空知彷徨一泊ツーリング 平成18年9月9〜10日 by 温泉魔神
作戦前に交わされた司令部との交信記録
●将軍様
8/8/28 08:30 遊撃戦司令書投函ノ予定
ナヲ近郊ニ於ケル作戦ナレハ部隊ニヨリテハ 9/9 ノミ或ハ 9/10 ノミノ出撃モ可トスルモノナリ加ヘテ傷痍兵部隊ニツイテハ四輪車ニテノ出撃並ビニ夜間飲食戦闘ノミノ作戦ヲ許スモノナリ軍議ノ内容ニツイテハ下記暗号ニヨリテ掲示板ヲ確認スヘシ
○湖西地区挺身先遣隊長
チェックメイトキング・・こちらホワイトルーク・・報告します @偵察中に捕らえた林道ライダーの証言では博物館から入る林道は進行可能・・A3つの滝から道道の途中に出られそうですB国道方面ではハウスヤルビ地方の川の上流の分岐からパンケの湯方面に出られます。
●将軍様
二人組の日本人林道ライダーを拉致監禁拷問したとのこと、ご苦労であった。自白から得た情報その他を総合すると、湖〜ダム〜ハウスヤルビ〜パンケの湯〜3つの滝という遊撃戦が浮かんで来るがどうであるか。
○湖西地区挺身先遣隊長
恐れながら申し上げます。3つの滝からパンケの湯の間には峻険な山と千尋の谷が控えており大変デンジャラスな林道につき油断は禁物でございます。
●将軍様
知っておろうが、シティー・ライダーたる30's札幌組はアタックツーリングを不得意としておるのじゃ、「とりあえず進入するけどあんまりハードなら引き返すぞ作戦」で、あちこち林道を覗いて歩くツーリングになると心得よ。
○湖西地区挺身先遣隊長
御意 仰せのままにいたします。もとより将軍様が行かれるならば、林道は栄光に満ち、花咲き乱れる地上の楽園となるでありましょう。 通信終わり・・
8月中旬に将軍様より「中山峠ツーリングの2週間後には一泊ツーリングの予定なので宿泊場所の予約等よろしくね」との指令書が届きました。おおっ・・あんまり時間がないぞ、慌てて湖の周辺に2つしかない宿に連絡を入れてみました。一軒目の宿は結婚式の宴会が入っており貸切とのこと。2件目のホテルは何人でもOKとのご返事でしたので7〜8人の見込みで仮の予約をお願いしました。まずは宿を確保。3年前に2年ほど湖近郊に住んでいましたが、日間走るほど林道のストックもないし、知っている林道も現在走れるものか心配です。
千尋の谷を覗き込みビビる挺身先遣隊 | 要塞突破を試みる挺身隊 会長危機一髪 |
やはり、偵察が必要でしょう。中山峠をさぼってKFFRのメンバーから有志を募り湖西地区挺身先遣隊を編成。決死の覚悟で湖の西方域を探検して回る予定だったのですが、謎のパンクや謎の疫病に次々と襲われ、さらに落ちたらお陀仏間違いなしの恐怖の谷を目の当たりにして戦意を喪失、残り半分の未知の林道を残したまま尻尾を巻いて撤退したのでした。
しかし、延長30kmの3つの滝林道の通行を確認できたこと、捕獲した現地人から有力な情報を聞き出せたことが収穫でした。
今回のツーリングの作戦は「あちこち林道を覗いて歩くツーリング」というもので、参加者は日帰りが3名と、もしかしたらプラス1名、お泊りが4名、うち1名は宴会のみ参加という小規模局地戦になる模様です。早速準備を開始しました。とは言っても酒を買いに行っただけですが。天気予報では1日目は晴れ、2日目は雨ということなので自走はやめて車載で湖のホテルまで移動し、そこからいつものスタンドに向かうこととしました。
6:00 に起きてバイクを積み込み 7:00 に家を出て 9:00 にホテルに到着、フロントに予約を確認してGSに向かいました。9:50 にGSに到着すると既に全員が揃っておりました。なんというか一種の掛け声か念仏みたいな「危ないからゆっくり行きましょう」を唱えて出発です。
いつもの橋に到着 | 今日のお宿の観光ホテル前 |
いつもの橋の上で全員の無事な姿(プカプカさん「将軍様と2役」・nackさん・K島さん・ナルさん・T橋Jrさんそれに私魔人)を写真に収めた後、また例の真言を口々に唱えて林道に突入です。K島さんのリヤタイヤは綺麗な坊主タイヤでハンデとしてはこんなもんかな?と思いました。それに後ろにいても石が飛んでこなくて「いいじゃん」と思っていましたが、後々大いなる勘違いであったことを思い知らされるのです。K島さんさんについて湖の管理所に到着2人の後ろは2stオイルの焼けるよい香りがします。
