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慣れるとは麻痺させること?
皆様から色々なメールを頂きます。ありがたい事ですね。webの世界では初めての方
とも共通の話題、テーマで話をすることが可能です。素晴らしい事です。
そして、何度かのやり取りを繰り返すうちに親しい感覚を持てるようになります。

本当にありがとうございます。そして、何気なく皆さんが御使いになるある言葉..........。

---  「もう、新塗装には慣れたので、私は違和感を感じませんよ」
---  「最近、白アタマが増えて来たので、目が慣れてきました」

何かの変化があったその後、「その変化」に対しての順応具合を示す言葉.........
「慣れる」です。

しかしながら、私は環境順応性が低いのか、上記の事柄に対しては慣れることがで
きません。
当然、世の中には「慣れた」と感じる事柄もありますが、その事柄を客観的に見ると、
多くの場合、自分の感覚が麻痺していることに気づきます。そして、それを慣れたと
感じているようです。

阪急電鉄における車両新塗装。
登場時には感覚的に慣れなかったものが、今は慣れたとはどういう現象でしょうか?
自分の感覚が麻痺してしまったから、違和感を感じなくなったのではありませんか?
デザインの勉強をされ、センスを磨かれた結果、始めは良さがわからなかったが、今
は判る。と仰います?
デザインで言うところの対比の原則は、強調したいものを引き立たせるために用いる
と言う点では間違っていません。しかし、

阪急電鉄様の仰る............
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京都線特急車6300系車両は、マルーン色の鮮明度を引き出すアイボリー色を塗装
したデザインを施しております。
6000、7000、7300系も同様に、当社を代表する車両の塗装デザインに変更して
イメージの一新を図っており、今後も順次、塗装変更を行う予定でございます。
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新塗装は、「マルーンを引き立たせる」のではなく「アイボリーを強調」するためだけに
作用している事実に気づくべきだと思います。狙った効果とは全く反対をやってしまっ
た様ですよ。6300系とは異なり、正面アルミデザインが無いのですから。
そして、脈々と歴史を刻んだマルーンのモノトーン美学を今日をもって汚した訳です。
My voice no.16参照

あなたの言っていることは...................、
---  「良さと感じ取ろうと努力をしていない」  という声を頂きました。
---  「企業の方針を一個人がガタガタ言うのは恥ずかしいことですよ」  とも。
ご助言ありがとうございます。しかし、良さは無いと感じるのです。間違った法則に則
ってデザインしたものを良いと思う程、私は麻痺していないつもりです。

最後に。
ここは個人サイトであり、私の意見を述べさせていただける場所と認識しています。
恥ずかしいのは、自分の考えを「麻痺」させて「慣れた」と言うことです。
そして、社員でありながら社の方針だから、と自分のセンスをスポイルすることです。

2000.11.25

amco@hi-ho.ne.jp  BACK