STORY-2     雨宮監督より     基礎知識


鉄甲機ミカヅキ 「二夜」 ストーリー





トンネルの中を進んでゆく一台の囚人護送車。
その中に一人、膝を抱えてうずくまる男・壬生海我(みぶかいが)。

何やらブツブツと呟く彼の頭の中に突如として鳴り響くインターホンの音。
訪問販売のセールスマンだった彼が、出てきた女性を次々と殺してゆく回想
振り絞るかのような海我の悲痛な叫び…
「ねえ、開けてよ〜!」


幻覚の中で護送車の後部ドアが、怪しい装飾が施された古びた扉へと変貌してゆく。

幼い日の彼が叫ぶ‥
「開けてよ!ねえ、開けてってば〜!」
どんなに叩いても叫んでも決して開かれないその扉。
海我は幻影に苦しみ、壁に頭を打ちつけながら叫び続ける…


やがて海我の心の底からほとばしった絶叫が 言霊 になり宙を漂う。
 
それが弾けた時、海我の前に突然現れるトルパ。怯える海我にトルパは言う。

「嬉しいぞ。お前の暗く渦巻く想念の匂い。」

「貴様の想念、もらい受ける‥‥ウテルス!!」 


海我の体を閃光が貫き、異形の物体・ウテルスが頭に腕に絡みつく。苦しむ海我…
やがてウテルスは海我の想いから 想念の実 を抽出し、護送車は爆発する。

どれ位の時が経ったのか…
護送車から放り出されて路上に倒れている海我。
首すじにはウテルスに捕縛された痕が痛々しく残っている。
ヨロヨロと立ち上がった海我は、何処かへ向かって歩き出す。
その眼に怒りの色をたたえながら…




囚人服をまとった紳紳…若い!初々しいです。
護送車の中では回想シーンを除いて
台詞は一言も無いです。
言葉を発すること無く、目の表情や体の動き、叫びのみで演技してます。
本当に 目の力が強いなあ…。叫ぶことにかけては天下一品だなあ…と感心しきり。
こんなに上手に叫べる俳優さんってそうは居ないと思います。

セールスマン海我のハスキーな「開けてってば〜!ねえ、開けてよ〜!」 という叫びは
鬼気迫るものがあります。
紳ファンはこれ聞いたら胸がギュッ!って痛くなりますよ。
それできっと、ドア開けたくなるでしょう! 私なら開けちゃいます。…そう、たとえ殺されても。。

ウテルス…気持ち悪いです。動物のドクロのような物から無数の触手が…
こんなのに捕り付かれたら一体どんな気分になるんだろうか…;
紳紳は当然、そのへんの気分も想定して演じてるんだろうなぁ…。
けど、ウテルスに捕り付かれる想像って… う〜ん…
でもホントに締め付けられてるように見せてて、サスガですv