「ねえねえ、ヒロミ聞いた?」
「何を?」
「ツーリングの話」
「ツーリングって、なんのこと?」
「誘われたの。」
「誰に?」
「彼氏の友達のタカシから。」
「大丈夫なの?」
「何が。」
「何がって、後で問題起きたら私知らないからね。」
「それより、そのツーリングなんだけどチョーダサイんだ。」
「えっ、なんで?」
「バイクなんだって。それもオフロードバイクって言うの?」
「えっ、あのセンスの悪いファッションで、しかも泥だらけになるのでしょ?」
「そう。」
「アケミ、止めたら。」
「う〜ん、でも私その彼氏の友達、タイプなんだ。だから行ってみようかな。」
「アケミ、あんたバカじゃないの?」
「だって、チャンスかなって思ってるんだけど」
「わかった、私も付き合う!」
「いいよ、悪いから。」
「いや、私も行ってアケミの彼氏とその友達を比べてみるから。もし今の彼氏の方がその友達よりいい人だったらアケミは元サヤだからね。」
「わかった、じゃ待ち合わせ、いつものペコマエで19日朝8時ね。」
「OK。」

「アケミ!何この人達オヤジばっかりじゃん。」
「しっ、聞こえるよ。」
「それに本当にダサいセンス!」
「それよりヒロミ誰の後ろに乗る?」
「もう誰でもいい!サイテー!」
「それじゃ私、タカシの後ろに乗せてもらうから、あとは適当にね。それとこれトランシーバーなんだ。メット被っててもOKだし、両手ふさがってても話できるからヒロミも使って。」
「わかった。」

「テスト、テスト。アケミ聞こえる?」
「チョー最高!気持ちいいっ!」
「(アケミも今のうちだけなのに・・・)」

「ぎゃ〜!アケミ何これ!死ぬ!私、帰る!」
「ヒロミ、何言ってるの。やっと林道に入ったばかりなのに。タカシなんか私がいること忘れたみたいにして『くそっ』とか『うりゃっ』とか声出して、でもすんごく嬉しそうだよ。」
「アケミ、帰ろ!あっ、また砂利だ、ぎゃ!アケミ、前から石飛んでくる!!痛いっ!」

「ヒロミ、スポーツドリンク飲む?」
「それより、この暑いのに、この人たちおかしいんじゃない?やっと休憩したと思ったらみんな愚痴は多いけど、嬉しそうだよね。」
「私も、何好きこのんで、深い砂利だらけの道とか、直線には大してまいてないのにコーナーに来るとばらまかれてる砂利とかあるような道をわざわざ走らなきゃならないんだろうと思ってるんだけど、そのかわりタカシの背中に胸押しつけて前に手回してしっかり抱きついてるからちょっとシ・ア・ワ・セ。タカシもチョー嬉しそう!あっ、また私に手振ってる。」

「アケミ、聞こえる?」
「聞こえるよ。」
「前で誰か転んでるよ。」
「誰?」
「usagiって人みたい。なんかバイクの下敷きになってるみたい。」
「私たちもすぐ行くから。」
「あっ、K島さんって人が助けてるよ。」
「追いついたけど別に大丈夫みたいね。」
「うん、ケロっとしてるよ。こんなこと当たり前なのかな?」

「ヒロミ、ヒロミ。後ろにいたGONTAさんて言う女の人、ガシャって聞こえたから戻ってみたらやっぱり転んでたよ。」
「私たちも戻ったほうがいい?」
「大丈夫みたい。でもカナリ疲れてるみたいだよ。」
「暑いせいもあるんじゃない?」


あっ!!ウザイ。ウザイ、ウザイ!
こんなふうに書いてたらだんだんいらいらしてきた。

私ごとで言いますとバイクの下敷きになったとき左大腿部を打ちまして、その後みるみる走りに精彩を欠きました。
帰ってからも2〜3日は**喪失の女の子がホテルから出てきたときの歩き方(お前は女か!?)みたいになりました。
やはり私には月形は鬼門でしょうか。

GONTAさんも親指を強打していたみたいで帰宅後ブス青くなってきたようです。
コケ癖が付いてるような気がします。


メンバーの皆さんもホームページに自分の写真を大きく掲載したいときはやはり立派なコケ方をしてもらわなければなりません。
我こそはと思う方は是非カメラマンのいる前で派手に派手にお願いします。