乃南アサ |
1960年8月、東京生まれ。
早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。
1988年「幸福な朝食」が日本推理サスペンス大賞優秀作を受賞し、デビュー。
女性心理の緻密な描写が高く評価されている。
1996年「凍える牙」では第115回直木賞を受賞した。
書名 | 花盗人 (新潮社) |
内容 | 「あなたが私にくれたものは、あの桜の小枝だけ。あなたが盗っていったものは、私のすべて」−。自立できない夫との生活に疲れた女は逃げ場を求めた。 しかしそれが彼女の「脱線」の始まりだった…。 表題作の他、怖くて意外な結末が詰まった全10編。デビュー当時から直木賞受賞第一作まで、乃南アサの幅広い作風が楽しめる文庫オリジナル短篇集。 収録:薬缶/寝言/向日葵/愛情弁当/今夜も笑ってる/他人の背広/留守番電話/脱出/最後の花束/花盗人 解説:茶木則雄(ミステリー評論家) |
感想 | |
書名 | 6月19日の花嫁 (新潮社) |
内容 | わたしは誰−?6月12日の交通事故で記憶を失った千尋。思い出したのは一週間後の19日が自分の結婚式ということだけだ。相手は一体、誰なのか。 “自分探し”を始めた千尋の前に、次々と明かされる予想外の事実。過去のジグソー・パズルは埋められるのか…。 「結婚」に揺れる女性心理を繊細に描き、異色の結末まで一気に読ませる、ロマンティック・サスペンス。 「ジューン・ブライド」というタイトルで映画化された。 解説:香山二三郎 |
感想 | |
書名 | 家族趣味 (新潮社) |
内容 | 人生は楽しく、充実していなければ。 そこそこ出世した旦那に、健康な息子。私の仕事も順調だ。そして、恋も…。 次々に年下の男性と不倫を重ねてゆく、奔放な主人公を待ち構えていた運命は? 表題作を始め、宝石に取り憑かれた女の破滅的生活を追う「魅惑の輝き」、少年の底知れぬ不可解さを描いた「デジ・ボウイ」など、日常に潜む狂気を抉った傑作短篇5編。 収録:魅惑の輝き/彫刻する人/忘れ物/デジ・ボウイ/家族趣味 解説:柴門ふみ |
感想 | |
書名 | トゥインクル・ボーイ (新潮社) |
内容 | 天使のような笑顔を浮かべると、出会う者はみな思わず「可愛い!」と声を上げてしまう。 大人たちを自分の魅力の虜にし、望む物を手にしてきた小学1年生の少年拓馬には、ある秘密の「趣味」があった。 場所は黄昏の競馬場−。純真、残酷、妖艶、粗暴、嘘言…。 正常と異常の狭間に立つ幼児たちの危うい心理を描き出した、現代の「恐るべき子どもたち」ともいうべき7編。 収録:トゥインクル・ボーイ/三つ編み/さくら橋/捨てネコ/坂の上の家/青空/泡 解説:香山リカ |
感想 | |
書名 | 幸福な朝食(新潮社) |
内容 | 女優を目指して上京した少女は、運命の悪戯に全ての夢を打ち砕かれ孤独の内に歳月を過ごしていた。だがその男との出会いを境に、心の底に凍てついた狂気がゆっくりと溶け始める。 …なぜ忘れていたのだろう。あの夏から、私は妊娠しているのだ。そう、何年も、何年も、この子は待っていてくれたのよ…。 濃密な心理描写が絶賛された直木賞作家のデビュー作。日本推理サスペンス大賞優秀作。 解説:長谷部史親 |
感想 | |
書名 | 再生の朝(新潮社) |
内容 | 十月七日午後五時三十分。萩行きの夜行高速バスが品川のバスターミナルを出発した。 乗客乗務員は十二人。約十四時間で目的地到着の予定だったのだが…。 深夜に乗務員が殺害され、バスは殺人者と共に、何処とも知れぬ闇に放り出される。台風接近で風雨も激しさを増し−。 それぞれの人生を背負って乗り合わせた登場人物たちの多視点から恐怖の一夜を描く、異色のサスペンス。 解説:吉野 仁 |
感想 | 未読 |
書名 | 団 欒(新潮社) |
