コロナ禍のLA旅行2020

2020年7月、新型コロナが猛威を振るう中、感染者数が世界一多くなった米国ロサンゼルス(以下LA)に行ってきました。目的は初孫に会いに行くという私的旅行ですが、日本からの出入国や米国入国、またLAの現況など、これから行かれる方には貴重な情報かと思い、記録しました。

(準備から出発まで)

LA在住の娘が5月に出産するというので、その直後にLAを訪れるべく、昨年末にはANAで5月のGW直後のLA往復便を予約していた。ところが3月頃から日本でも新型コロナの影響が次第に濃くなり、4月には緊急事態宣言が出され、とても行ける状況ではなくなり、セントレアから成田への乗継便も欠航となることが判明し、この便をキャンセル。ANAのサイトで直接予約していたため、ネット上でキャンセル手続きが簡単にでき、手数料なしで7月返金もされた。この対応はありがたい。

その後、5月中旬に宣言が解除され、木工教室の夏休みを利用してなんとかLAに行くことを模索。とはいえ帰国時に国内線を乗り継いで帰ることができないので、当時LAへの直行便が出ていた関空、成田、羽田の中で最も近い関空からのJAL便を押さえた。行きはいっしょのヨメさんは少しでも安いアメリカン航空から一か月滞在予定の便を予約し、私は一週間で帰るのでさほど値段が変わらないJALのサイトから予約。ところが6月に入って関空からLAへの直行便が欠航になる。JALから予約していた私はまたも手数料なしで払い戻しを受けることができたが、ヨメサンのアメリカン航空は返金不可で来年までに別便へ振替しか対応できないと言われる。便がなくなっても返金できない問答無用のアメリカン航空。これからは少々高くてもJALかANAで航空券を買おうと決心する。

それで他に方法はないかと考えるが、成田か羽田まで車で行くしかない。名古屋から羽田は車で約4時間、成田まではさらに一時間はかかる。駐車場は高いが、少しでも近い羽田からのJAL便を予約することにする。少々高いけど、こんな時だから仕方ない。私は一週間、ヨメサンは約一か月滞在する予定で便を別々に予約した。

この時点で判明している出入国に関する注意点は下記のとおりだった。

  • 日本人の米国への入国は制限されていない。(二週間以内の危険国滞在歴がないこと)
  • 米国入国後二週間は訪問先やホテルで自主隔離生活をし健康観察をすること。
  • 米国滞在が二週間に満たなくても帰国は可能。
  • 日米両国とも空港から自宅や訪問先への移動に公共交通機関は利用できない。
  • 日本帰国の際は、全員PCR検査を受ける。結果判明前でも自分の車であれば自宅へ帰ることはできる。
  • 日本帰国後二週間は自宅で自粛生活をし、健康観察を継続する。

(羽田~LA空港)

羽田からの出国は全く問題なし。自動のパスポート読み取り機で顔を確認し、その後有人ゲートを通って終わり。


国際線の新しい江戸風食堂街はこのとおり人気無し

機内は食事以外マスク着用でこれは想定どおり。席はがらがらで客全員が三席を使って横になることができた。JALのCAさん達が、沈んだコロナのムードを少しでも明るくしようとされているのがわかる。この時期シニア夫婦で乗っている私達に声をかけてくれ、「娘が出産し孫に会いに行く」と言うと、大変喜んでくれて、新しい命の誕生という出来事は思っているより大きなことなんだと再認識。LA到着前に孫用にとプレゼントをいただく。お仕事の一環とはいえ嬉しい。

割と元気にLA空港(LAX)到着。 LAの入国審査はいろいろ聞かれたが、特に厳しいというわけではない。目的を訊かれ、「娘が出産し孫に会いに来た」というと、「フォト、フォト」と言いスマホまで見せて、要は孫の写真を見せろということのようだ。スマホにある孫の写真を見せると今度は、「名前は?」の質問に「Nico」と答えてOK。やはり「観光」ではダメで納得できる目的が必要なようだ。”写真と名前”、なかなか効果的な質問ではある。心配した検疫では意外にも全く何も質問されなかった。体温チェックはどこかでしていると思うがわからなかった。これは全く予想外。

(LA滞在)

その後娘と再会し、車でダウンタウンのアパートへ。華やかだった街中は閉店が多く、精彩がない。ほとんどの人がマスクを着用している。マスクに関しての神経質さは日本以上か。その後、パートナーの両親もLAに来ていて数日借りている一軒家へ向かう。私達もその離れに2泊する予定だ。そして、孫に会う前にシャワーを浴び、替えてマスクを着用してからようやくご対面(^^)。コンピューターの画面で見ている孫は大きかったが、実際はまだ二か月で小さい。ご両親との初対面など大事な行事がいっぱいあったが、それらはごく私的なことなので省略。


最初の一軒家の庭と倉庫 オーナーは芸術家?


