2002年03月13日
I希望の光が見えそうな今年のメモリ業界
どーやらDRAMベンダー各社は最悪の1年を切り抜け、市場が好転し始めたと考えているようです。
景気が底を打ったかどうかはともかく、需要と供給のバランスが取れたらしいので、昨年一年間のよーなメモリ価格の暴落は今年はおそらく起こらない、ということでしょう。
昨年一年間はシェア追求のあまり(もしくは売れなかったということもあるのでしょうが)採算割れの状況で安売りした結果、体力のないベンダーが次々と撤退し、また大手ベンダーも生産量をしぼったことによって供給量が減少、またPC市場も回復の傾向が見えるということでスポットに流れる量も減少。
もともと秋葉原などで売られているメモリ(つまりDIMMですが)は、スポットというベンダーが作りすぎて余ったチップを売るマーケットのもので作られています。
このため市況の好不況の波や、需要と供給のバランス、果ては為替相場の影響までをうけるのです。
業界にとっては健全な経済活動(利益が出せるということ)ということでいいことなのですが、消費者にとっては底値をみただけに今の金額では変えない、という感じですよね(^-^;
2002年03月06日
次世代DRAM「DDR II」の状況 --JEDECのキーパースン、デジー・ローデン氏インタビュー
第2世代ダイの開発が進むDDR II --JEDECのキーパースン、デジー・ローデン氏インタビュー(2)
2006年のDDR IIIへの道 --JEDECのキーパースン、デジー・ローデン氏インタビュー(3)
DRAMは今後もパラレルインターフェイスに留まる --JEDECのキーパースン、デジー・ローデン氏インタビュー(4)
DDRI(現行のDDRSDRAMの規格以降のDDRII、DDRIIIについて、JEDECの方へのインタビューが載っています。
もともとDDRの規格のというのは現行のDDRIから始まってII、IIIと進んでいく行程となっていました。
ただintel社がPC内の信号のシリアル化にこだわったために一時期DRDRAM(そしてそれ以降のRDRAM技術)が次世代のメモリとうたわれたので、どーなるか危ぶまれましたが、intelがDDRに舵をきったことでその心配もなくなりました。
今後のDRAMがどのようになるのか興味がある方はご一読してみてください。
003年にはDDR333がメインストリームに 〜IntelがDDR333をサポート!?
現行のDDRの規格にはDDR200(DIMMではPC1600←もうほとんど見ませんね)、DDR266(PC2100)とそしてDDR333(PC2700)の三種類があります。
上の方の記事にもかいてありますが、DDRIとしてはDDR333までが規格化されて終了でしょう。
もちろん現在のSDRAMのようにメーカーがもっとクロック高周波まで動くことを保証して出ることはあるかと思いますが、あくまでそれは例外なのです。
もともとDDRSDRAMもベースのクロック周波数はSDRAMと一緒なのです(DDR200は100Mhz、DDR266は133Mhz)
これは簡単に言いますとDDRIという規格はクロック周波数の倍の速度でデータを出しましょうということなのです。
では次世代の規格であるDDRIIという規格はどーなっているのでしょう?
今度はクロック周波数の4倍でデータを出しましょうという規格になります。
そーするとDDR400が100Mhz、DDR533が133Mhzのクロックとなります。
さて、そこで現行のDDRI規格でクロック周波数を上げて166Mhzにすると、これはDDR333ということになります。
最近はプロセスの微細化によってクロック周波数が上げやすくなっていますが、それでも166Mhzというのはかなり早いです。
で、DDRIIを見ますと一番下の規格のDDR400はベースは100Mhz。
166Mhzのクロック周波数を実現できるDRAMベンダーはかぎられますので、データを今のDDRの2倍の速度で出した方が良さそうです。
またintelが当初DDR333をサポートしない(DDR266のサポートも当初しないという感じでしたし)とのことでしたので、非常にニッチな用途(OC用のメモリとしてとか)で終わるかと思われたのですが、ここにきてまたintelの態度が変わったようです。
DRDRAMの戦略失敗で懲りたのか、DRAMベンダーの意向を無視しなくなったようですね(^-^;
2001年12月25日
東芝の汎用DRAM撤退に見る日本の未来
東芝の撤退で,メモリ市場はどう変わる
DRAMの価格は上がるか、下がるか?