内容 | なぜ自分にこの親、この兄弟姉妹なのか。いつもやたらとベタベタしているのに、実はバラバラだったりする。「家族」って、よくよく考えてみれば、ヘンなものだと思いませんか? この本には、中でも極めつけのヘンな家族が登場します。深夜、息子がいきなり彼女の死体を連れて帰ってきたり、夫婦の寝室に「ママ」がいたり…。 これに比べれば、お宅はまだまだ大丈夫でしょう? 収録:ママは何でも知っている/ルール/僕のトんちゃん/出前家族/団欒 解説:有吉玉青 |
感想 | |
書名 | 死んでも忘れない(新潮社) |
内容 | 夫婦と、息子一人の3人家族。どこにでもある、新興住宅地の平穏で幸福な一家だった。妻が妊娠したことで、新たなる喜びに一家は包まれる…はずだった。しかし、ある朝、夫が巻き込まれた小さな事件が思いも寄らぬ展開を見せ、彼らの運命を大きく狂わせてゆく−。 次第に追い詰められ、崩壊に向かう家族に果たして救いはあるのか?現代の不安を鋭く抉った心理サスペンス。 解説:青木千恵 |
感想 | |
書名 | 凍える牙(新潮社) |
内容 | 深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した!遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年デカ滝沢と捜査に当たる。 やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか?野獣との対決の時が次第に近づいていた−。女性刑事の孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集める。 第115回直木賞受賞。 解説:安原 顯 |
感想 | 未読 |
書名 | 花散る頃の殺人 女刑事音道貴子(新潮社) |
内容 | 『凍える牙』で、読者に熱い共感を与えた女性刑事・音道貴子。彼女を主人公にした初の短編集。貴子自身がゴミ漁りストーカーに狙われて、気味悪い日々を過ごす「あなたの匂い」。ビジネスホテルで無理心中した老夫婦の、つらい過去を辿る表題作など6編。家族や自分の将来に不安を抱きつつも、捜査に追われる貴子の日常が細やかに描かれる。特別付録に「滝沢刑事と著者の架空対談」。 |
感想 | 未読 |
書名 | 水の中のふたつの月(角川) |
内容 | 「忙しい」が口癖のOL亜理子は、幼馴染みの恵美から十数年ぶりに電話をもらった。梨沙も誘ってかつての仲良し3人組で会おうと言う。突然の電話に不審を抱きつつ、彼女の心は夢のようなあの夏の日に遡っていった。心の奥底へと封印した、妖しい記憶の中へと−。 ありふれた生活、時折見せる特異な性癖。ありふれた彼女たちの表情の裏に見え隠れする、共通の秘密とは? 深層に横たわる恐ろしい原体験が日常に染み出す様を描いた、衝撃のサイコ・サスペンス。 解説:新保博久 |
感想 | |
書名 | 暗 鬼(角川) |
内容 | 親子四代、総勢九人という現代では珍しい大家族に嫁いだ法子。まだ他人の法子にとって、初めて知る大家族とは、暖かくお互いが理解し、助け合う最高の絆であった。だが、ふとしたきっかけから、法子は家族の表面的な優しさの奥に潜む奇妙な人間関係、謎の多い行動に気付き、ひとり調査を始めた−。 “本当の家族になりたい”と切に願う法子によって、次々と解き明かされてゆく真実の家族の姿とは…!? 家の呪縛、血の絆まで描ききる本格サイコ・ミステリー。 |
感想 | |
書名 | 鍵(講談社) |
内容 | 高校二年生の麻里子の鞄に、知らぬ間に一つの鍵が押し込められた−。近所で連続して起きる通り魔事件は、ついに殺人にまでエスカレート。 父も母もいなくなった障害を持つ女子高生と、その面倒を見なければいけなくなった兄や姉との心の通い合いをも見事に描いた、涙を誘う名作ミステリー。 |
感想 | 未読 |
書名 | 窓(講談社) |
内容 | 私は、どこへ行けばいいんだろう。高校三年生の麻里子は、進学や友人関係など変わりゆく周囲にとまどう。そんな彼女のまわりで起きた毒入りジュース事件。事件に関わる少年が自分と同じ聴覚障害を持つと知り麻里子は…。思春期の少女の微妙な心模様と家族の愛情を描いた、『鍵』に続く傑作青春ミステリー。 |
