パリ旅行2012 (時期:3月末〜4月)

木工がメインのページですが、自分の記録という面もあり、ほぼ観光目的の旅行だった”パリ旅行記”もこちらに残すことにしました。

 まずなぜパリなのか?ですが、深い意味はありません。ただ漠然と「次はパリかな」という気持ちがありました。高校生〜大学生の頃、よく神戸元町通りにあった「元映」に行って映画の3本立てなどを見ていました。「関東テキヤ一家」などやくざ映画とか、成人モノが多かったですが、その3本立ての中に、時々名画が一本入っていました。フランス映画は独特の雰囲気があります。最初はテレビで見た「禁じられた遊び」の印象は強烈でした。それをきっかけにルネ・クレマン監督の名前を知りました。また昨年、若い頃に中途で終わっていた「チボー家の人々」を読み終え、現地をちょっと見てみたいという気はありました。事前にそのDVDを見ておけば、もっといろんな場所に行けたと思うのですが・・・。

 今まで旅行社のツアーを使ったことはありません。が、どうもパリに滞在するだけだと、添乗員が同行しないフリープランの方が航空券とホテルを自分で手配するよりもかなり安いようで、今回初めて旅行社のフリープランを使うことにしました。ネットで調べ、安かった名鉄観光の「JALで行くパリ現地5泊プラン」に決定です。一人15万円で、ホテルはオペラ地区指定です。以前ストックホルムでカバンを盗まれ、それを取り返すという体験をしてから、スリなどに対する警戒感が強くなり、特に初日ホテルに入るまでの不安を少なくしたいので、中心部で治安も良いといわれているオペラ地区のホテルにしたわけです。空港からホテルまではタクシーが便利で安全だと思うのですが、私は国内でもタクシーは嫌いなので、バスで市内中心部まで行き、そこから1km強歩いてホテルへ行くことにしました。そのため、自宅でグーグルのストリートビューを使って、ホテルまでの道を歩くシュミレーションをしました。

前置きはこのくらいにして、いざ出発。

1日目

 セントレアまで車で行き、空港の駐車場に駐車することにする。一日1500円だが、7日以上30日未満は7500円上限、なおセントレアカードの割引が使えたので7200円の駐車場代。往復の運賃などを考えると高くないと思う。7時に空港について名鉄観光のカウンターでEチケットを受け取り、JALの搭乗手続きへ。ヨメさんがうっかり機内持込のハンドバックに入れていた小さなビクトリノックスのハサミ付きナイフがひっかかってしまい、没収・廃棄処分。出足がくじかれ、ショックがかなり大きそう。

 成田までは国内線扱、成田で出国審査を通り、パリ行き飛行機の人となる。座席は3日前に比較的前の方の通路側をとっておいた。初めての海外へのJAL、少し期待したけど、メシはほとんど餌。これなら、有料でもいいから、牛丼か軽いサンドイッチの方がいい。3列席で窓側に年齢が私達より少し上のご婦人が一人で座っておられたので、食事の時にお話をした。旦那さんが亡くなられてから一人で海外旅行を楽しんでおられる神戸の方であった。アイルランドが気に入っていて、今回もアイルランドへ行くらしい。近い将来長期滞在をされる下見でもあるらしく、落ち着いた年齢の女性が一人でこういう旅をされていてカッコよかった。

 飛行機は何のトラブルもなく、パリ、シャルルドゴール空港に着く。入国審査も通関も問題なく通過し、オペラ座へ行く”ロワシーバス”を探す。フランス語表記のせいもあって乗り場がわかりにくい。インフォメーションで聞いて見つけたバス停は出口のすぐ前だった。一人10ユーロを現金で運転手さんに支払い、切符をもらう。パリ市内は渋滞で時間がかかったが、約1時間でオペラ座横に到着、そこから事前のシュミレーションどおり、ゴロゴロをひきずって歩く。今回は荷物が少ないからできる。歩く距離は1km以上だが、気合が入っていたせいか、それほど辛くはなかった。

