阿刀田 高

 1935年1月13日東京生まれ。
 学生時代に肺結核を患った為、1960年に早稲田大学仏文科を卒業すると、体に余り無理のない職場として国会図書館の試験を受け、司書として就職した。
 やがて多くの本に囲まれる環境を生かして、雑文を書くようになり、在職中の11年間に10冊も本を出した。が、それに飽きたらず、60年代の終わり頃から小説の創作にも手を染め、PR誌などにショート・ショートを発表するようになる。
 しかし、本格的に文壇にデビューするのは70年代の半ば以降である。
 入院中に妻に裏切られた男の不気味な肖像を浮き彫りにした「冷蔵庫より愛をこめて」(76年)を始め、矢継ぎ早に完成度の高い短編を発表。
 78年、これらの作品を収めた同題の処女短篇集が刊行されると、その新鮮な「奇妙な味」の作風が注目を集めた。
 やがて、安らかに眠っている我が子がもしかすると別の子供かもしれないという若い母親の不安と恐怖をさりげない筆致で見事に描き出した「来訪者」(78年)で第32回日本推理作家協会賞を受賞、さらに、同短編を含む短編集「ナポレオン狂」(79年)で、第81回直木賞を受賞して、文壇的地位を確立した。
 これらの短編には、超現実的な夢と平凡な日常が奇妙に交錯している。
 血も凍る恐怖と甘く美しいロマンティシズムが、残酷さと優しさが、妖しい光と影を織りなしている。
 一言で言えば、これらの短編は江戸川乱歩の言ういわゆる「奇妙な味」の結晶なのである。
 そこには「あどけなく、可愛らしく、しかも白銀の持つ冷ややかな残酷味」「ヌケヌケとした、ふてぶてしい、ユーモアのある、無邪気な残虐」が色濃く流れている。
 作者自身、自分の小説観や作品の舞台裏を綴ったエッセイ集「恐怖コレクション」(82年)で、ジョン・コリア、ロアルド・ダール、ローラン・トポール、ロバート・ブロック、ラフカディオ・ハーン、レイ・ブラッドベリなどの作品への共感を語っているが、多彩な短編にはこれらの作家に共通する、奇妙な味、ブラックユーモア、怪談などの諸要素が複雑に入り交じっている。
 そして、「冷蔵庫より愛をこめて」、「過去を運ぶ足」(78年)、「ナポレオン狂」、「食べられた男」(79年)、「瓶詰の恋」(80年)、「マッチ箱の人生」(81年)、「最期のメッセージ」(82年)、「危険信号」(83年)、「迷い道」(85年)、「真夜中の料理人」(86年)、「妖しいクレヨン箱」(88年)などの短編集には、こういう独特の資質が見事に結晶しているのである。
 この他、トラベル・ミステリー風の「異形の地図」(82年)、ホラー感覚の「恐怖同盟」(87年)などミステリーのジャンルに入れてもおかしくない連作短編集がいくつかあるが、これらの中で異彩を放っているのが連作短編集「Aサイズ殺人事件」(79年)である。
 この作品には安楽椅子探偵として妙法寺の和尚という人物が登場、8つの事件で本格的な謎解きをするのだが、このように名探偵が謎を解く本格ものは数多くの作品の中でもこの作品だけである。
 ユニークな短編作家として出発した後、長編にも手を染め、奇怪な黒い箱に翻弄される男を描いた「黒い箱」(86年)、ミステリー・ロマンとも言うべき味わいの「霧のレクイエム」(88年)などの作品を刊行している。
 豊かな知識、教養の持ち主だけに、長編の持ち味は様々な愛の形を描く現代小説や、歴史小説、評伝など幅広いジャンルで発揮されており、トロイア戦争に絡む壮大な人間ドラマを描いた長編歴史小説「新トロイア物語」(94年)で95年に第29回吉川英治文学賞を受賞。93年〜97年までは日本推理作家協会理事長も務めた。



