パックツアー            usagi

「はいっ!、一人3個まで」の声とともに、「うわー!」、「きゃー!」と悲鳴とも怒号とも言えないような叫び声が聞こえて声のするところに群がり、一万円札をひらひらさせている姿は異様であった。
それは小松市のホテルを8時に出発して15分もしないうちに到着した、人里離れたある念珠屋さんでのひとこまだった。
そこでサンプル攻勢が始まった途端、集まった人たちの目がランランと輝き始め、ほとんど催眠状態からの「はいっ!、一人3個まで」の声でした。
品物はパール(真珠)のネックレス。
女性の店員が「2万円を1万5千円」と言った一言に男性が小声で(しかも周りに聞こえるように)「言っちゃだめじゃないか」とたしなめて、その男性が「今回だけ。ここにいるお客さんだけ、お客さん達は運が良い、うちの店員が言っちゃった(2万円を1万5千円)んだけど本当は3万円を1万9千円でお願いしたかった。でも今回特別、1万5千円をさらに1万2千円までお値下げします。」
と同時に客がわっさわっさ集まってきたと思ったらまたその男性が「今日のお客さんは気持ちが良い!判りました、9千円、3万円を9千円までお下げします。」
そして冒頭の一言で、ほとんど
阿鼻叫喚です。
それを一部始終見ていた私も
「凄い!!あの店員達のトーク、本当に凄い!」
良い勉強させてもらいました。これが催眠商法なんだとつくづく感心しました。

もともと今回は、何年か前から白川郷を見たいという私の希望と、たまに私の兄貴にこちらから行って会ってみようという二点から母親も含めて3人で中部地方に行って来ました。
そのついでに飛騨高山や金沢まで足をのばすいわゆるパックツアーでした。
それが最低の旅行になるとは・・・。

救いもありました。
馬篭(まごめ)です。
ご存じない方も多いとは思いますが、
島崎藤村出身の旧中山道です。落ち着いた風情の何とも言えない雰囲気を醸し出す通りでした。
昔の人はこんな道を黙々と歩き、そして宿泊していったんだなと一人浸っていました。
そこで兄貴と落ち合い、久しぶりの再会を喜びました。

ただそこで母親の購入した日本酒の重いこと。
私の弟へのお土産でしたがリュックに入れて道中持たされましたが、当然お土産もそれだけじゃなかったし、途中肩に食い込むこと・・。
その後も母親は寄るところ寄るところお土産を物色していたのですが、さすがに私も
「もう勘弁してくれ、おふくろ」と泣き言を言いましたが。
馬篭1    (馬篭)    馬篭2

ところでそのお土産を購入したところが【槌馬屋】というお店で、藤村資料館も併設されていました。
            (槌馬屋)     槌馬屋
雰囲気が良く働いている人たちも明るくほのぼのさせられました。
五平餅朴葉寿司などおいしくいただきました。
皆さんも機会があったら是非寄ってみてください。

           高山    (高山朝市の近くで見た橋)
その後飛騨の高山まで行き、そこでパックツアーの人達と離れて兄貴を含めて4人でお寿司やさんで食事でした。
そこで食べた
白エビが印象的でした。シラウオのエビ版でしょうか。
甘エビよりずっと甘く、さわやかな味でした。富山では有名みたいです。
翌日
高山の朝市を見学しました。

そしてやっと白川郷へと向かうことができました。
やはり感動でした。なんと素晴らしいんでしょう。昔の日本人の知恵は素晴らしい。感嘆!
合掌造り(屋根が合掌しているように見えるところから付けられた)を考えた人の知恵ってすごい!
世界遺産のことはありました。
白川郷1 白川郷2 白川郷3
(白川郷)

白川郷を後にしてその日の夕方前には金沢に到着し、それからの行程は噴飯ものでした。
何故か金箔やさんへ寄り、そう何故かです。
金沢兼六園に足をのばしてそしてホテル一泊後朝8時慌ただしくバスに乗せられ出発しましたが、最初に行ったところが冒頭の念珠やさんで出発してものの15分で到着。
そして次に向かったところが九谷焼の店。さらに
東尋坊(とうじんぼう)で魚介の加工品の店。。
さらにさらに羽二重餅やさんと、なんのことはないお土産やさんの連続でした。

買わせる買わせる
、もうツアー会社の餌食です。
やはり安いパックツアーはこんなところで利益を回収しているってことでしょ。
お土産やさんのリベートなくして格安ツアーは存在しないし、成り立たないってことですんね。
バス2台に分乗した客はまた買う買う。あきれるばかりのエネルギー。圧倒されました。
金箔やさんで何を買えって?、九谷焼も興味がないし、羽二重餅はたくさん試食したけど、なんで旅行に来てまでパールのネックレス買わなきゃならないの?ってかんじです。

ただ
東尋坊は怖かった。
何がって、写真のとおり崖になっていて、写真を撮りに行くだけで足はすくむ、膀胱はきゅっと締め付けられる、手のひらは汗ばむ、高所恐怖症でなくとも怖い。
最後に
永平寺で締めくくりましたが、ここでもやっぱりお土産やさん。
東尋坊2     (東尋坊)     東尋坊1

結論、安いパックツアーにはやはり安いなりの理由があるってことです。
今回別に安くさせようと思っていたわけではありません。
それは安いにこしたことありませんが、たまたま希望の日のツアーを探したらこれだったので逆にラッキーな気分で出発できましたが、結論はやはり・・・。
私も懲りました。次行くときはフリープランで・・。
でも、親孝行はできたかな?

このツアーの話の次は、penguinさんの長崎の話でも載せたいな!   トップページ