このあたりでは有名なタコス売りのバス

滞在中の食事は自炊かテイクアウトにならざるを得ない。娘のパートナーが料理好きで上手なので助かったが、テイクアウトはほとんどがネットで注文してから取りに行くスタイルで、現地在住の人の手助けがないとちょっと難しい。

 

私達は海外旅行をすると、毎日忙しく観光をするが、パートナーのご両親に限らずこちらの人は滞在先でひたすらのんびりしている。コロナで行く所もないので、私にしては初めてかもしれないくらい、ほとんど動かずに庭の椅子に座って、孫の相手をしたり、ビールを飲んだりして二日間を過ごした。

ご両親はその後サウスカロライナの自宅へ帰り、私達はダウンタウンの一ヶ月借り上げのアパートへと向かう。ところがトラブル発生。このアパートの予約が私のクレジットカードで料金が落ちかなったために、完了されてなかったのだ。海外通販などでよくある日本のクレジットカードが使えないことによるトラブルだろう。娘達がいろいろ探してくれるが、とりあえず今日一泊はダウンタウンのホテルを手配してくれた。

次の日、とりあえず数日間、別のアパートの借り上げができることになり、そちらへ移る。メチャおしゃれなマンションだが、このビルの二階には公認のドラグ販売店があるらしく、入口に絶えずガードマンが立っていて、皮肉にもかえって安心か。


最初のアパート。何もかも大きい

気になったのは街の治安。店が閉まったり、デモがあったりで、ホームレスの居る場所が拡大しているようだ。前はなかった地域の歩道にテントが張られていたり、特に夕方から夜は気持ち悪い。私たちは娘のアパートから少し離れた場所に泊まっているが、夜は娘のパートナーが送迎してくれた。ダウンタウンに住む魅力や目的が大幅に減って、娘は悲しいと言う。また老舗カフェやレストラン・ライブハウスが、コロナがここまで長引き、廃業を決断したりしているようで、なんとも寂しい。


アルゼンチン料理のテイクアウトで食事

超おしゃれなマンションの一室で一泊したが、少々暑かった。次の日娘がやってきて、「空調が壊れている」という。修理に来てもらうが、どうもうまく治らない。斡旋会社からは、別の所に変わってはどうかと提案される。そして夕食後、夜だが別のアパートへ引越しをする。今度もメチャ広い所だが、私は一泊しかできない。明日はもう日本へ向けて出発だ。なおヨメサンはあと一週間~三週間ほど、状況に応して滞在する。


引越後のアパート。入口が遠くに見える

(LA出国~日本到着~自宅へ)

朝、娘が孫と迎に来てくれて、荷物を持って彼らのアパートへ移動する。そして孫とお別れをして、14時発の飛行機に乗るため、空港へ向かう。渋滞なしで30分で空港到着。ここで娘と別れ、一人でJALのカウンターへ向かい、チェックイン。


コロナ前なら長蛇のセキュリティーチェックがこのとおり

出国は全く問題なし。空港国際線はガラガラ、空港への送迎も渋滞なしでメチャ速い。客数はほぼ行きと同じで、ほぼ全員が3席を使って横になることができたと思う。約11時間のフライトの後、日本についてまず検疫官からの説明を利用していないターミナル待合室で受け、その後、自力で家へ帰る人を先に、帰国後についての書類を提出し、質問を受けた後PCR検査を受ける。結果がマイナスの場合は2日以上結果報告がないらしく、多分陰性。あとは預けた荷物を受け取り、やっと解放される。着陸から約1時間半後、駐車場においた車に乗り込み、名古屋まで必死で帰った。夏休みに入ってすぐの4連休前日でトラックも移動中の家族連れも大変多い。アメリカより確実に日本の方が”緩さ”と感じる。

現地5泊一週間の短いLA旅行、見に行ったのは日曜日のファーマーズマーケットのみ。でも来てよかった。本当は娘の出産時に来てやるべきだった。産後高血圧で赤ん坊と離されて4日ほど入院するという極めて手助けが必要な状況に何もできなかった。まあ、母子とも無事で本当によかった。


ビバリーヒルズの日曜ファーマーズマーケット

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