書名 夢判断 (新潮)
内容  
感想  
書名 早過ぎた予言者 (新潮)
内容  太古のバビロニアに1人の予言者がいた…。古今東西の物語に材を得た12の華麗な短篇。
感想  
書名 だれかに似た人 (新潮)
内容  人生のさまざまな分岐点を、その都度どちらへ行くか決断しながら通過してきた男と女。湖畔で偶然出会った二人は、またもやある決断を迫られる…(「Y字路の街」)。おとなしい新妻は、しかし閨房に入るとかたくなに夫を拒んだ。彼女の精神外傷とは…?(「無邪気な女」)だれかに似ているが、だれとは特定できない男女の物語。短編の名手による精妙なトリック・ミステリー10編。
感想  
書名 食卓はいつもミステリー (新潮)
内容  
感想  
書名 危険な童話(新潮)
内容  「おばちゃまの目はどうして、そんなに怖く光っているの?」「それはお前を殺すためだよ」…不意に暗転するメルヘンの世界。人間心理の狂暴な衝動を描く表題作。同級会で40年ぶりに会った男が1500万円もの大金をポンと貸してくれるというのだが、その真意は?―「茜色の空」。怠け者の女と結婚した男が女のためにした最後の仕事とは?―「女に向かない仕事」。夢と戦慄の全10編。

 収録:茜色の空/夜の散歩人/涼しい眼/法則のある死体たち/戻り道/女に向かない仕事/窓の灯/越前みやげ/蛇/危険な童話
感想  
書名 他人同士(新潮)
内容  心から愛せる女性に初めて巡り合い、幸運にもその直後に妻が姿を消した。でも、どうして?「考えてみると昔から幼稚園の先生が大好きだった」ちょっと気弱な男が、それがためにじわじわと恐ろしい結末へ追いつめられていく「粘土の女」など10編。旧知のはずの友人が、恋人が、妻が、突然他人となる日、阿刀田ワールドの扉が開き、見えない罠があなたの足もとに口をあけます。
感想  
書名 恐怖同盟(新潮)
内容  恐怖は人間の最も古くからの感情だと言われている。真っ暗闇の中で野獣に襲われる恐ろしさを想像してみれば、容易に納得がいく。―頭をガンと殴られるような恐怖、気がつかないうちにじわりと効いてくる恐怖、ノドに刺さった小骨のようにしつこい恐怖、etc…悪夢と狂気のブラック・ワールドを描かせては当代随一の筆者が贈る連作恐怖小説集。「顔」「血」「鳥」「疣」「妖」「老」など10篇。
感想  
書名 あやかしの声(新潮)
内容  自分が他人に理由もなく怖れられる恐怖。自分が誰だか、どこにいるのか、一瞬にして分らなくなる恐怖。悪い予感が、次々と的中してゆく恐怖。夢に隠された自分の潜在願望が、次第に形をとってゆく恐怖。古い書物のつぶやきが耳を襲う、不可思議な恐怖…。手だれが繰り出す恐怖のメニュー11篇。
感想  
書名 花の図鑑(新潮)
内容  寺田麻美は美貌の女性だった。中座啓一郎はたまたま彼女を知り、婦人雑誌の記者だという麻美の魅力のとりこになってしまった。だが、独身の啓一郎には二人の恋人がいた。ひとりは千倉法子。彼女は画商を仕事とするキャリア・ウーマンで、啓一郎とは学生時代から関係が続いている。もうひとりは田川薫。スナック・バーのママだが、啓一郎は彼女の肉体に溺れていた。<上巻>