感想 | 未読 |
書名 | ライン(講談社) |
内容 | 一本の線だけで結ばれている、宙に浮かんだような若者たち。深夜のパソコン通信に嵌る小田切薫の周囲で次々殺人事件が起こる。それぞれの道を歩む高校の同級生たちは、友情と嫉妬が複雑に絡み合い…。 オンライン社会の若者の心の揺れを描く傑作ミステリー。 「パソコン通信殺人事件」改題。 解説:関口苑生 |
感想 | 未読 |
書名 | 紫蘭の花嫁(光文社) |
内容 | 「逃げなきゃ、あいつから逃げなきゃ!」花屋で働く三田村夏季の前へ突然現れた謎の影。その瞬間から彼女の逃亡生活が始まった。 一方、神奈川県下で連続婦女暴行殺人事件が発生。史上稀に見る凶悪犯罪を前に捜査陣は翻弄される。 苦悩する刑事部長小田垣と彼に近づく美女摩衣子。そして息を呑むクライマックス!大胆な手法を駆使した衝撃作。 解説:中島河太郎 |
感想 | |
書名 | 冷たい誘惑(文春) |
内容 | 「私は拳銃を構える。恐怖にひきつった顔を思い描くだけで、胸のもやもやが晴れていく」―。久しぶりの同窓会で、歌舞伎町に流れ、家出少女から受け取った包みの中身はなんと拳銃。なぜか主婦は警察に届けない。日常に倦んだ市井の人々を狂気に変えていくコルトの魔力。巧みな構成で魅了する連作短篇集。 文芸書「引き金の履歴」改題 |
感想 | 未読 |
書名 | 微笑みがえし(祥伝社) |
内容 | <白い箱からパッキングを取り除き観葉植物が顔を出した瞬間、彼女の手は鮮血で染まった。箱の下に鋭く尖ったガラスの破片がぎっしりと詰まっていた> タレントの阿季子は結婚を機に芸能界を引退、幸せに暮らしていた。が、テレビ復帰が決まった直後から、不気味な嫌がらせが始まった。 無言電話、尾行、そして悪意の贈り物…。一体誰が、何の為に!? 解説なし |
感想 | |
書名 | 今夜もベルが鳴る(祥伝社) |
内容 | 友人主催のパーティーで、ゆかりは岩谷と知り合った。落ち着いた物腰に、ゆかりは心底惹かれた。二日後、岩谷から電話がかかり、ゆかりのんばかで恋の炎が燃え上がる。だが、それが恐怖の始まりだった。 電話は毎夜かかってきたが、話すにつれて、彼女の心に恐ろしい疑惑が頭をもたげ始める。岩谷とは一体何者なのか!? |
感想 | |
書名 | 幸せになりたい(祥伝社) |
内容 | <今夜、桐江は恋人だった。が、明日からは愛人になる>家庭的な真純と性に奔放な桐江−大手商社に勤める敏腕社員の依田は二人の女性と付き合っている。人生の伴侶には真純を選ぶが、桐江との関係も続けたい。 結婚前夜、依田は密かに桐江の部屋で過ごした。が、その夜の甘い会話には、艶麗な罠が潜んでいた…。(二人の思い出) 男女の愛憎を描く傑作心理サスペンス。 収録:キャンドル・サービス/背中/お引っ越し/たのしいわが家/口封じ/挨拶状/二人の思い出 解説:香山リカ |
感想 | |
書名 | 来なけりゃいいのに(祥伝社) |
内容 | 「仕事は半人前のくせに、口ばっかり達者になって」ベテランOLの多恵子は鬱々としていた。OA化に伴い仕事が減少、若いOLたちに疎んじられる日々である。が、そんな彼女を部長の一言が変えた。「彼女らを指導してやってくれ」俄然、発奮した彼女は活気を取り戻すが…(「春愁」より)。OL、保母、美容師―働く女たちの哀歓を描く傑作サイコ・サスペンス。 |
感想 | |
書名 | 風 紋(双葉社) |
内容 | |
感想 | 未読 |
書名 | 殺意…鬼哭(双葉社) |
内容 | 「殺意」は、加害者・真垣徹の独白で綴られている。内なる大輪の花に魅せられ、彼は殺人者になる。 「鬼哭」は、被害者・的場直弘の独白で綴られている。それは刺されてから死ぬまでの三分間の意識の流れ。 「おそらくミステリー史上、かつてない試みであろう。…エンターテインメントの域を遙かに超えた力業である」と評された異色作。 |
感想 | 未読 |
書名 | 5年目の魔女(幻冬舎) |