 ホテルはHotel Bergere Opera という中級ホテルで、日本のビジネスホテルクラス。出発前にこのホテルの評判を調べてみたら、「道路側でうるさかった」という書きこみがあったので、事前にホテルへメールし、「できれば静かな部屋をお願いします」と連絡していた。通された部屋は狭いけど、本当に静かでよく寝ることができた。内装や設備は古くて日本のホテルより劣るが、自分達には充分快適な部屋だった。一つだけ不満があった。それはFreeWifiということだが、速度が非常に遅く、また毎日新しいアクセスコードを入力しないといけないこと。インターネット環境も、今や日本は世界でトップクラスなのだろう。5連泊するのでホテルが快適かどうかは旅の印象を大きく左右する。スタッフ全員英語が通じたし、まずまず良かったと思うし、また来る機会があれば利用したい。

 さて、初めての夕食、ホテルの周りを歩き回ったが、あまり食欲もないので、偶然みつけた”麺”の文字にひかれ、中華料理店へ入って、ワンタンメン+ギョーザを食べる。フランスに来た初日が中華とは情けない気もするが、まあいいか。味は薄味、麺の食感が珍しく、なかなか美味しかった。支払いは練習を兼ねて、ICチップ付のカードで。ところが、読み取りが遅いのか、表示もフランス語でわかりにくくて手間取る。ミネラルウォーターを買うのを忘れていて夜中に喉が渇き、水道水を飲む。パリの水道水はうまくはないが、飲んでも体調を壊すようなことはなかった。

2日目(26597歩)

地下鉄9→バス171→ベルサイユ宮殿、庭園→オペラ座→イタリアン大通り→ホテル

 ホテルの朝食は、なかなかいい。特にパン好きなヨメさんの評価が高い。さすがにフランスパンが美味しく、ハムやチーズも日本とは違う。お客は日本人旅行者とフランス人が半々くらいかな。JALPAKでもこのホテルを使っているみたいだ。フランス人の女性が、ささっとハムやビン入りジャムをカバンに入れていた。簡単な昼食用だろう。私達も見習って、パンを紙に包んでカバンに入れた。

 今日は絶対はずせないベルサイユ宮殿に行く。前夜調べてみたところ、地下鉄やRER(鉄道)、バスなど複数の行き方があるが、あるブログで「バスが一番おすすめ」というのを見て、地下鉄+バスで行くことにする。ホテルから5分ほどの地下鉄の駅でカルネと呼ばれる、切符10枚の回数券を買う。係員のいる窓口で買ったのだが、ICチップ付きクレジットカードがここでもうまく使えない。多分認識するまで、時間がかかるのだと思う。ゆっくり待つ必要があるようだ。

 やってきた地下鉄の電車は通勤時間帯のせいか、満員である。東京丸の内線のように、押し合いながら車内へ入る。スリが多いと聞いているので、カバンをしっかり前で持って、回りには「気つけてるでーー」という目線を送る。地下鉄9番で西の終点まで行き、地上のバス停から171番のバスに乗る。切符は同じカルネが使えるので便利。結構時間がかかるが、もうすこしで目的地というところで、バスの車両交代があるのか、全員降ろされる。歩いてもいけそうだけど、すぐ来た後続のバスに乗る。切符を持っているので、運転手さんにどうすればよいか聞こうとしたが、長い話をしている他の客が居て、周りのお客が「こっちを通って中に入りなさい」と、(多分)言ってくれるので、横をすりぬけ、切符を機械に通すと、エラー?のブザーがなる。周りのお客からは少し変な目で見られたが、運転手が気にとめていないので、そのまま中へ入った。後でわかったけど、バスの切符は、乗ってから一時間30分以内だと乗り換えは無料なのだそうだ。よくわからないけど、無賃乗車ではない模様。