 法子や薫との関係は保ちながらも、啓一郎はますます麻美に惹かれていった。麻美は、遊びでは恋愛はできないという古風な女性だったが、啓一郎はついに彼女を沖縄旅行に連れ出すことに成功する。しかし、法子は二人の仲を感じとり、自分から去っていった。薫との仲もその頃はすでに終わっていた。そして、麻美からは意外な申し出が…。三様の愛を華麗に描く、阿刀田高の新境地。<下巻>
感想  未読
書名 黒い箱(新潮)
内容  黒い箱を抱えた男が空を飛ぶのを見たのが白昼夢の始まりだった。家に帰ると、妻が行先も告げずに旅に出てしまっていた。仕事部屋に行ってみると、見知らぬ女が勝手に上がりこんでいた。新手のコールガール?泥棒?それとも気がちがっているのか?―わけが分からないままに奇妙な黒い箱に翻弄された男の微熱を帯びた九日間。空想と現実のあわいに展開する本格ミステリー長編。
感想  未読
書名 異形の地図(角川)
内容  
感想  
書名 待っている男(角川)
内容  人は人生において、3回真剣に待つことがあるという。いつ来るか。いつ来るか―。男を待っている女がいる。女を待っている男がいる。大人の男女の微妙な駈けひきと打算。そこに、男と女の妖しい関係が見えてくる。不気味な恐怖とユーモア。阿刀田高が描く、男と女のこわ〜いお話。
感想  
書名 仮面の女(角川)
内容  国道沿いにあるコーヒー店。店の名前は絵里花。落ち着いた雰囲気だし、何よりもコーヒーが旨いので、店告代理店の編集部員をしている木原は、週に三度はこの店に通ってくる。木原はそこで、お坊ちゃん育ちの貝崎夫妻と知り合った。だが木原は、その美しい夫人と前に一度だけ会ったことがあった…。女性はいろいな顔を持っている。恋人の前、知人の前、他人の前で様様な役を演じている。仮面の下に隠された女の小さな秘密とは?阿刀田高のオリジナル・ブラックユーモア集。
感想  
書名 影絵の町(角川)
内容  ときめく恋、淋しい恋、情熱的な恋、せつない恋。〈おとこ〉と〈おんな〉。新たな〈恋〉のドラマが始まる時、夕闇という名の幕は、静かに二人の姿を隠す…。恋のドラマにあわせて、阿刀田高が奏でる恋の〈夜想曲〉。今夜の観客は、貴女ひとりです。
感想  
書名 ぬり絵の旅(角川)
内容  東京駅の地下道―そこで、岡島中彦は偶然、朋子と出逢った。八年、そう八年ぶりに再会した〈おとこ〉と〈おんな〉。それは同時に二人にとって〈ぬり絵の旅〉の再開でもあった…白地図をぬりつぶしていく旅、その旅の終着点に二人が見つけたものは、いったい何だったのか?旅路の中でくりひろげられる、甘くせつない、大人の恋模様を描いた、書き下ろし、恋愛物語。
感想  
書名 花惑い(角川)
内容  “―恋はいつから始まるのか―僕はいつもそのことを考えてしまう。”南十字星の下、出逢った一人の未亡人。六本木のディスコで知り合った自由奔放なもう一人のおんな。光と影、陽と陰―対照的なおんなたちの間で揺れ動くおとこ。花火のように終っていく夏。その中で、静かに密やかに燃えてゆくおとことおんな。切ない心の機微を描いた、おとなの恋の物語。
感想  
書名 消えた男(角川)
内容  誰だって、殺したい人間の一人くらいいるだろう。都会の薄闇にいざなわれ、さまざまな男と女が織りなしてゆく数々の嘘,夢,罪。そして心の迷宮に見え隠れする、ひそやかな殺意―。突然姿を消した男の行方を探る表題作ほか、つぎつぎと宿泊客が死んでしまうホテルの一室を描いた「自殺ホテル」など、男と女の間にひっそりと横たわる心の“逢魔が時”を描いた、ミステリー小説集。
感想  
書名 空想列車(角川)
内容  同じ列車に偶然乗り合わせた4人の女性。20代、30代、40代―年齢も境遇もまったく違う彼女たち。現在の生活に不満はないが、特別満足しているわけでもない。ただ、ほんの少しの願望を持っているだけ。その空想をそれぞれが想い描いている時、突然、列車事故で自分の空想が他人に取り込まれてしまった。ちょっとした出来事。それは、彼女たちの運命の歯車を少し動かしただけのようにみえたが…。男と女の不透明な時間〈上巻〉。

