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Ryohei's Woodworking |
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このサイトは家具作りのための木工技術や関連情報を中心とした私的なページで、毎月初めに一部更新をしております。内容別に整理ができておりませんが、初めての方は木工講座100連載や今までのページをご覧いただければ、過去の内容がわかりやすいと思います。 |
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2013年5月 ・曲面を削って作る ◆ 曲面を削って作る ◆ どちらかというと直線で構成された、シンプルで機能的な家具が好きですが、そういう家具ばかりだと冷たい感じになるので、ところどころに遊び心溢れる、曲線を多用したブジェ的な家具がほしくなります。その曲線も、機械で削りだしたり型にはめて作ったものではなく、自然な感じであたたかみのある曲面がいい。それを作るには、手道具で木を削り出すことしかないように思います。正直なところ、曲面を削って作るのは得意ではありませんが、自分がやっている方法を少し紹介します。 まずは何を創りたいか、そのイメージを膨らませます。実はこの段階が一番難しい。何かをイメージするといっても、見たこともない物を考え出すことは簡単にできるわけではありませんから、多くに場合どこかで見た形を再現することになるわけで、そのためには家具を見るよりも、様々な自然の物を見て、その形やディテールからアイデアをもらうのが良い方法です。
今回は河原に生えている葦のような細い植物が3本絡まっているようなイメージの物を作ります。ドローナイフや刃を大きく出した小鉋、南京鉋などで削っていきます。初めはドンドン削りますが、仕上げの段階に入ると逆目・順目を意識し、注意深く削ります。丸棒削りは必ずどこかで順目と逆目が入れ替わりますから、木目を見るよい練習になるはずです。 荒削りの段階で重宝しているのが写真のVeritasのスポークシェーブです。刃の仕込み角がとても小さく、というか刃の裏が木に接していて、少しだけ前に傾け削るので、逃げ角は5度くらい、刃先角は25度、刃がよく研げていれば、とても軽くスイスイ削ることができます。刃がズレやすかったり、木くずがつまりやすい欠点はありますが、南京鉋で仕上る前段階の削りに多用しています。日本の鉋は薄い鉋屑を出して綺麗に仕上ることに適していますが、これはスポークシェーブの名前どおり、形を作る鉋です。刃は比較的長切れしますが、切れなくなったら、早めに研ぎます。
次に南京鉋や曲面専用南京鉋などで形をととのえていきますが、どうしてもスジが残ったり、曲面が滑らかにならなかったりします。それで、曲面にあわせたスクレーパーを作ってみることにしました。ゼットソーの使い終わった刃の背中に目的の曲線をマジックで書き、グラインダーで凹面に削り、最後は写真のようにドリルにつけた回転砥石で滑らかな曲線にします。
グラインダーでできたバリを1000番くらいの中砥で取り、バーニシャーで返りをつけると、曲面スクレーパーができます。油をつけて、最初は水平に、次に写真のようにバイスに挟んでバーニッシャーを直角にあててこすります。曲面の場合は、あまり斜めにせず、垂直にあててこすり、最後にほんの少しだけ傾けるとよいようです。
ちゃんと刃がついたスクレーパーは、なかなかよく削ることができます。南京鉋やこのスクレーパー、あるいは直線のスクレーパーも使いながら、手触りによい、自然な曲面に仕上ていきます。人工的な平面が残っていると不自然な曲線になりますので、特にその境目には注意して削ります。スクレーパーは押しても引いてもいいですが、手に持って軽く削る場合が多いので、引いて削る方がやりやすいでしょう。また曲面は目的のカーブより少し大きめに作った方が、使いやすいです。サンドペーパーをあてるのは、その後です。
仕事としての木工ではこんな悠長なことはしていられませんが、手道具で曲面や丸棒を削り出していくのは楽しい作業ですから、気軽に挑戦してみてください。 ◆ 足跡遠望記 --- 元町通5丁目 ◆ 先月還暦を迎えました。60歳です。高校生の頃、50才はかなり高齢のオッサンで、60才なら正真正銘オジンだと思っていましたが、順番は来るんですね。そしてこの節目に、自分の目で見ていた昔の風景や出来事を記録しておくのもいいのではないかと思うようになりました。そんなわけで、今月から「名古屋界隈事情」にかわり、「足跡遠望記」として、頭の中にある古い記憶を辿ってみることにしました。昭和の時代が博物館で展示される昨今ですから、若い方にも楽しんでいただけるのではないかと、勝手に思ったりしています。 ------------------------------------------ 昭和28年4月、港町神戸の元町通5丁目商店街の一つ南の道、海岸通までの間の小さな家で生まれた。西隣は「やぶ蕎麦」といううどんや蕎麦の店で、出前で大変繁盛していた。小さい頃、そこの店員さん達に可愛がられ、よくダッコされていた記憶がうっすらとある。住み込みの若い衆には病気持ちの人もいたのだろうと母は言うが、原因はよく知らないが、生後間もなく小児結核にかかった・・・らしい。まわりは「大人しい子や」と感心していたらしいが、実は病気が原因。だから、元気でやんちゃだった兄に比べ、何となく”身体が弱い子”というイメージで育てられたと思う。東隣はアパートをいうか、間貸しをしている家で、大家は「アサオカ」さんと呼ばれ、窓から「みやもとはーん」とウチによく声をかけていた。 ホンマかいな?と思うのが、トイレの汲み取り。裏側からのアクセスができないため、隣のやぶそばができる時からの約束で、そばやの店内をバキュームカーのホースをもったオジサンが通って、裏口からウチとそばやのトイレの汲み取りをしていた。営業中に店内をホースが通っていた記憶があり、飲食業として今では考えられない。もちろん水洗便所が皆無の時代だっかから仕方がないかも。後述するが、トイレのない家もあった。 家は玄関からすぐの4畳半(?)と襖で区切られた6畳和室、またその奥に6畳くらいの台所の三部屋と、便所であった。裏口を出ると小さな庭があって納屋があったと思う。”ネリ”という名前のメスの雑種犬を飼っていた。玄関のすぐ横に狭い板間があって、そこにシンガー103というプロ用ミシンがあり、それで母は洋服を縫っていた。その横では祖母が和服を縫っており、次の間が夫婦の寝室だ。父は昼間神戸製鋼所で働き、夜は近くのダンスホールでトランペットを吹いていた。家族の大人は全員働いていたから、母親が「遊んでやれないかわりに・・・」と、幼稚園へ入る頃から毎日10円のおこづかいをもらっていた。今なら100円以上だろうから、子供にしては結構な金額だったと思う。西に少し行った所に「タンジさん」とよぶ、一厘菓子屋(いちりんかしや)があって、そこでいろんなものを買っていた。
道をはさんで、教科書の販売会社の倉庫というか流通拠点があった。年度末になると大量の教科書を整理し、各学校へ届けるのが大仕事で、多数アルバイトが来て、手作業で仕分け作業をしていた。ここの社員さんやアルバイトさん達にもよく遊んでもらった。その会社の奥というか北側には今もあると思うが、「宝文館」という本屋さんで、店は元町通りに面していた。 近所に同い年の子はいなかったようで、記憶にあるのはヨシロウちゃんという、ひとつかふたつ年上の男の子。ヨシロウちゃんは近所の戦災瓦礫を積んだ小さい山の上のバラックに、家族5人くらいで住んでいて、親父さんが大八車で野菜の行商をしていた。今思うとほんとに一間の小さな家に家族が重なるように寝ていた。便所はなくて、ヨシロウちゃんは6丁目にあったデパートの三越の開店を待って、そこで用(大)を足していた。その瓦礫の山の側壁は瓦などが積みかさなっていたので、その瓦をはずして、「宝物」を隠したりして遊んだ記憶がある。宝物は、釘を市電にひかせてつくったぺッタンコのナイフだったりした。今思うと非常に危ないことなので、絶対真似はしないでほしいが、家のすぐ南側の海岸通りには市電が走っていて、その線路の上に釘を置き、その上市電がとおったら、持つと温かい、平たく延びたナイフができるのだ。見つかると運転手が下りてきて、こっぴどく怒られる。この市電で親父は灘浜の神戸製鋼所に通っていたし、単一料金で神戸市内を端から端まで行くことができたので、祖母や母はよく使っていた。 隣のやぶ蕎麦は、東京のやぶ蕎麦と関係があるかもしれない。私にはその味の記憶はないが、母親の話では流石に出汁は美味しかったとのこと。蕎麦は店の奥で打っていたが、うどんはどこかの製麺所でゆだあがったのを仕入れていたようだ。ある時、製麺所へうどんを取りにいく車の荷台に乗せてもらったことがある。木の枠にスノコをしいた箱に真っ白いうどんが並んだ箱を何段か積んでの帰り、荷台にいた僕(3歳か4歳?)は、その白いうどんがとても美味しそうに見え、それを手でつまんで食べていた。店に帰るともちろんバレてしまい、店の人には大笑いされたが、そのことを聞いた母は「子供にちゃんと食べさせていないと思われる」と、とても恥ずかしい思いをしたようだ。私の麺好きは、その時から始まったのかもしれない。 そんなこんなで元町五丁目では、まるで「三丁目の夕日」みたいな生活だった。続く。 | |||
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