は見つかりませんでした.筑波山には,オオナルコユリ,ミヤマナルコユリなどを見かけました.
25.ヤマグワ食用・薬用
ヤマグワ Morus bombycis Koidz. クワ科 '96.5
学生のときから実はとってもおいしいと聞いていましたが,そのグロテスクな風貌からチョット遠慮をしていました.先日6/4,子供にこれはおいしいと説明する都合,初めて子供と一緒に食べてみましたが,やはり評判どおりおいしかったでした.根の皮を漢方で,消炎・利尿の目的として用います.
26.コウゾ食用
コウゾ Broussonetia kazinoki Sieb.( B.papyrifera) クワ科 '96.5
ヤマグワと同様は食べられるとあります.樹皮を和紙の材料にすることで有名です.ちょっとビンボケですみません.
27.ケキツネノボタン毒草・薬用
ケキツネノボタン Ranunculus cantoniensis DC. キンポウゲ科 '96.5
コンペイトウのような実がつきます.コンペイトウの先が曲がっていて,全体にほとんど毛が無いものがキツネノボタンとよく図鑑に書いてありますが,中間的なものもあったりして,私はよく区別がつきません.キンポウゲの仲間(Ranunculus属),イチリンソウの仲間(Anemone属),センニンソウの仲間(Clematis属)などはアルカロイドはありませんが,アネモニンとかいう刺激成分があって,皮膚に触れるとはれるそうです.そのこともあって,キツネノボタンやセンニンソウは民間療法として扁桃炎のとき生の葉を手首にはって,扁桃炎を治すために使用されていたそうです.
28.ウマノアシガタ毒草
ウマノアシガタ(キンポウゲ) Ranunculus japonicus Thunb. キンポウゲ科 '96.5
八重咲きのものをキンポウゲといっているそうですが,野生の八重咲きはめったにないのではないでしょうか.花は,比較的大きくけっこうきれいです.
29.キランソウ薬用
キランソウ Ajuga decumbens Thunb. シソ科 '96.5
日当たりの良い道端や石垣で,春はやくからムラサキ色の花をつけます.昔から全草を咳止め・去痰・解熱薬としていたようで,土佐では「イシャダオシ」などと言われたそうです.
キランソウ?阿見の竹ヤブの中で7月上旬にこのような花を数株みつけました.花と葉の形からキランソウとおもいますが,葉の大きさ(10cm),花の時期,茎が横に分かれないことなど図鑑のキランソウに当てはまる項目がありません.おそらく,キランソウが日陰の環境に順化し,春が寒かったので,夏に咲いたものと思われます.
30.ジュウニヒトエ
ジュンニヒトエ Ajuga nipponensisi Makino シソ科 '96.5
参考にした書籍:山渓ポケット図鑑「春の花」,「夏の花」(山と渓谷社)
カラーブックス食べられる野草(保育社)
カラーブックス薬になる植物(保育社)
カラーブックス漢方薬入門(保育社)
薬草カラー図鑑@AB(主婦の友社)
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