 終点に着くと目前にベルサイユ宮殿、デッカイ!!。世界遺産の中でも一二を争う有名観光地だから当然だろうが、その広さ・大きさは予想をはるかに超えていた。至るところから観光客がやってきて、入場を待つ列に渦ができている。観光客の多くは観光バスで来ているようだし、地元の学校の郊外学習と思われる団体も多い。宮殿に向かって左手のインフォメーションへ行き、そこのチケットマシンで入場券を購入する。外に出て中庭の長蛇の列に並ぶこと一時間弱。やっとセキュリティーチェックを受けて、中に。

 宮殿の中は、もうそれは豪華絢爛の世界で、どうしてここまで贅沢ができたのかと、不思議である。が、ご存知のとおり、マリーアントワネットにはいずれギロチンで処刑される運命が待ち受けているのである。宮殿については観光ガイドブックにしっかり書かれているから、写真をいくつか掲載。

入場を待つ長蛇の列(涙)
超有名な鏡の間
王さんの寝床
マリーアントワネットの寝床
地平線まで続く庭園
遠くに水路が見える
庭園の並木
高さをそろえてカットしてある
マリーアントワネットの別荘
庭園側からの宮殿

 お腹がへってきたので、持参のパンを食べたりしたが、一日遊ぶにはある程度しっかり食べておく必要があるので、チケットを購入した建物内にあるビュッフェへ行く。学食のような感じかな?。列に並んで、サラミのサンドイッチを買い、空いた席で食べた。それから、外に出る。宮殿の窓から霞んで見えるほどの広大な庭園に驚いたが、実際に歩いてみても、やっぱりとんでもなく広い。どうして、これほどの権力を一人の人間が持つことができたのだろうか?日本では神や仏教などの宗教と権力が結びついている例が多いが、おそらくフランスでもキリスト教との深い関係があってこそ、それが実現できたのだろう。

 広大な庭園を歩いてかなり疲れた。そろそろ帰ることにする。元来たとおり、バスと地下鉄でオペラ座まで行き、そこからイタリアン通りを経由してホテルへ帰った。少し休憩して、水を買おうと、ホテルの回りを歩き回っていて道に迷ってしまう。こういうときに限って、GPS付きスマホをホテルに置いてきた。迷った時は「元来た道を戻る」の原則にしたがい、かなり遠回りにはなったが、無事ホテルに帰りついた。そして、ホテル近所で晩飯屋を探す。今日はかなり疲れているので、無難なイタリアンだ。”パスタパパ”という店で、パスタ・サラダ・ピザを食べ、ホテルに帰って、内容満載の二日目が終わった。

3日目(23837歩)

徒歩→ルーブル美術館→地下鉄1→Nation駅近くのDIY教室→バスチーユ近くのカフェ→高架下の店→バス29→オペラ座→ホテル

歩いてシテ島をめざす。ところがシテ島まで行く間にデッカイ建物発見、それがルーブル美術館の東側だった。建物に入っていくとルーブルのピラミッドに行きついた。並んでいる人が少ないので、午前中はルーブル美術館を見ることにする。

ルーブル美術館、これが聞いていたとおり、メチャ広い。比べるのは意味ないが、ロンドンの大英博物館より、またニューヨークのメトロポリタンよりも、かなり広い感じ。半日で全て見ようなんて無理だし、そもそもそれほど美術好きでもない。それで、とにかく、パンフレットに載っている有名絵画等を見てまわることにした。ルーブルはどこでも紹介されているので、写真を少なくしようと思ったけど、多くなってしまった。

