山 満代 の 本日休廊
第1回 東北の旅より <2009.06/29〜07/01>

6月末から3日間東北四県巡りました、バスツアーです。
ちょっと記憶に残ることを書いてみました。
混成41名。それぞれ魅力のある秋田、宮城、青森、岩手。風景は深く厳しく懐かしい。

前のシートに初老三人衆(笠置衆に似たおじいさんも)がいらした。
終始楽しそうで良い旅仲間なんだろうなと思って。

友と往く 東北の旅 予報は曇り
三人で シート一列 緑りの回廊


「中尊寺にて」


宿の食事は、山のものが中心でした。
今日の宿 名物は鍋 山菜づくし

バスガイドさん、子供の頃のおこづかいにイナゴをとって30円くらいになった話、
誕生日のメニューが年に1回の肉入りカレーだったと

御馳走の 肉入りカレーが 宝もの

秋田の角館 武家屋敷は緑の中でした。映画「たそがれ清兵衛」の
ロケの屋敷はその中の1軒 岩橋家と知りました。

武家屋敷 清兵衛の井戸 水はなく

「岩橋家の井戸」

ひっそりとした たたずまいで、柏の大木があり
桜より 柏の樹影 武家の知恵

「天然記念物 岩橋家のカシワ」

その観光地にアイスクリームを売るおばあさんがいて(何人も)
朝送り、夕お迎えまで一日アイスを売るそうです。

梅雨空に ババベラアイスは 店じまい
ババベラアイスの名称は、おばあさんがヘラでアイスを
すくうからとガイドさんに教えてもらいました。
(口の中でシュッととけて、だけどおいしさが残りました)


3日間でバス 約800km走りました。食事も含んで39,800円でした。
東北の 四県三日 サン、キュッ、パ
走りきて 梅雨空重く 東北路

「深い緑広がる東北の山々」

飛行機も乗せてもらって、温泉も浸かって ありがたいなぁ・・。
なお歌に季語は、入っていません。おしかりのないように。
つづきをもうちょっと書いても良いですか? 7月4日 夜


さてもう少し、
秋田名物に"いぶりがっこ"漬物をこの辺でも"こうこ=香のもの"といいますが、
それをまた薫製にしてあり究極の保存食、しかも一度にたくさん食べれません。

東北は いぶりがっこの 味がして
生活と共にある食材は旅の楽しみです。


「奥入瀬渓流」

翌日は十和田湖へ。高村光太郎の最後の作「二人の乙女像」が
昼でもほの暗い湖畔に

一人では さみしかろうと 乙女像


泊まったホテルは
クーラーなし 東北の宿 夏まつり
来月の夏まつりのフィナーレと共に短い夏が終わるそうです。

最終日は太平洋側リアス式海岸の北山崎、浄土ヶ浜へと深い山をバスはひた走り
鳴き泣きて 浄土ヶ浜も 海猫も


三日目となり画廊のことが頭をよぎって
まよいつつ 画廊休みて 旅三日


さて、お天気は予報では三日とも傘マークでしたが
東北の 空見ることなく 傘二本
と、雨に降られませんでした。こちらも少雨なのか、と心配に。

帰りは夕刻 花巻空港から。見送ってくれたのは

遠ざかる 花巻の空 梅雨霞
一時間余りで名古屋のネオンの海に戻ってゆくのです。


昨年他界した母も同じくらいの年に東北を旅しています。わずかな餞別を
渡したら、旅の終わりにそのまま返ってきました。 「このお金はいっしょに
東北を一周しました。陸中海岸も素敵でした。十和田湖もきれいでした。
お金もきれいきれいとよろこんでいました。おわかれするのが かわいそうで
そのまま山家に返します。と、メモが入っていて

戻されし 餞別の文 母のこえ

どんな小さな旅でも、初めて会う人の普段の日を思ってしまう。
ちょっと古いバスでハンドルを握ってくれた運転手さん。
ギアノブの 手編みのカバー すり切れて
お守りのようでした。

添乗員さん 来週は中国の日食ツアーだそうです。
事故なくてあたり前、きびしい仕事です。41名をまとめて

約束は ちゃんと聞きます 我ら生徒


連れの 夫 弘之は19才の時に仲間と10日間ドライブしたそうです。
行く先々で、しきりと記憶をたぐり寄せていました。

日本は、高度な異文化の集合体。機会を得てまた出かけたいと思う。7月5日 朝


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