突然の列車事故で、頭や体をぶつけあった4人の女性たち。自分の空想が、隣りに、向いに座っていた人に取り込まれてしまった。終着駅で、別れた彼女たち。他人の空想を取り込んでしまったなどとは、夢にも思わずそれぞれが帰路に着く。ところが、日常生活の中から少しずつ変化が生じてくる。他人の空想を取り込み、人が歩むはずだった道を歩いてゆく彼女たちが、人生の終点で見るものはなにか?男と女の不透明な時間〈下巻〉。
感想  未読
書名 幻の舟(角川)
内容  魔性が宿る美しいものに、近づいてはならない。追い求めてはいけないと感じながらも、魔性にとりこまれていく…。信長が唯一安土城を描かせた安土屏風。欧州で行方知れずとなったその絵が、数世紀の時を超え現代に悲劇を呼ぶ。美に潜む魔を描く幻想小説。
感想  未読
書名 いびつな贈り物(集英社)
内容  幼なじみの敏子と偶然再会した大学講師の堀田は、彼女の不遇に同情するうちに、いつしか情事にのめり込んでいった。彼のイギリス留学でふたりの仲は終りを告げるが、その機会に堀田はある決意を固めた…。表題作「いびつな贈り物」など切れ味するどい男と女のミステリー6篇。
感想  
書名 冷蔵庫より愛をこめて(講談社)
内容  
感想  
書名 食べられた男(講談社)
内容  
感想  
書名 ナポレオン狂(講談社)
内容

 この短篇集全体に対して第81回直木賞が贈られた。収録されている「来訪客」は第32回日本推理作家協会賞短篇賞を受賞している。

感想  意表を突く結末やどんでん返しが盛り込まれた中身の濃い短編集。
書名 瓶詰めの恋(講談社)
内容  
感想  
書名 マッチ箱の人生(講談社)
内容  
感想  
書名 最期のメッセージ(講談社)
内容  
感想  
書名 ガラスの肖像(講談社)
内容  
感想  
書名 危険信号(講談社)
内容  美津子は幼いころからよく腹痛をおこした。それも肝心なときに。そして会社の同僚の並木から遠出のドライブに誘われたときも腹痛がおき,淡い恋は去ってしまった。結局並木は美津子の友人芳枝と結ばれたのだが、これには裏があった!人生の危険信号を軽妙に描く秀作集。
感想  
書名 猫の事件(講談社)
内容  貧乏なオレは考える。ラクに金を手に入れたい。だが犯罪となると、もとではかかるし、危険がいっぱい。名手のショートショート36編収録。
感想  
書名 風物語(講談社)
内容  中学時代、ほのかな恋ごころを燃やした美少女がいた。都会から田舎の中学へ転校し、再び都会に去った少女に対して、少年は1度だけ直接話しかける機会があったが、結局何も話せない。そしていま、30年ぶりの同窓会で男は女にそれを語ってみると…。時は風、風は人生―さまざまな人生の哀歓を巧みに描き出す大人の寓話集。
感想  
書名 迷い道(講談社)
内容  子供の教育、ローンの重さ。妻とのいさかいの根が絶えない中年の夫が、ふと心に思うのは、何かいいことが起こらないものか。それは人生の迷い道の途上につきものの心理…。そして、あるとき、夢のような好状況が訪れる。だが辿ってみると道の先は?短編の名手が、なにげない日常からとり出してみせる人生の恐怖譚10話収録。
感想  
書名 真夜中の料理人(講談社)
