RACE |
イメージトレーニング |
黒岩 |
責任先頭制 |
シングルトラックレースにはタイムレース式のものと予選決勝式のものがあって、国体スケート競技会は後者の競技方法で行われる。シングルトラックレースは数名以上の競技者が単一滑走路で同時にスタートして競技するもので、参加者が多い場合には数組に分けて行われる。タイムレースとはインターハイの予選などで採用されている形式であり、全組が終わってからダブルトラックレースのように、タイムの順で順位が決定するので、自己の組で1着になっても記録が悪ければ入賞できないということもある。 国体スケート競技会で行われている予選決勝式のシングルトラックレースは、各組から規定された着順までの予選通過者を選び、その予選通過者によってさらに決勝レースを行って順位を決定する競技である。シングルトラックレースは先頭で滑走するのと他の競技者の後から続いて滑走するのとでは疲労の度が違って先頭走者が不利であるから、いずれの競技者も長距離レースの途中では先頭滑走を敬遠し、スピードが落ちて記録が低下しやすくなる。つまり余力があるなら誰もが先頭にでる義務があるようにしなければならない。そこで国体では、スピードの低下を防止するために責任先頭制という規則がある。 責任先頭制は、競技場のホームストレートとバックストレートの中央に線を引き、この線上を通過するときに規定された回数以上先頭で通過しなさいという規則である。したがって先頭回数が規定された数に満たない場合には、1着でゴールには行っても例えば3人の責任先頭完了者がいたとすれば順位は4着になるのである。ただし、男子10,000mにおいては、責任先頭回数の取得を完了したスケーターを優先して到着し順で順位を決定し、次に回数未了のスケーターを取得回数の多い順にランク付け、同数のスケーターは到着順で決定する。未取得のスケーターが到着順にこれに続く。この責任先頭制は500mには不必要で、1,000m以上の種目に適用され、責任回数は次の通りである。 1,000m…1回、1,500m…1回、3,000m…2回 5,000m…4回、10,000m…8回 ただし、責任先頭の回数は1,000mを除きスタート直後の箇所を除外する。 実力があるなら全部先頭を取ればいいじゃないかという人もいるかもしれないが、選手にはその他のレースも控えている。そんなに簡単なものではないのである。 また、競技会では次のような競技役員がいて、それぞれの役割を担当している。競技役員には階級があり、どの程度の規模の大会でどのような役割をするかが決まっており、それぞれ認定試験が存在する。 テクニカルコミティ、レフェリー、アシスタントレフェリー、スターター、アシスタントスターター、チーフジャッジ、ジャッジ、チーフタイマー、エレクトリックタイマー、タイマー、回数算定員、トラック監察員、リレーゾーン監察員、責任先頭判定員、記録員長、記録員、通告員、召集員、気象観測員、製氷技術射、総合成績計算員、総務。 |
バッジテスト |
スピード競技では、速さによってバッジテスト(AA級からE級まで)の制度があり、C級からE級まではシングルトラックレースでもとれるが、B級からはダブルトラックレースでなければならない。 国体選手は、男女ともD級以上となっている。インターハイはどうだったか忘れたが、インカレはC級以上である。東北大学学友会スピードスケート部の目標は、一応C級を獲得してインカレに出場すること、4人以上でリレーを組むことである。医学部スケート部の時代に一度果たされているこの目標を果たすまでには、全学という新たな領域で部が少しずつ成長していかなければならない。B級の世界までいくには、才能と時間があってもだいたい5年ぐらいを要する(かな?)。A級、AA級の世界へ行くには、さらなる才能と時間を要する。 スピードスケート競技に限ったことではないかもしれないが、男子と女子の差は大きい。私も女子だったらA級なのだが (男子B級)。でもやっぱりAAの女子にはかなわないか。
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