ルーブル美術館の東側
コッテリしたキャビネットやなあ
端ばめ。天板が縮んでいるのがわかる。
無垢やからスキマができる。そのいい見本。
アングルの「トルコ風呂」
凡人にはただのエッチな絵?
”モナリザ”は防弾ガラス?でガード
ここは人が多くて近づけない。
フェルメールの小さな絵は、ゆっくり見れた。
どこかの日本人の先生が生徒達?に
「パーフェクトな構図」と解説されてました。
案外華奢やなあ。壊れそうな気がする
複雑な機構でした。
学校でよく聞いたハンムラビ法典
説明の必要なし。案外人が少なかった
ルーブルのピラミッド
世界的ランドマーク
美術館の後
午後2時ごろに以前レポートしたパリの木工教室
を訪問。写真はそこで教えていただいた古い鉄
道線路の高架下に連なるクラフトやアート系の
お店。

 今日も疲れ果てて、夕方ホテルへ戻る。今晩こそはフランスらしい夕食をと思い、ネットで探すと、なんとホテルのすぐ近くに有名レストランがあった。毎日その前を通っているのに、気づかなかったけど、そういえば入り口に人が並んで待っていたようだ。Restaurant Chartierという名前の、古い大衆レストランだ。パリの歴史的建造物に指定されているらしい。
 20人ぐらい並んで待っているが、10分ほど待ったころ、2人だということで、店内に入れられ、4人がけの小さなテーブル、すでに現地の青年二人が座っているところに、相席をさせられた。日本でもこれだけ詰め込まれることは少ないと思う。まあ広い店内のテーブルがほぼ満席、人気の程がわかるので仕方がないと諦める。メニューを見るが、フランス語で全くわからない。「Do you have English menu?」を聞くがNo!とキツク言われ、安い方が量が少ないだろうと、前菜代わりのサラダやスープと、一番安いメインディッシュ二皿、ビールを注文した。前菜はまずまずであったが、ヨメさんが頼んだメインディッシュは、鳥一羽の半身をただ焼いただけのものに、ドカンとポテトがついていた。その鳥が、全くのパサパサ、どうにも喉を通らないのだ。隣の青年はそれをペロリと平らげていたが、ワインで流しこまないと食べられないのだろう。私のは生肉をかためたようなハンバーグ、表面を焼いたユッケという感じで、これはそこそこ食べられるが、ポテトが多すぎ。とにかく、鳥の方は少し手をつけただけで降参。大量に食べ残し、なんとなく居心地が悪くなって、会計をする。が、クレジットカードを認識しない・・・。認識しないのか、レストランのボーイが意地悪しているのかわからないが、どうもここはチップを取りたいので現金で清算させようとしているような感じ(日本のクレジットカードの磁気が弱くてこういうことはよくあるらしいが・・・)。幸いユーロの手持ちがあったので、代金26ユーロのところ、30ユーロを置いて、無事店を脱出。パリの老舗大衆レストランで値段は安いが、接客は雑で少々冷たい。もしも行くなら、ホームページにメニュー(当然フランス語)が載っているので、事前に訳して注文を決めて行くべし。後で調べたら、結構日本人観光客も行っているようだが、その評価が両極端。「エスカルゴが美味しかった」という人も居れば、「昔は美味しかったけど、料理の多くはレトルトを温めて出しており、美味くない」という声もあった。とにかく、今日の私達にとっては、メニューの選択ミスやちょっと冷たい接客で、苦しいレストランでした。強烈な印象は残りましたけどね。

4日目(23819歩)

バス一日券購入→バス85→シテ島→ノートルダム寺院→サントチャペル→コンシュルジュ→サンジェルマンデプレ→スタバで休憩→地下鉄6→エッフェル塔→シャイヨー宮→地下鉄14→凱旋門→シャンゼリゼ→地下鉄→ホームセンターBHV→マレ地区→マドレーヌ教会→ポトフの店→地下鉄→ホテル

 交通機関としてバスが観光にはいい。地上の様子を見ることができ、普通は通らないような細い路地を走ってくれたりするし、治安も良いようだ。ということで、地下鉄の駅で、バス地下鉄の共通一日乗車券を購入する。ネットで今日行きたいところのバスの路線を調べておいた。85番に乗れば目的地のシテ島、ノートルダム大聖堂の近くまで一本で行ける。