内容  北国から友人が送ってくれた鮭をめぐり、折り合いのわるい夫婦の対立が深まる。肉好きの妻、魚好きの夫、日常の不平をつのらせる妻、日常あたまの上がらない夫。仕方なく夫は包丁を買い込み、深夜のベランダで鮭をさばくが…。人生の断面を巧みに描いて定評のある著者の、しみじみと怖い秀作11編。
感想  
書名 時のカフェテラス(講談社)
内容  喫茶店で見た油絵は、亡父が宝物にしていて高名画家の作に似ている。そこから回想はわが家の過去にと及ぶ。父の死、経済危機、姉による絵の売却、さらに姉の私生活の秘密とその死。あの絵はわが家の人生のみならず、売られる度に幾多の人生模様を眺めてきた。人生での休息点「時のカフェテラス」を舞台に人間の哀歓を巧みに描く秀作集。
感想  
書名 妖しいクレヨン箱(講談社)
内容  
感想  
書名 猫を数えて(講談社)
内容  「独り者学校」の必須課目は「同音異義語」に「公平感覚」、「ソプラノと油絵」ならびに「恋の確率」。「ドメスティックな女」が「石とダイヤモンド」の「薄い関係」に「景子の家」で「猫を数えて」いたら気がついた…。阿刀田ファンおまちかね。男と女の愛のレッスン10教程。素敵な恋の成就が修了証の代わりです。
感想  
書名 奇妙な昼下がり(講談社)
内容  寄妙にねじれた人生のブルースを聴いてみませんか?ショートショート最新版。
感想  
書名 新諸国奇談(講談社)
内容  時と空間を超えて―奇妙な味の短篇旅行。該博な知識を駆使して描く世界各地の「不思議」。阿刀田ワールド、12の短篇小説集。
感想  未読
書名 霧のレクイエム(講談社)
内容  人影のない秋の軽井沢。そこで仁科洋子は男と出会い、恋に落ちた。語り合ううちに洋子は、男に悩みを洩らす。東京のマンションで不気味な隣人から恐怖を与えられている、と。男はやがて或る計画を持ちかけた。即ち交換殺人。そして事態は予想外の展開へ。哀愁と恐怖が交錯する、ロマンチック推理。
感想  
書名 Vの悲劇(講談社)
内容  スケッチ旅行といつわって親友の夫と逢う瀬を重ねる女流画家・安津子。日光霧降高原のコテージで待っているはずの彼は、クロゼットで冷たくなっていた。「V」ヴォラージュのかすかな香りを残して。だが安津子にはこの香りに幼い日に出会った記憶があるのだ。ブラックユーモアの名手が挑む本格長編推理作品。
感想  未読
書名 ブラック・ジョーク大全(講談社)
内容  
感想  未読
書名 一ダースなら怖くなる(文春)
内容  
感想  
書名 コーヒーブレイク11夜(文春)
内容  
感想  
書名 街の観覧車(文春)
内容  
感想  
書名 ミッドナイト物語(文春)
内容  あなたは気付いたことは、ありませんか?気味の悪い偶然の重なり、形をとらない悪意の棘、得体のしれない不安感…。あなたを怯えさせるそうした“何か”は、いつも突然、それも深夜に訪れる!恐怖小説の名手が時間をミッドナイトにかぎり、軽妙に描いた九つの怖いお話をあつめたのがこの本です。
感想  
書名 知らない劇場(文春)
内容  夜9時から12時まで、眠りに就く前の3時間に、あなたは何を考え、何をしていますか?名手が紡ぐ、9時から12時までの男と女の短篇連作10篇。都会のマンションで、郊外の瀟洒な住宅で繰り広げられる、熱愛、浮気、殺人、そして…。眠りに就く前の3時間、あなたは何を考え、何をしていますか?

