〜中古バカ1台!〜

 1 写真への導き

 私が、写真にのめり込もうとした時に手元にあったのは、このカメラです。ミノルタフレックスV型、6×6版2眼レフです(ひとりごとその2参照)。1955年(昭和30年)頃の製造です。これは、私が中学1年の時に、父が「使ってみろ」と言って私に呉れた物です。
 

 父はこのカメラでずっと家族の写真を撮っていましたが、私が触ろうとすると必ず怒って、触らせてくれませんでした。そんな大切なカメラを、ある日突然私に授けてくれたのです。このカメラ、当時でも相当古臭く見えたもので、外に持ち出すのは恥ずかしかったのですが、それでもあちこちへ連れ出しました。当時、横浜駅には赤帽さん(ヨーロッパでいう所のポーター、乗客の荷物を運ぶ方ですね)がいらっしゃって(横浜駅最後の赤帽さんです)、ホームの上でこのカメラで列車の写真を撮っていた時、親しく声をかけていただいた事を思い出します。

 この2眼レフこそが私の写真の原点であり、その写真の世界を教えてくれたのは、父であります。


私の写真の原点のカメラです。
 ちょうど同じ頃、中学校の写真クラブに入り、現像引伸ばしの方法を学んだ事で、私はさらに写真の世界へ深入りしていきます。

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