母の思い出

 

<おばあちゃん、誰と話してるのかなー>


私が子育てをするようになってから、順子さん(私の母)に私が小さかった頃の話をよく聞くようになった。順子さんも忘れていたことを思い出すようだ。

私が生まれたあと初めてひとりで外出したときのことを話してくれた。私が2才半、弟が1才のときに、初めて父に見てもらって出かけたそうだ。バスと汽車(なぜか電車でも汽車と言う)を乗り継いで行った先は小倉の靴屋さん。小倉は北九州の渋谷みたいなところ。

9800円の黒い靴と7800円の茶色の靴を買ったそうだ。当時、出産費用が3万円、今は35万円くらいなので、だいたい12倍くらいになっている。とすると靴は今なら12万と9万だ。

9800円の靴は今でも履いていると言うので見せてもらった。私も何度か見たことのある靴、いつもきれいに磨かれていた特別扱いの靴だった。ちょっと涙ぐんでしまった。7800円の靴はヒールがなくて履きやすかったので、もう履きつぶしてしまったとか。

今ならとても共感できる。お母さん、育ててくれてありがとう。

 

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