 収録:散歩学入門/海を買う男/隣の女/妖しい鞄/愛の終り/夜はくり返す/高い窓/鍋とエレベータ/薔薇の扉/白猫アントワネット
感想  
書名 過去を運ぶ足(文春)
内容  
感想  
書名 明日物語(文春)
内容  短篇の名手が鮮かに紡いだ連作恐怖小説!昨日ではなく今日でもない、不確かな時間が待ちうける日、明日。平凡な人間のいとなみにふと忍び寄る思いがけない恐怖を描く連作二十話。

 収録:ホームタウン/剣の舞い/若い頭/内助の功/屋上風景/白い報酬/古い病気/母にそっくり/薪を割る男/嘘つき/天まであがれ/美貌の人/発明の母/夜の底/人形ぶり/狂言もどき/きれい好き/9合目の男/雪の夜/墓のある風景
感想  
書名 響灘 そして十二の短篇(文春)
内容  暖流と寒流がぶつかりあって、波が立ち、音をたてるという響灘。六年前に別れた愛人から電話をもらった男は、二日だけ休暇をとって、そこを訪ねることにした。―不思議な海が二人だけの景色となって騒いでいる―。再会した男と女の一夜を美しく描いた表題作と、家族をテーマにした連作短篇十二篇。

 収録:響灘/家族ゲーム/動物あわせ/消えた言葉/ここだけの話/猫を飼う/遊園地/御香典/市民感覚/男同士/秋の色/めぐりあい/野沢菜/花冷え
感想  
書名 東京25時(文春)
内容  恋愛していることとか、人を殺したこととか、そこを通ると一番心に強く残っていることを忘れるという忘れ坂…。男「忘れ坂があればいいと思っているの?」女「今すぐにじゃないけれど、近所にあれば便利ね」(『忘れ坂』より)。真夜中の向こう側、眼りかけていた10の殺意が静かにはじける男と女の25時―。
感想  
書名 やさしい関係(文春)
内容  ホームで見かけた夫婦らしい男女は、なぜか女ばかりが謝っている。帰りの列車で乗り合わせると今度は男ばかりが…(「勝子」)。病床の妻に頼まれて占いの本を探す夫。妻の妹に尋ねると、何やらいわくつきの本だという(「幸恵」)。さりげない日常の中から、男女の機微や人生の手触りを鮮やかに掬いあげた好短篇集。
感想  
書名 箱の中(文春)
内容  犯罪者として警察に追われる放蕩息子の身を案じ、別れた妻の家を訪れた男が見たものは睡眠薬の小瓶、大型の電気鋸、そして二つの大きなダンボール箱。一体なにが起こったのか、そしてあの箱の中身は…。表題作ほか、選りすぐりのホラー小説全十篇。
感想  
書名 不安な録音機(中公)
内容  
感想  
書名 東京ホテル物語(中公)
内容  東京のシティ・ホテル。ファッション感覚で選ばれる都市の非日常的空間。今日も男と女が出逢い、そして意外な結末が訪れる。客室、フロント、ロビー、レストラン、ティー・ルーム、ドラッグ・ストア…、ホテルのそれぞれの場所で進行する人生のドラマを、絶妙の切口で語る、愛の連作12話。
感想  
書名 面影橋(中公)
内容  どこか罪の匂いのする思い出―歳月がすべてを美しく洗い流すせいか、過去は懐しくかすむ。あの橋を渡ればよかったろうか。甘い思いが胸をつつむとき、何かが起きる…。愛の連作12話。

 収録:ちらし鮨/白い朝/毛糸玉/たたずむ人/星空/船と少年/鯉/鷲羽山まで/泣き売り/銀婚式/小春日和/数え歌
感想  
書名 夜に聞く歌(光文社)
内容  入院中の長男を見舞う絹子。その姿を竹林の中から見つめるどくろが一つ。どこからともなく聞き覚えのある歌が流れ、絹子の記憶の底から、あの男の言葉が甦える…。(「骨」)死んだはずの昔の女。突然、蒸発した学生時代の友人…。短編の第一人者が描く一文字題名の魔訶不思議な世界。
感想  
書名 愛の墓標(光文社)
内容  何度か関係を持ったことのある女性部下の披露宴でスピーチする男、十数年前に一夜の恋におちた男の正体を知らされた女、見るだけで妊娠を言い当てる特技を持つ男が妻に抱く不安。男と女の場面は、一見甘くソフトでも裏には複雑な心理のズレが…。12カ月の四季の中で語られる愛と恐怖の世界を描く異色の小説集。誰の背後にも「愛の墓標」は横たわっている。

 収録:微笑/エックス氏/醜い顔/匂う男/薄闇/噛む女/裏通り温泉/揺れる眼/親ゆずり/心がわり/夜の声/視線
感想  
書名 朱い旅(幻冬舎)
内容  記憶の奥底に揺らめく見知らぬ男の影。春になると蠢く不気味な衝動。過去から突然届く父の論文…。私は一体何者なのか。ギリシア、萩、そして鎌倉―。忌まわしい血の流れにおののきながら、複雑に絡み合う謎を追って、私は長い旅に出た。人間が生きる「運命」の根源を問う、会心の書き下ろし長編小説。
感想  未読
書名 怪  談(幻冬舎)
内容  「怪談」「耳なし芳一」などの名作で名高い作家・小泉八雲(=ラフカディオ・ハーン)。その墓前で謎めいた女性に出会い恋した恒一は、彼女とともに八雲の足跡を辿る旅に出る。八雲の作品を読み返し、焼津、松江、そしてマルチニーク島へ…。過去と現在を往還する旅の果てには、何が待っているのか。「現実」と「物語」が交錯する傑作長編小説。
感想  未読



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