内容 | 三回鳴ってから切れる電話は、五年前私を陥れた“魔女”の復活の合図なのか?忌まわしい過去に決着をつけようと動き出した景子の周りに、あの女の影が現れては消える。あの女が幸せになっているはずがない。それは景子の心からの叫びだったが…。女性心理の暗黒に鋭く切り込んだ、サスペンス長篇。 解説:小沢瑞穂 |
感想 | |
書名 | ヴァンサンカンまでに(幻冬舎) |
内容 | 男なんかに左右されずに、自分の力で幸せになってみせる。密かに決意した翠は自分の中の「女」を使い分け、上司との不倫も同期との恋愛もうまくやっていけるつもりだった。でも、何かが違う…翠は日増しに苛立ちを募らせ、感情のバランスを欠いてゆく。 心理サスペンスの第一人者が、都会をしたたかに生き抜こうとする女の姿を描いた長篇小説。 解説:岡田幸四郎 |
感想 | 未読 |
書名 | パラダイス・サーティ(幻冬舎) |
内容 | 三十歳へのカウントダウンが始まった栗子と菜摘。二人は中学からの親友だが、結婚を夢見るOL、片やレズビアンのバー経営者、と全く違う人生を歩んでいる。ある日、菜摘を介して栗子の前に魅力的な青年実業家が現れ、同じ頃、菜摘も人生を共に歩めそうな女性と出会った。それぞれ自分なりの輝かしい三十代を迎えるかに思えたが…。<上巻> 親友栗子が愛する男の真の姿を知った菜摘は、彼女がこれ以上傷つかないよう、同時に自分の恋人をヤクザ者の夫から自由にするため、裏の世界に手を回したが…。 三十歳を目前にした栗子と菜摘は、深く傷つきながらも自分にとっての幸せを模索し、少しずつしなやかな逞しさを身につけてゆく。揺れる心理を緻密に描く、感動のサスペンス長篇。<下巻> 解説:白石公子 |
感想 | 未読 |
書名 | 結婚詐欺師(幻冬舎) |
内容 | 小滝橋警察署に勤務する阿久津は、31歳のホステスから、結婚を約束した男と急に連絡が取れなくなったと相談を受ける。彼女はその男橋口に大金を渡していた。彼は携帯電話、ポケベルを駆使して、色々な男になりすまし、言葉巧みに結婚をちらつかせて同時に何人もの女性から金を騙し取る、結婚詐欺師だった。阿久津たちの地道な捜査が始まった。<上巻> 橋口を追ううちに、阿久津は被害者の中に、かつての恋人美和子がいることに気付く。偶然を装って美和子と接触した阿久津は、彼女の口から橋口への想いを聞かされる。美和子さえも騙しきったかに見えた橋口には、しかし捜査の手が確実に伸びていた−。騙す男、貢ぐ女、追う刑事の息詰まる攻防を緻密な筆致で描ききった、乃南ミステリの代表作。<下巻> 解説:池上冬樹 |
感想 | 未読 |
書名 | 氷雨心中(幻冬舎) |
内容 | 山形の村から神奈川の造り酒屋に出稼ぎに来た敬吾。そこでは若くして死んだ敬吾の祖父の親友であった老人が杜氏をしていた。懸命に働く敬吾の姿が、老人に自分の許嫁と親友に起きた悲劇を蘇らせ、米が発酵する蔵で惨劇が繰り返される−。表題作他、提灯、線香、能面など職人の静謐な世界を舞台に、心の闇黒を浮き彫りにする、傑作心理ミステリー。 |
感想 | |
書名 | 悪魔の羽根(幻冬舎) |
内容 | 決して、天使なんかじゃない―。桜、梅雨、台風、雪…、豊かな四季が人の心を追いつめる。哀しみ、憎しみ、恨み、後悔―あらがえない自然の力に揺り動かされる、日々の営みの泣き笑いを描いた最新連作サスペンス。 収録: |
感想 | |
書名 | 夜離(よが)れ(幻冬舎) |
内容 | 結婚を控えた摩美と敦行は、突然失語症になった摩美の親友朋子を気遣い、熱心に世話を焼いた。そのかいあってか、朋子は「劇的」に回復する。だが、挙式当日、祝辞に立った朋子の口から出たのは…(「祝辞」)。「私だけ」の幸せに目が眩んだ女たちの、嫉妬、軽蔑、焦燥、憎悪が渦巻く心の内を残酷なまでに鮮やかにえぐり出す、傑作心理サスペンス。 収録:4℃の恋/祝辞/青い夜の底で/髪/枕香(まくらが)/夜離れ 解説:酒井順子 |
感想 | 未読 |
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