 その後は、地下鉄も駆使して、決定版とも言えるパリの代表的観光地回り。ガイドブックに載っているところばかりなので、写真でも見てください。

ノートルダム大聖堂
朝から人が沢山来ていた
教会の椅子
連結機構が面白い
シックなステンドグラスの窓
他の椅子と足置き?
結構シンプルや
近くのステンドグラスで有名なサントチャペル
私はあまり興味がない。
となりのコンシュルジュは面白い
マリーアントワネットはこの中庭から馬車で
ギロチン台へと送られたという。
マリーアントワネットが死刑になるまで
過ごした牢屋
馬に乗ったポリさん
エッフェル塔は穴が開いているとは知らなんだ
シャイヨー宮からみたエッフェル塔
完璧にオノボリさんです。
凱旋門へは地下道からしか行けない。

迷っていたら、男が指輪を落とす手口で近づい
てきた。握手を求めて来た時、危険を察知して
離れて何事もなし。観光地では気をつけな。

 凱旋門の後、シャンゼリゼ通りを歩いたが、人が多くあまり私達には面白くなかったので、地下鉄で小さなお店が多いというマレ地区へ向かう。途中ホームセンターBHVにも立ち寄る。デパートの地下にある、アマチュア向けではあるが、本格的な品揃えに驚く。パリではデパートは日曜休業らしく、その分土曜日の混雑がものすごかった。まともな食事をしていないので、近くにあったマクドへ入る。混雑するカウンター対策に、”クレジットカード事前注文”というシステムがあって便利だった。マレ地区はなかなか面白そうだったが、連日の観光歩きで疲れており、お店を覗くだけのパワーがなかった。

 夕方になり、日本人がわりと好きだというポトフの店を目指すことに。6時前だったと思うが、わりとわかりやすい場所に”Le Roi du Pot au Feu”という店はあった。まだお客は少なかったが、ポトフを二人前注文。ほとんどは想像どおり、野菜を丸ごと煮込んだものだが、決定的に違うのは肉の量が多いことと、必ず背骨&脊髄が入っていることだ。脊髄は昔松山のホルモン屋で天ぷらにしたものを食べたことがあるが、結構美味しいかった。ここのは、脊髄がペースト状になっており、それをフランスパンに塗って食べると美味しいと店の人は薦める。脊髄は少し不安な気持ちもするが、食べやすく、二人とも完食。お腹いっぱいになって、ウインドーショッピングをしながらホテルへ帰る。

5日目(20701歩)

地下鉄一日券購入→地下鉄、RER→オルセー美術館→オレンジェリー美術館→パンで軽食→地下鉄→モンマルトル、サンクレール寺院→地下鉄→マレ地区→パン屋→地下鉄→ポンピドー広場、近代美術館→地下鉄→ホテル

 毎月第一日曜日は、多くの美術館が無料になるのだ。それで、日曜に美術館のハシゴをしようと計画していた。また地下鉄一日券を買って、地下鉄とRERを乗り継ぎ、オルセー美術館へ行く。RER(鉄道)もパリ市内なら地下鉄と同じ券で乗れるが、事前に聞いていたように、人気が少なくやや不安な感じがあった。オルセーに着くと、なんと大勢の人が並んでいる。おまけに朝の冷え込みで寒いのに、じっとガマンの子であった。ここでも美術の教科書でよく見る、フランス絵画のオンパレード。館内のキレイなカフェでお茶を楽しんだ。

