綾辻行人 |
1960年12月23日京都市生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学院教育学部研究科博士後期課程修了。
大学在学中は京都大学推理小説研究会に所属。
1983年大学4年で江戸川乱歩賞に応募(一次予選通過)した「追悼の島」をもとにした「十角館の殺人」で大学院在学中の87年にデビュー。
その結末には、綾辻行人という筆名の考案者でもある島田荘司が長文の「薦」を寄せていた。
孤島を舞台にミステリー研究会の部員たちが次々と殺されていく事件を描いたこの本格ミステリーにより、我が国の新本格ムーブメントはその幕を上げた。
その後、この作品に登場した島田潔(きよし)をシリーズ探偵とする「館」シリーズは、「水車館の殺人」「迷路館の殺人」(共に88年)と続く。
91年の「時計館の殺人」では、第45回日本推理作家協会賞を受賞した。伝統的な謎解きに叙述トリックを加味し、しかも一作ごとに様々な趣向を凝らした「館」シリーズは多くの読者の支持を得ており、綾辻と言えば「館」と言うくらいそのインパクトは強い。
趣向という点では、講談社ノベルズにそっくりな「稀譚社ノベルズ」という本を作中に織り込んでしまった「迷路館の殺人」が最右翼。
「館」シリーズの傍系に属するのが、霧越邸という壮大な邸宅に迷い込んだ劇団員たちを巻き込む連続殺人を描いた「霧越邸殺人事件」(90年)である。
重厚な本格推理と幻想譚を極めて高い水準で融合させた作品だが、結末は賛否両論。
それにも関わらず「週間文春」の傑作ミステリー・ベスト10で一位に選ばれたという点にこの作品の底力が感じられる。
ホラーの分野でも優れた才能を発揮している。「緋色の囁き」(88年)、「暗闇の囁き」(89年)、「黄昏の囁き」(93年)、これら「囁き」シリーズでは、イタリアのホラー映画監督ダリオ・アルジェントの作品を彷彿とさせるどんでん返しの妙を味わうことが出来る。
また、驚愕の結末を備えたスプラッター小説である「殺人鬼」(90年)及び、「殺人鬼U」(93年)も要注目。切れ味が抜群に鋭い「眼球綺譚」(95年)はホラー短編集として出色の出来映えである。
99年には、収録作5編のうち、4編に読者への挑戦を挟むと言う意欲的な短編集「どんどん橋、落ちた」を刊行し、フーダニットの持つ可能性を徹底的に追求した。
書名 | 霧越邸殺人事件 (新潮) |
内容 | 或る晩秋、信州の山深き地で猛吹雪に遭遇した8人の前に突如出現した洋館「霧越邸」。助かった…安堵の声も束の間、外界との連絡が途絶えた邸で、彼らの身にデコラティブな死が次々と訪れる。密室と化したアール・ヌーヴォー調の豪奢な洋館。謎めたい住人たち。ひとり、またひとり―不可思議極まりない状況で起こる連続殺人の犯人は。驚愕の結末が絶賛を浴びた超話題作。 日本推理作家協会賞第44回候補作 |
感想 | 未読 |
書名 | 眼球綺譚 (集英社) |
内容 | ある日、大学の後輩とおぼしき男から郵便が届いた。「読んでください。夜中に、一人で」という手紙とともに、その中にはある地方都市での奇怪な事件を題材にした小説の原稿が…。表題作「眼球綺譚」他、誕生日の夜の“悪夢”を描いた「バースデー・プレゼント」、究極の“食”に挑んだ逸品「特別料理」など、妖しくも美しい7つのホラーストーリーを収録。著者の新境地を拓いた初の短篇集。 |
感想 | 未読 |
書名 | 十角館の殺人 (講談社) |
内容 | 半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の七人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生き残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。 |
感想 | |
書名 | 迷路館の殺人 (講談社) |
内容 | 奇怪な迷路の館に集合した四人の作家が、館を舞台にした推理小説の競作を始めたとたん、惨劇が現実に起きた。完全な密室と化した地下の館で発生する連続殺人の不可解さと恐怖。逆転また逆転のスリルを味わった末に読者が到達する驚愕の結末は?気鋭が異色の構成で挑む野心的な長編本格ミステリー。 |
感想 | |
書名 | 水車館の殺人(講談社) |
内容 | 古城を思わせる異形の建物「水車館」の主人は、過去の事故で顔面を傷つけ、常に仮面をかぶる。そして妻は幽閉同然の美少女。ここにうさんくさい客たちが集まった時点から、惨劇の幕が開く。密室から男が消失したことと、1年前の奇怪な殺人とは、どう関連するか?驚異の仕掛けをひそませた野心作。 |
感想 | |
書名 | 人形館の殺人(講談社) |
内容 | 亡父が残した京都の邸「人形館」に飛龍想一が移り住んだその時から、驚倒のドラマが開始した。邸には父の遺産というべき妖しい人形たちが陣取り、近所では通り魔殺人が続発する。やがて想一自身にも姿なき殺人者がしのび寄る。名探偵島田潔と謎の建築家中村青司との組合せが生む館シリーズ最大の戦慄。 |
感想 | |
書名 | 時計館の殺人(講談社) |
