服部まゆみ |
1948年10月14日東京生まれ。現代思潮社美学校卒。
第7回横溝正史賞を「時のアラベスク」(87)で受賞。
幻想小説作家を執拗につけねらう何者かの魔手を、ヨーロッパを舞台として描いたこの作品では、曖昧なヴェールに包まれた迷宮という彼女の世界が既に確立されていた。
西洋屋敷で起こった毒殺事件を扱った「罪深き縁の夏」(88)や、幻想味の奥に切れ味鋭いトリックを隠し持った短編集「時のかたち」(92)などで服部ワールドを着々と構築していった彼女は、96年に「一八八八
切り裂きジャック」という長編を世に送る。
題名が示すように切り裂きジャック事件の頃のロンドンを舞台として、日本人の医学生と美貌の青年探偵を中心に、北里柴三郎やエレファント・マンを配したこの物語で、19世紀のロンドンを見事に描き出し、その上で例の事件に新たな解釈を示して見せた。
直木賞候補となった98年の「この闇と光」は、「光の娘」と呼ばれる姫君を襲った数奇な運命を描いた作品。中盤で明かされる大仕掛けが衝撃的である。帯が本の大半を覆うという装丁の美しさも特筆に値する。
我が国では珍しいほどゆったりとしたペースで耽美的な色気に満ちたミステリーを発表し続けているその文章と作品世界は、作家達の支持も多く得ている。
書名 | 時のアラベスク (角川) |
内容 | 東京、冬。出版記念会の席上に届けられた一本の真紅の薔薇から、惨劇の幕が開く。 舞台は、ロンドン、ブリュージュ、パリを経て、再び東京の冬へ。相次いで奇怪な事件が続発し、事態は混迷の度を深めていく。 精緻な文体と巧妙なトリックを駆使して、人生の虚飾と愛憎を描く、本格長編推理。 第7回横溝正史賞受賞作。 解説:戸川安宣 |
感想 | 未読 |
書名 | ハムレット狂詩曲(ラプソディ) (光文社) |
内容 | 『劇団薔薇』新劇場のこけら落としで、「ハムレット」の演出を依頼された、元日本人で、英国籍を取ったケン・ベニング。ケンにとって、出演者の一人である歌舞伎役者の片桐清右衛門は、母親を捨てた男だった。ケンは、稽古期間中に、清右衛門を殺そうと画策するが…。様々な思惑の交錯、父殺しの謎の反転、スリリングな展開。結末は…真夏の夜の夢。 |
感想 | 未読 |
書名 | |
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感想 | 未読 |
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