 ところがである。無料の日曜日だからだろうか、トイレが大変なことになっている。次に向かったオランジェリー美術館、ここは「モネの睡蓮」がゆったり眺められることで有名なのだが、過半数のトイレにロープがはってあって使用禁止。そこに大勢の見学者が押し寄せたものだから、これまた長蛇の列。美術館鑑賞にはお金を払ってでも平日の方が良いようだ。後は、モンマルトルの丘の人気スポット、サンクレール寺院や小さなショップのマレ地区を見て回り、ポンピドー広場の近代美術館へ。今日もヘトヘト。

これは地下鉄のプラットホーム
オルセー美術館前、入館待の長蛇の列
ここは写真撮影が禁止になっている。
オランジェリー美術館近く、コンコルド広場
ここからの眺めは最高
サンクレール寺院の前にはこんなに人が・・・
車ではなく、前後の間隔を見てほしい。
魔法のように縦列駐車していた。
昔は窓から糞尿を投げたらしい。そのため、
一階の壁がこのように傾いているらしい。
道路の凹みは糞尿を流した溝のなごりらしい。
近代美術館の最上階からの眺めもよろしい。
バタフライスツールや!
盗撮してるんやおまへん。鏡と写真の組合せ。
現代アートは面白い。
二階とかは映画館が入っている

 今日も疲れ果ててホテルに帰る。今日こそはフランス料理をと思い、ホテルのフロントスタッフにおすすめレストランを教えてもらった。そこへ行くが、沢山食べることができないほど疲れているのと、レストランの中を見ると、作業服と同等の身なりでは、肩身がせまそうで、戸惑ってしまった。それから歩いていたら、日本料理店があって、鮨メニューがあったので、よく考えもせず、入ってしまった。これが見事に失敗。他の外国人客は、こんま不味い鮨が日本の鮨を思って食べていると思ったら、可哀そうになってきた。旅行が終わってからの一番の後悔は、この日おすすめレストランで手頃な値段のコース料理を食べなかったこと。次行く時は軽いジャケット必携だ。

6日目(13000歩)

バス85→リュクサンブール公園→カフェ→サンジェルマンデプレ教会→ドラクロア美術館→ユニベルシテ通り→セーヌ川→ベトナム料理店→地下鉄→ホテル→空港

中身の濃い旅行だが、もう最終日という感じ。ホテル近くのパサージュ(昔の商店街)を歩いた後、お気に入りの85番のバスで、シテ島を通って終点まで行く。バスの中、近くに座った70歳ぐらい?のおじいさんが帽子といい、ジャケットといい、渋カッコイイ。こういう風にカッコよくなりたいが・・・、無理やな。そのうち、そのおじいさんが、私達に「外を見てごらん」というような視線で合図をするので、見てみると、警官が馬に乗っていた。その視線がまたカッコよかった。

朝の明るい日差しの中、公園をゆったり歩き、サンジェルマンデプレ界隈へ行く。教会となりの有名なカフェに入ってみた。ガイドブックでサルトルとボーヴォワールがよく来ていたというカフェ。二階のトイレを利用したら、18歳ぐらいの女性がトイレの前に座っていた。幸い持ち合わせていた小額のコインを入れてトイレに入ったが、静かな店内で、オナラの音まで聞こえるほど近くに彼女が居るので落ち着かなかった。

 サンジェルマンデプレ教会の北側にあるドラクロア美術館を見たり、チボー家の人々に登場するユニベルシテ通りを確認したりして、セーヌ川沿いをゆったり楽しみ、どこかで見た、パリでは一番人気というフォーの店で昼食をとり、ゆっくりホテルへ帰り、夕方空港へ向かった。

パサージュ
こういう雰囲気は好き
朝のリュクサンブール公園
鉄製の休息用椅子が多数置いてあった。
古いサンジェルマンデプレ教会
ドラクロア美術館
本人のアトリエ。
観光地はどこもいっしょやな
大阪中ノ島
ではなく、シテ島。どっちかが真似してる?
近代美術館の東側
古い建物のフォーの店
実にアッサリしたフォーで美味しかった。