一時はinfineonへの身売り報道が出ていた東芝がついに汎用DRAMから撤退するようです。
売り先はMicron。
汎用DRAM業界で元気なのは三星とMicronだけですからね。まあ、順当といえば順当でしょう。
HynixもMicronと交渉しているようですし、近いうちに汎用DRAM業界は上記の2社体勢がほぼ確立されることとなると思います。
日本ではエルピーダや三菱、台湾でも数社まだDRAMを作っているところがありますけど、規模の面で二社に太刀打ちすることはできないでしょう。
で、これでどうなるかというとおそらく汎用DRAMの世界もCPUと同じような感じになると思います。
一時のintelのようにほぼ独占で値段が高止まり、ということはないにしても、今までのように投げ売りのような価格でメモリが購入できる時代はもう来ないでしょう。
利益幅が大きくなれば参入しようというベンダも現れるかもしれませんが、x86系のCPUベンダを見ても分かるように、いずれつぶされることになる可能性のが高そうです。
2001年12月04日
Hynix、Micronとの戦略的提携を検討
DRAMベンダの淘汰、その結果
DRAM業界の淘汰再編がいよいよ現実味を帯びてきたようです。
業界二位のHynixと三位のMicronが戦略的提携への話し合いをはじめたようですし、もしこの2社が事業統合となると現在のシェアでは1位の三星を抜いて一気に業界トップへと躍り出ます。
もともとHynixはシェアは大きいものの経営状態が危ないところでしたので、この戦略的提携はそのままMicornによる吸収合併になりそうな気配です。
かつては市場を席巻した日本勢も最近は影が薄いですし、このままDRAM業界は三星とMicronの2強だけが生き残れる時代になるのかもしれません。
もしそーなってしまうと今のように安値でDIMMを買える時代は終わりを告げるのでしょう。
2001年11月27日
「HynixはRambusの特許を侵害せず」――米連邦地裁が略式判決
[WSJ] Rambus訴訟でInfineonに再度の勝利
Rambus社がSDRAMインターフェースの特許侵害で訴えていたHynix(旧現代)とinfineonの二社との裁判ですが、どちらもRambus社側の敗訴となったようです。
もっとも地裁での判決なんでまだ確定したわけではありませんが、これでRambus社の未来にまたしても不確定要素が入り込んできたことになります。
この判決が高裁、最高裁でも支持されればRambus社は他のDRAMベンダーから特許料を徴収することができなくなります。
日本と違ってアメリカでは地裁での判定が100%ひっくり返ることはなさそげなので、この判決は致命的になるかもしれません。
すでにDRDRAM自体も斜陽の技術と化しはじめているので、Rambus社にとってのドル箱がもう無いわけです。
頼みの綱のintelもRambusにこだわることは諦めているようですし、このまま潰れてしまうかどこかの企業に吸収されてしまうのでしょうか?
SiSがP4用のチップセットを作るという久しぶりにいいニュースがあっただけに、Rambusにとっては納得しがたい判決でしょう。
このまま裁判を続けていくと思われますが、企業イメージ・財力ともども地に落ちなければいいのですが。
MicronとhynixがDRAMの供給量を絞ったことが如実に表れています。
スポット市場というのは供給が需要を上回ってしまったものが流れてくる市場ですので、供給が需要に近づいて余剰品が出なくなると
その煽りを受けてしまいます。
この結果秋葉原などでもSDRAMやDDRSDRAMのDIMMの値段が跳ね上がりました。
ただここにDRAMベンダーの思惑(赤字は出したくないがシェアも失いたくない)というのもありますので、この現象がずっと続くかというのは分からないところなのですが。
2001年11月15日
Intelが2003年の「Springdale」でDDR IIをサポート
intelがDDR SDRAMの次世代仕様DDR IIのサポートをすることになりそうです。
現在のDDR SDRAMはDDR Iという仕様に基づいて製品化されていまして、転送速度は333Mhz/Secまでの企画となっていて、それ以降の400MHz/SecなどはDDR IIという規格で定義されています。
このintelのDDR II対応チップセットは2年後に出るらしいので、DDR I自体は世に出てから3年ほど(実質は2年程度)で終わりになることになります。
もっとも現在でもPC133 SDRAMが残っている現状を見ますと、そうそうなくならないとは思いますけど(^-^;
しかし、そろそろSDRAMからDDR SDRAMへとメインメモリが切り替わらないと、だらだらといろんな規格のDRAMが散乱することになりそうですね(^-^;
いきなりDIMMの値段が大暴騰したようです。
MicronとHynixが128M SDRAMの生産を調整しているようなのですが、それにしてもSDRAM/DDR SDRAMともども供給過剰であることには間違いないのですからいきなり暴騰する理由が分かりません。
メモリ購入を検討されている方は、しばらく様子を見て、値段がどう動くのかを判断した方がいいかもしれません。
2001年11月13日
SiS,P4/RDRAMチップセット提供に向けRambusとの契約拡大
台湾SiS社がRambusとの契約を拡大したようです。
P4用DRDRAM対応チップセットの準備が着々と進んでいるようですが、本当に今更という感じです。
DRDRAM供給ベンダーも増えてきてませんし、AMD製のCPUはDDRSDRAM一色です。
P4もSDRAMが主流となりつつありますし、DRDRAMはすでにニッチな製品となっていると思います。
SiSはどーして今更DRDRAMなんでしょうか?
