|
Ryohei's Woodworking |
In English |
|
このサイトは家具作りのための木工技術や関連情報を中心とした私的なページで、毎月初めに一部更新をしております。内容別に整理ができておりませんが、初めての方は木工講座100連載や今までのページをご覧いただければ、過去の内容がわかりやすいと思います。 |
|
-- 目次 -- 木工教室作品展作品展2011 作品展2010 作品展2009 作品展2008 作品展2007 作品展2006 作品展2005 作品展2004 ギャラリー 履歴等 木工講座 平鉋 家具作り木工教室 情報等 参考 紀行 |
2012年5月 ・凹面加工他 ◆ 凹面加工他 ◆ 樋のような長い凹面状の溝を加工することになり、昇降盤に斜めの定規を固定して切削する方法を行ってみました。この方法は以前から知っていましたが、どのような危険があるかわからないこと、また刃に負担がかかると予想されることから、今まで避けていました。しかし、実際にやってみなければわかりませんので、今回慎重に試してみました。ただし、加工される方の技量や慎重さ、また機械の剛性などが異なるため、この記事を見て同じような加工を行われる方は、慎重に、そして自己責任で行ってください。 まず加工したい曲面の合うように定規をセットします。頭で考えるより、実際に刃を目的の深さまで出し、斜めに材料を当て、”現物当たり”の方が確実です。直感ですが、45度以上傾けることは避けた方がよいと思います。加工中定規がずれると恐いので、クランプを慎重にセットし、簡単には動かないよう、確実に固定します。なお刃は直径255mmの兼房AN15です。
今回最も深い所で8mm掘りますが、危険や刃への負担を少なくするため、鋸刃の出を0.5mmずつ上げていくことにしました。ウチの昇降盤はハンドル一回転で2mm上下しますので、四分の一回転ずつ刃を上げていきます。ですから、今回は16回にわけて少しずつ加工しました。 おそらく一番危ないのが材料が浮くことだと思います。しかし、あまり強く押さえると摩擦が大きくなりますから、適度な力で材料を定盤に押さえながら、材料を送ります。すべりを良くするため、加工前にシリコンスプレイを使っています。最初は刃の出が0.5mmですから、まず危険はないでしょう。でも刃の真上は押さえないようにして、両手をうまく使って、刃の前後でコンスタントに押さえながら材を一定速度で送ります。私の場合は、10cm/秒くらいです。
刃を少しずつ上げていくのですが、しだいに力加減がわかってきますから、危いとを感じたことはありませんでした。ただし、このように完全に刃が隠れているので、一見安全なように見えて、実際の切削がどういう状態かはわかりません。ですので、押さえ棒やジグを使って材を送るよりも、刃の真上を手が通過しないようして、手で直接材を送り、切削具合を手で感じる方ことが大切だと思います。予想しなかったことは、木屑が加工された溝の方へ逃げていくためでしょうか、集塵がうまく働きません。毎回小さなほうきで木屑を掃除し、特に定規との間にたまらないように注意します。
慎重に加工したこともあり、比較的安全に加工ができました。しかし、刃の切削能力や抵抗を感じながら、材料を安全に送ることが、誰にでもできるとは思いません。したがって教室ではこの加工は禁止します。面取盤などの大型切削機械を使わない場合、他の方法は、一番深い所とあと二箇所くらいに丸鋸盤で切れ込みを入れ、それを目印に鑿や鉋で手加工することでしょうか。 このカーブに合う外丸鉋を持っていませんでしたので、下の写真にある、四方反鉋や幅の狭い豆鉋、時にはスワンネックのスクレーパーを使いながら、目的の曲面(単純な凹面ではなく、平面につながる曲面)に仕上ていきました。恐いなと思いながら機械加工するより、木の肌を感じながらの鉋かけはとても楽しい。久々無心にその作業に入っている自分を感じました。写真にある小鉋類の中で、下の方4つは自作の鉋です。そのうち、ひとつは、電動鉋用のハイス刃を切断して、刃にしたものです。