内容 | 館を埋める百八個の時計コレクション。鎌倉の森の暗がりに建つその時計館で十年前一人の少女が死んだ。館に関わる人々に次々起こる自殺、事故、病死。死者の想いが時計館を訪れた九人の男女に無差別殺人の恐怖が襲う。凄惨な光景ののちに明かされるめくるめく真相とは。 日本推理作家協会賞第45回受賞 |
感想 | |
書名 | 黒猫館の殺人(講談社) |
内容 | 6つめの「館」への御招待―自分が何者なのか調べてほしい。推理作家鹿谷門実に会いたいと手紙を送ってきた老人はそう訴えた。手がかりとして渡された「手記」には彼が遭遇した奇怪な殺人事件が綴られていた。しかも事件が起きたその屋敷とはあの建築家中村青司の手になるものだった。惨劇に潜む真相は。 |
感想 | |
書名 | 殺人方程式 切断された死体の問題(光文社) |
内容 | 首が、ない。警視庁刑事・明日香井叶は絶句した。教団ビルで“お篭り”の儀式中だった「御玉神照命会」教主・貴伝名剛三が、なぜか別の建物の屋上で死んでいたのだ。しかも、頭部と左腕を切断されて。なぜ犯人は死体を切断したのか?叶の双子の兄・響が怪事件の謎に挑む。読者を必ずや驚倒させる極上の本格推理、待望の文庫化。 |
感想 | 未読 |
書名 | 鳴風荘事件−殺人方程式U−(光文社) |
内容 | |
感想 | 未読 |
書名 | フリークス(光文社) |
内容 | 「J・Mを殺したのは誰か」―そんな一文で終わる原稿を、私はもてあましていた。入院患者が書いたそれは、“解決篇”のない推理小説そのものだったのだ。極度の容姿コンプレックスに憑かれた男、J・M。彼は五人の子供たちに悪魔じみた人体改造術をほどこし、森の奥深くの屋敷に幽閉していた。ある日、そのJ・Mが屋敷の地下室でずたずたに切り裂かれて殺害された。犯人は子供たちのうちの一人なのか。私の友人である探偵・彼は、この難問にどう挑む。表題作ほか、三つの病室を舞台に謎と恐怖と驚愕の世界へ読者を誘う、異色の綾辻ミステリー傑作集。 |
感想 | 未読 |
書名 | 暗闇の囁き(祥伝社) |
内容 | 10年ぶりに烏裂野の別荘を訪れた拓也は、円城寺実也、麻堵の兄弟と知り合うが、彼らの家庭教師遥佳から奇妙な依頼を受けた。“黒髪を切られていた前任者の事故死の真相究明を手伝ってほしい”というのである。異常なほど厳格な躾を実践し、秘密めく円城寺家。二人が父親に知られることを極度に恐れる「あっちゃん」という名の子どもの存在。やがて少年たちの従兄克之が行方不明となり、その母が墜落死を遂げた…。死者の黒髪はなぜ切られていたのか?あっちゃんとは何者なのか?次々と起こる不可解な事件の真相とは?推理文壇注目の俊英が『緋色の囁き』に続き、自信を持って贈る書下ろし傑作。 |
感想 | |
書名 | 緋色の囁き(祥伝社) |
内容 | 〈私は魔女なのよ―〉全寮制の名門聖真女学園で、高取恵が謎の言葉を残し焼死体となって発見され、続いて堀江千秋が刺殺された。それが恐怖の幕開けとなった。学園に転校して来たばかりの和泉冴子は、生理の度に、血の悪夢に悩まされ、相次ぐルームメイトの死に“もしかして私が”という不安に戦いていた。冴子には夢遊病の癖があったからである。さらに連続殺人劇は進行し、疑惑の眼は冴子に向けられた…。いったい魔女という言葉の意味は?殺人鬼は冴子自身なのか?推理文壇の若き俊英が本格推理の醍醐味と心理サスペンスを見事に結実させた注目作ここに誕生。 |
感想 | 未読 |
書名 | 黄昏の囁き(祥伝社) |
内容 | 兄の変死で帰郷した医学生翔二は、事故の捜査が打ち切られ、なぜか両親までが口を閉ざすことに激しい憤りを覚えた。元予備校講師占部の協力で真相を追い始めるが、兄の幼馴染たちは異常な怯えを示すのだった…。兄を悩ませた、“ね、遊んでよ”という怪電話の意味は?事件の追及は、やがて翔二の記憶に秘められた、15年前の恐ろしい出来事を呼び覚ました。’92年推理作家協会賞に輝く、若き本格推理の旗手が愛着を込めて贈る“囁き”シリーズ、読者熱望の第3弾。 |
感想 | 未読 |
書名 | 殺人鬼(双葉社) |
内容 | “我が国の犯罪史を見渡してみても、あれほどに異常な殺人事件は他に例がないのではないか。それは、犯行そのものの残虐性や非人間性といった点においてだけでなく、事件に付随して起ったある非常に不可思議な現象について思うことでもある。事件が発生したのは、1980年代も終わり、いよいよ世紀末も差し迫ったある年の八月のことだった。”―「魔の山」双葉山での恐怖と謎に満ちた惨劇の真相とは。気鋭作家・綾辻行人が世に問う、会心の長編ホラー・ミステリー。 |
感想 | 未読 |
書名 | 殺人鬼U(双葉社) |
内容 | 「魔の山」双葉山で発生した恐るべき大量殺人事件から三年―。正体不明のあの殺人鬼が、新たな獲物を求めて山を降りてきた。路上で、病院で…次々と血祭りに上げられる罪もない人間たち。平和だった街が阿鼻叫喚の地獄に変わる。いったい奴は何者なのか。悪鬼のごときその殺戮を止めるすべはあるのか。不思議な力を持った少年・真実哉は孤独な戦いを挑むが…。“新本格”の旗手・綾辻行人が放つ、問答無用の長編血まみれホラー・ミステリー。戦慄と驚愕の第二弾。 |
感想 | 未読 |
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