非PC部門にDRDRAMの活路を見出しているのでしょうか?
2001年11月01日
台湾SiS,RDRAM対応P4用チップセットをリリースへ
台湾のSiS社がペンティアム4用のDRDRAM対応チップセットを発売するようです。
intelのDRDRAMに対する態度が少し変化している現状にとって、Rambus社にとっては良いNEWSでしょう。
SDRAM用やDDRSDRAM用のチップセットに対し、現在intel1社のみが作っているDRDRAM対応チップセットの数が増えれば
高価といわれるDRDRAM搭載PCの値段が下がる可能性があるからです。
でもちょっと時既に遅し、の感が否めないですね。
ペンティアム4に関してはすでにDRDRAMだけしか搭載できないというわけではなく、SDRAM、そしてDDRSDRAMという風に選択肢が増えつつあります。
この状況でDRDRAM対応のチップセットが一つ増えたくらいではこの状況は変わらないような気がします。
Rambus社が次期メモリインターフェースとしてYellowstoneという技術を発表したようです。
メモリ帯域だけを見ると現行のDRDRAMの4倍ということでかなり高速な物であることが分かります。
でもこの技術が必要になる頃、Rambusメモリはあるのでしょうか?(^-^;
2001年10月16日
Intelチップセットロードマップ--2003年に「Springdale」と「ICH5」を投入
intel社のチップセットのロードマップから次期RDRAM用のチップセットが消えてしまったようです。
850系のチップセットはまだ続いていくようですが、それ以降はDRDRAMに変わってDDRSDRAM用のチップセットがメインを占めていくようになりそうです。
PCのメインメモリとしての現行DRDRAMはそろそろ命運が尽きようとしているように見えます。
いくらRIMMの値段が下がっても対応するチップセットが無ければPCには積めませんから。
2001年10月01日
サムスン、高速・低価格のRDRAMチップを開発
SamsungがRDRAMをより速く,そして安くする
三星が現状より高速で低コストのDRDRAMを開発したようですね。
来年第2四半期からの量産開始だそうです。
0.12umプロセスという微細化された最新のプロセスで作るようですから、現行のDRDRAMより小さく、そして高速で動くのだろうと思われます。
高速化に関してはDDRSDRAMよりもかなり優位な立場になるわけですから、あとはDRDRAM自体の信用をRambusがどう取り戻すかに普及の可否がかかっていると思われます。
このままだと本当にDRDRAMはP4用のハイエンドPCという市場に押しとどめられてしまいそうですしね。
IntelとRambusのクロスライセンス契約に秘められた理由
intelとRambusの広範囲はクロスライセンスの意味や隠れた理由などを筆者が推測しています。
こちらのほうはintelがPC内の信号のシリアル化に向けてDRDRAMをあきらめていないようなことが書かれています。
内容はややDRDRAMよりで、まだDRDRAMは終わっていない的な書かれ方をしています。
IntelがデュアルチャネルDDRメモリのPentium 4向けチップセットを計画
こちらのほうはintelがメモリに関してだけはバスのシリアル化をあきらめ、逆にバスのパラレル数を拡張するのでは?という話が乗っかっています。
こちらのほうはDDRSDRAMよりでintelは次のDRDRAM用チップセットをキャンセルし、主要メモリベンダーと策定中のADTのほうもDDRII/IIIとの融合に向かっていると書かれていますね。
2001年09月18日
米インテル,米ラムバスからSDRAM/DDR SDRAM向けを含め全特許をライセンス
米intelがDRAMベンダー以外で初めて米RambusとSDR/DDR SDRAMインターフェースを含むライセンス契約を結んだようです。
逆境が続いていたRambusにとっては渡りに船でしょう。
ただこれでintelがDRDRAMのチップセットに拘る理由が無くなったのかもしれません。
で、すこし気になったのが”クロスライセンス”契約であるということ。
Rambusは自社技術をライセンスして稼ぐIP企業なわけなのですが、その会社がなぜクロスライセンス契約なのでしょうか?
もともとクロスライセンスとは双方の企業がそれぞれの特許を使えるように結ぶ契約・・・・のはずです(^-^;
でもRambusはもともと自社で製品を作ることはしない会社ですので、あまり意味が無いように見えるのですが。
それとも自社技術にintelの特許技術を組み込んでいくということなんですかね?
