瑣末の研究20

ダ・ヴィンチの微笑

ダ・ヴィンチ六月号も店頭から消える頃なので、記事を転載しておく。
それだけではなんなので、ここに至った顛末を以下に御紹介する。
商業誌に文章が載ったのは、これが最初というわけではない。
以前も書いたようにEQのクイーンFCのページに採用されたことがある。
しかしながら、EQは斉藤EQFC代表の趣味で決まるいわば「持ちこみ原稿」。
kashiba個人を名指しで原稿依頼を受けたのは生まれて初めての経験であった。
「うーむ、ホームページの威力よなあ」と感じ入った次第。

きっかけは1通のメールだった。
発信元はダ・ヴィンチ編集部の女性編集者。
「バカミスの企画があるのだが、何か書いて欲しい」という話であった。
「いやあ、バカミスならば霞さんとか大森さんとか適任がいらしゃるでしょう。」
と回答すると、
「それはそれで依頼しているので。とりあえず1度会ってお話を」との事。
それでピンと来た。


「ひょっとして<バカ・マニア>の取材でショッカー?」

大当たり。

まあ、霞さんと同じページに載れるのであれば、と打ち合せ場所の神保町はドトール
コーヒーにて二つ返事でOK。書式は、一問一答形式で、問いは杉江松恋さんが作る
という事になった。ショートカットの茶パツも凛々しい女性編集者は、別れ際に
「ばあっと、ノッて書いてくださいね!!」と微笑み、雑踏に消えた。
はいはい。

ところが、待つ事1ヶ月、これが一向に来ない。
さすがに心配になって催促したら、当初聞いていた〆切の前日になってやっと来た。
「明日までに頂けると嬉しいです。」


それは嬉しいだろう。


うーむ、これがプロの仕事というものか。とりあえず、掲示板のレスのノリで回答を
つける。なにせ質問込みで千字という限られた字数である。質問も適当に刈り込みながら、
ちょいちょいとやっつけて送稿。
翌日、感謝の言葉とともに「ゲラで確認してもらいます」とのレスがくる。
はいはい。

待つことしばし、一向にゲラは来ない。
そのうちに掲示板に、戸田さんによる掲載号の目撃情報が載る。
「うーん、これは何かの間違いかな?」
続いて、喜国さんの目撃情報。
「そうですか、お褒め頂き光栄です」


で、ダ・ヴィンチ編集部御中
「やれもしないことを約束すんじゃねええ!!」


その後、原稿料の振りこみ先についての問い合わせがあり、回答。
2週間ほど経って、再度問い合わせあり。
「経理から<口座がない>といわれたのですが、お名前は何とお読みするのでしょうか?」


「よめませんかそうですか!」


通帳に記帳する習慣のない私は、稿料が幾らなのか?そもそも実際に振りこまれたのか?
未だに知らない。

「ダ・ヴィンチの微笑事件」了

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