正直の人 8月30日

川上弘美さんの「蛇を踏む」を読んだら、楳図かずお を思い出した。
彼女をプロの作家としてはどう解釈されるんですか、と 私が問いかけた相手は
11月に個展開催予定の 加藤 閑さんのパートーナー 魚住陽子さん。
芥川賞候補作家プロのものかきである。

ところが、隣りで 黙々と作品のリストの準備をしておられた先生が
楳図かずおの「半漁人」をみて、次の号が出ても怖くて 買えなくなったと
おっしゃった。(結局は全部読まれたらしいが)
思ってもない告白・・・

私の子供の頃 楳図かずお の登場は事件だった。
当然ひとりで お手洗いに行けなかった。

さて、加藤 閑さん、長年封じ込めてきた表現方法が ひたすら対象を見つめ
絵に置きかえる 細密水彩画に至ったのだろうか。
2年前、枯れ枝の水彩画を見せてもらって、時間も描ける人だな、と思い
展覧会をお願いした。

描かれた枝には枯れても拾われる理由があるはず。
野菜や根菜、花もあるが、案内状は落ち葉の中にころがる幼児用の靴の絵に
決まった。
タイトルは「一緒においで」

陽なたのぬくもり、枯れ葉の重なりなど 葉の一枚にも寄り添える気持ちになる
出色の一点。 晩秋の頃の展覧会です。
機会がありましたら、ご覧下さい。  

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会期:2009年11月19日〜29日(24日火休み

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