海外で現地の木工家と話しをすると、よく日本製替刃式のこぎりを見せてくれます。ゼットソウやレザーソウなどのごく一般的なものですが、彼らはそれをとてもすばらしいと評価してくれます。もう少し日本の木工を知っている人は、日本製のノミを持っていて、「これはいい」と言います。でも、流石に、日本の鉋を使いこなしている木工家に会ったことはほとんどありません。針葉樹と広葉樹の違いもあるでしょうが、やはり日本の鉋は使いこなすのが難しいのでしょう。 日本の鉋の特徴はいろいろありますが、刃が柔らかい地金と鋼の二層構造で刃が分厚いこと、台が木でできていることがあげられます。刃が分厚いことは、刃自体が研ぎの角度を決める”ジグ”の機能を備えていると言えます。市販されている刃研ぎジグは、完全には同じ角度が再現できないために、研ぎに余計な手間と時間ががかかります。せっかく刃自体がジグの機能を持っているのですから、ぜひ研ぎを練習して、”刃先まで真っ直ぐに研ぐ”コツを身につけてほしいです。また台が木でできていることは、台が狂い易いという欠点につながりますが、それは台を目的に応じて変化させやすいことでもあります。金属製の鉋に比べ軽いので作業も楽です。
サンディングが好きという人は少ないのではないでしょうか。木屑でクシャミがでたり、体全体が真っ白になったり・・・。これに比べ、鉋がけは、鉋がうまくできていれば、本当に気持ちのよいものです。テレビなどでシューと薄紙のような鉋屑がでている映像がありますが、実際にはそれでは、鉋屑は厚すぎることが多いです。上の写真の下左ではまだ厚い、下右でちょうどくらい、実際には上のようなグシャグシャした鉋屑になります。最後の仕上げ鉋では、鉋屑は出てこず、台の中にたまっています。それに息をふきかけると、綿のような鉋屑が飛んで出る・・・こうなれば最高です。 海外の木工家があこがれる日本の手道具、これを使わないのは絶対モッタイナイ!。諦めないで、ぜひ使いこなしてください。微力ながら、私も日本の手道具を多くの人に伝えていきたいと考えています。 ◆ 湖北マキノ周辺 ◆ 4月中旬のある日、カヌー屋時代が懐かしい、海津大崎の桜を見に行った。名古屋から琵琶湖は意外と近い。湖北へは北陸道木の本IC経由で一時間少々。今回高速料金をケチって、関ヶ原から伊吹山の山裾を回りこむように木の本へ向かった。その間も、至るところ桜満開である。
海津大崎は、事前の予想どおり、平日ながら人と車の多いこと。車の間をすり抜けるように自転車を走らせるが、あまり面白くない。おまけに、トンネルを越えたところの浜で一休みしようとしたら、恐そうな兄ちゃんが「自転車100円」と言いよった。「そんならええわ」と引き返すと「有料と書いてあるやろ、ボケ」と罵声をあびせられる始末。昔からの観光地には、こうした無礼でややこしい連中がいることが多い。言い返しても始まらんので、トッとと海津大崎におさらばする。が、帰ってから撮った写真を見ると、やっぱり美しかった。海津大崎の桜は、昔のように湖面からカヌーで眺めるのが最高ちゃうかな。曰く「桜は湖に向かって咲いてるから」。
駅前のレンタサイクルのお兄ちゃんがくれたサイクルマップをたよりにマキノへ向かう。マキノのスキー場も、裏山のスキーツアーにも何度か来たことがある。冬はプチ信州大糸線沿線となるのだ。人気の少ない川の土手のサイクリングロードを気持ちよく走る。これで海津大崎の嫌な気分が解消。そして、メタセコイアの並木道へ。冬枯れで葉の落ちたメタセコイアが道の両側に一直線に並ぶ景観は、日本離れして、なかなかのもの。マキノ駅前で地元の方が売っていた鯖巻き寿司と五目炊き込みご飯の弁当を川沿いで食べる。とても美味しかった。
この時期、有名所でなくても、桜は超キレイ。花粉アレルギーさえなければ、一年で一番美しい季節かも。午後からは余呉湖を一周。そこでも美しい桜に沢山出会うことができた。 | |||
このページの著作権は宮本良平にあります。
掲載しております画像、文書等の転載、引用等は必ず事前にご連絡下さい。
リンクフリーですが、このトップページへのリンクでお願いします。
ご意見やご感想をお寄せ下さる場合は、木工Q&A発信のページをご利用下さい。
この際、名前、住所、職業等を明記してください。