11:30 今晩お世話になるホテルで少し早い昼ごはんとなりました。秋だというのに日差しが強く店内はとにかく暑い! なぜか話題はパチンコでした。おおっ 意外なファンや名人の体験談になんと盛り上がること。1時間半ほども粘って外へ。
午後からは湖畔へ向かい、トンネルを越えたら林道へという手筈でしたが、私にはサッパリ道が解りません。幹事は先導するのだ!という将軍様のご指示なので、やけくそで適当に走りました。クルクル曲がる土の林道で、心細くなるような場所もありましたが見事地図のとおり道々に抜けることができました。
さて、本日の主戦場である3つの滝のある林道の入り口までは舗装道を移動します。入り口は道路工事中ではありましたが、難なく入り口ゲートまで侵入出来て、いよいよ「落ちたらお陀仏間違いなしの千尋の谷林道」へ突入です。皆さんにはくれぐれも落っこちないよう、無理しないようにしつっこく注意を喚起して先導役を勤めることとしました。
しばらく走ると何やら後ろから怪しいプレッシャーを感じます「ウワー怖い後ろから押さないでー」と言ったら、坊主タイヤのあの人が「なにビビッてるのー」と前に躍り出るとグングン突っ走って行きます「ウワー怖い引っ張らないでー」それから nackさん「後ろから押さないでー」サンドイッチマンになってしまった私は蝶々のようにヒラヒラとコーナーを抜けて行く坊主タイヤさんついて走ることになってしまいました。こちらが離れるとペースダウンし、追いつくと走り出すという恐怖の逃げ水走法です。きっとそのうち蜂のように刺すんだろなー。前を走る坊主タイヤさんをよく見るとコーナーの前からアクセルを開けていてリヤタイヤをスライドさせながら横向きでコーナーに進入しています。こんな怪しい蝶々について行ったらボラれて刺されて崖から転落だー! そういえば、後ろからのプレッシャーがなくなっているぞ??と思ったら、ガイドの注意をちゃんと守ってくれる将軍様、T橋Jrさん、ナルさんが次々と到着。さんはガソリン不足に悩まされておりました。現在位置からGSまでは約20kmほどあります。将軍様より化石燃料を節約せよとの厳命が下りましたので、この先は人生を踏み外さなくて済みそうです。
なんだか分からんけど道に出た | いざ!主戦場へ突入 |
「ここは何処なのだ」を連発!将軍様の勇姿 | 全員元気に1日目を終了 |
爽やかな湖の朝であります | こんな美味しい林道がまだまだいっぱい |
9:00 少し雲行きの怪しくなったホテル前でナイス爺様とお別れして、いざ林道に出発。博物館近くの入り口は捕虜の証言どおり、なんなく通過できました。夜に雨が降ったのか水溜りがたくさんあって避けるのが大変です。山に登るにつれて、道には穴や深いワダチが目だってきました。今年の大雨でかなり林道が傷んでいる感じです。それに木や雑草で見えないけれど、ここも落ちたらただじゃ済まない深い谷ですぜ。
おおむね頂上と思しき場所に出て小休止していると、突然バケツをひっくり返したような大粒の雨が叩きつけるように降ってきました。大慌てでカッパに衣替え慎重に山を下りて行きます。ますます林道は荒れてきて、とうとう林道が川になっておりました。
すわっ ピューケナイの悪夢の再現か!と思われましたが、それほど大規模な氾濫ではなく以外にあっさりとダムに到達できました。雨はやみましたが、なにやら怪しい空模様です。時間は10:30
少し早めですが天候と札幌までの行程を考慮してツーリングはここで解散となりました。
将軍様は高速で札幌へ、nackさんは新宅方向へ、私はGSで給油と洗車を済ませてホテルから車で帰宅となりました。けが人も転落車もなくめでたし めでたし。
目星をつけていた林道もまだ残っており、昨日と今日の林道をつなぐと結構面白いルートが出来そうな感じです。来年は近くに住居を構えるnackさんに期待大ですね。
・・・あれっ 渾身の1本がもうなくなっちゃったので、ここらで終了 ごちそうさまでした。