7日目

 パリから無事成田についたのだが、最後にドンデンガエシが待っていた。強風と悪天候で名古屋への国内線が飛ばないのだ。新幹線も動いていないために振替輸送もできないらしい。とにかくJALのカウンターで明日朝の便に変更してもらう。幸運にもJALとJALの乗り継ぎなのでホテルが用意される。成田空港に大きな荷物を預け、できるだけ安くということで京成電鉄で品川へ行き、品川プリンスホテルに入る。こういう時のために、やや古い雰囲気の階が用意されているのだろうか?。でも、夕食も朝食も用意されており”流石JAL”と思う。夕食には食券で値段ほどにはうまくない鮨を食べ、強雨で外に出る気にもならず、さっさと寝た。

8日目

 朝起きるとJALからメールが来ている。なんと今日の便も欠航!!。どうすればいいかわからないが、荷物を預けていることだし、とにかく成田空港へ戻ることにする。JALのカウンターで「午後の便は満席ですので、お客様には新幹線自由席の振替乗車券か、一人8000円程度の現金をお返しするかどちらかの選択しかありません」と言われる。いよいよ大きな荷物を持って電車で帰る決断をする。成田エクスプレスで東京へ行き、新幹線に乗って、名古屋へやっと着いた。そこから車を置いているセントレアまで戻らないといけない。でも思ったよりも早く家に帰り着くことができて、ヤレヤレ。やっぱり陸路は安心やなあ。

旅を終えて

パリの街の印象

 ”後を引くなあ”というのが正直なところ。自分は自然も好きやが大都会も好き。その点、歴史が町の至るところで感じられるパリは大変魅力的。今回は観光地巡りに終始した感はあるが、周辺の町並や小さな商店など、自分達が知らない所に、面白そうな場所がいっぱいありそう。だから、また行ってみたいと思わせる。

地下鉄・バス

 地下鉄では、かなりの頻度で、ジプシーだろうか、アコーディオンを演奏するおじいさん、あるいは小さなラジカセをカートに積んで、音楽をバックに歌を歌うおばさんが、乗り込んでくる。”パリの空の下で”など、哀愁漂う音楽が車内に流れるのは、いかにもパリらしいが、目が合うとお金を要求されそうで、乗客の多くは無視し乗っている。もうひとつびっくりしたのが、日本語でも駅で流れる”スリにご注意ください”のアナウンス。ホント、スリは多そうなので、絶えず注意が必要。ただ、危機感を持っている人はスリにもわかるらしく、警戒感を持っていれば、むやみに恐がる必要はないようだ。

 バスは路線が観光客にはわかりにくいが、宿を出る前に路線図を確認するなどして、乗るべきバスの番号を調べておくと、とても便利。治安面も安心そうだし、普通では通らないような細い路地を走ることも多く、面白い。

 観光客用のフリーチケットもあるようだが、私達は回数券に相当する”カルネ”と、一日乗車券”モビリス”を使い分けた。市内いたるところにある、乗り捨てできる貸し自転車も魅力だが、交通事情がよくわからないだけに自分達には危険に感じて、使わなかった。観光なら、バスと地下鉄を駆使するのが一番だと思う。

食事

 日本でもまず高級レストランでは食事をしない。だから、パリに行ったからと言って、名のあるレストランへ行くことはより難しい。しかし、帰ってきてから後悔していることのひとつが、高級でなくてもよいから、「ちゃんとしたレストランで食事をしなかった」こと。ホテルで聞いたおすすめレストランへ行くためには、観光は早めに切り上げ、お腹の調子を整え、シャワーでも浴びて、軽いジャケットでも着て臨むべきだったと思う。50〜60ユーロぐらいのコースなので、それほど高くないが、あまりにカジュアルな服装では、入れてくれたとしても、肩身の狭い思いをしただろう。

 以上、ダラダラ書いてきましたが、これからパリに行かれる方の参考になれば幸いです。

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