まあintelはCPUがらみでいろいろ特許を持ってますし、またRambusにライセンス料が流れるみたいですから、ごく普通の契約なのかもしれませんけど。
でも私は一瞬intelがRambusを吸収合併する第一歩かと思ってしまいました(^-^;
2001年09月17日
DDR SDRAM対応Pentium 4用チップセットは市場を動かすか?
intel社はP4用にi845というPC133SDRAM対応のチップセットを売り出しましたが、事前の予想どおりDRDRAMを使うi850に比べて10%程度の性能低下があるようです。
もともとi845が発表された当時はDRDRAMがどうしようもなく高くて、SDRAMを使うことによるコスト低下分の方が性能の低下よりも重要だということでしたが、ここ1年〜半年くらいのメモリ価格の下落がi845の存在意義にクエスチョンマークを投げかけているようです。
もっとももともと今のPCはビジネスアプリケーションを使う上では十分すぎるほどのパフォーマンスがあるのでビジネス用途には少しでも安いもの、または実績のあるもの(SDRAMはもう5年ほどPCのメインメモリの座にとどまっていますので)ということでじゅーぶん価値があるとは思います。
さて、intelは次のチップセットであるブルックデール−DでPC2600もサポートすることにしていますが、このチップセットが出るのは来年前半。
少なくとも半年の時間的な空間があります。
この時間はサードパーティーのチップセットには大きなチャンスな分けで実際いくつかのチップセットベンダがDDR対応のP4用チップセットを発表しています。
このチップセットを搭載したシステムがDRDRAMと同等以上の性能をたたき出せばいいよいよDRDRAMの命運は尽きるかというところですが、今のところ製品の量産化まで進んでいるVIAのチップセットはintelとの訴訟問題もあり採用が進んでいないようです。
実際intelがどのように考えているかわかりませんが、P4の更なる普及を遅らせてまで訴訟するようなことなんですかね(^-^;
まあ、VIAは今までの経緯もあり、またintelに次ぎ世界第2位のチップセットベンダーであることからintelにとっての”優等生”じゃないからかもしれませんけどね(^-^;
SDRAMの値下がりはほぼ一段落したようです。
どこかのDRAMベンダーが大量にスポット市場に流さない限り。さすがにこの辺がしばらく底値が続くものと思われます。
今後下がる余地があるとすれば、256MB以上のDIMMでしょう。
DDRSDRAMに関しても同様です。
ただ気になるのはDRDRAMの値上がりですね。
世界最大手の三星品が少なくなってきたということは、いよいよDRDRAMから撤退しはじめたのでしょうか?
春先ごろのintelのDRDRAM推進に乗っかったメーカーでもあり、DRDRAMの最大の供給手であった三星の石が流通しなくなってきたということが少し気にかかります。
2001年09月12日
IntelがDDR266サポートを前倒し、次世代DRAM規格でもDDR系技術を採用か?
米intel社が再び次世代メモリの舵取りをDDRSDRAMへと切り替えつつあるようです。
一時期はメモリベンダの三星。エルピーダ、東芝とともにDRDRAM路線を堅持しますといっていたのですが、
昨今のDRDRAMの状況にほとほと愛想が尽きたのでしょうか。
もともと先ごろ発表されたP4用のSDRAM対応チップセットi845の後継としてブルックデール−GというDDR対応のチップセットを計画していたintelですが、当初はPC1600しかサポートしない、ということでした。
ですが秋葉PCHOTLINEや価格.comなどを見ていただければわかりますように、PC2100がほとんどでPC1600というのはわずかしか流通してない状況なのです。(PC2100とPC1600はSDRAMでいえばPC133とPC100に相当します。)
もちろんPC2100をPC1600として使うことはできると思いますが、これではあんまり意味無いですよね(^-^;
より高速に動くものなのに、わざわざスピードをおとして使わないと行けないということですから。
これはDRDRAMとの性能差(転送帯域←これが性能を表せるかというと?ですが)を考えてのことだと思われます。
(DRDRAMのPC800では1.6GB/sec、PC2100だと2.1GB/secとなりますので端的に見るとPC2100の性能いいように見えますし。)
それともう一つは、DDRSDRAMの規格に余りintelがタッチしてこなかった経緯があるのではないでしょうか?
高速品になるとどこそこのベンダでは問題ないけど、こっちのベンダのは動かない、ということがあります。
相性、といってしまえばそれまでなのですが、intelはこの相性の問題を解決する手間を掛けたくなかったのではないでしょうか。
ただこちらの方もJEDECに追加仕様という形で押し込みはじめているようですので、解決されるものと思われます。
次々世代のADTのこともありますし、intelはそろそろ本格的にrambus規格のDRAMをニッチ製品へと追い出し始めているのかもしれません。