旅の話その8 井川雨畑林道にXT250T滅す!?
1992(平成4)年5月23,24日(2日間) 走行距離:いつも不明
マシン:YAMAHA SEROW YAMAHA XT250T
(1日目)天候:晴れ後雨 宿泊地:井川湖上流
横浜〜沼津〜愛鷹林道〜富士〜清水〜静岡〜井川
今回の待ち合わせはター坊にとっては最高のロケーション,東名横浜(現横浜町田)ICである。何せ東名横浜ICはター坊の自宅からは20分足らずなのである。天気は晴天。9時半の待ち合わせだが,近いにもかかわらずやはりター坊はやってこない。遅れること45分でター坊到着。何でも荷造りに手間取ったとか。一路足柄SAを目指して出発となる。そもそも東名高速を使っての林道ツーリングは初めてのこと。東名高速の下り線の移動は何となく不思議な感じがする。大井松田からは左コースを進み足柄SAへ到着となる。富士山の眺めがなかなかの足柄SAには何と浴場まであるのだ。
東名足柄SA(富士山が美しい)
ゴルフへ行くのか温泉なのかは知らないが沼津の出口が渋滞しており,左をすり抜けて料金所へ進む。料金所のすぐ手前左側には静岡県警高速機動隊沼津分中隊があって,事故ったトラックなどが並べられている。たまたまその1台を見分していた隊員がおり,すり抜けを咎められてしまうが,シカトして空いている一番左の料金所へ。追いかけて来るでもなく,どうやら切符を切るつもりはなく脅しだけだったらしい。小心者は制服に弱いのだ。やれやれ。
高速出口から一般道を右折して高速沿いに少し戻り,長泉林道へ入る。富士の裾野を上り,ゴルフ場が終わるあたりで愛鷹林道となる。愛鷹林道は富士の裾野を巻くように進む林道で,なかなか走りやすく,また伊豆半島や駿河湾が一望できる気持ちのいい林道だ。
愛鷹林道(伊豆半島が見えるのだが写真では分からない)
愛鷹林道から富士市街地を抜け,1号バイパスへ出たところで昼食タイムとなる。昼飯時の作戦タイムにこれから渡る新富士川橋が国道なのに有料なのがけしからんという話になるが,1号旧道がかなり北にありタイムロスとなることから,仕方なく有料の橋を行くことにする。さて昼食後,橋の料金,自動二輪100円也を料金所で素早く支払うため,100円玉をグラブの裾近くに予め入れて準備万端の出発となる。程なく新富士川橋に差し掛かると,何と横断幕が掲げられつい○日前の○月○日(何日になってたかなぁ〜?)より無料化されましたとのこと。ラッキーッ!なのだがちょっと気が抜ける。せっかく100円を玉用意していたのに・・・。いつもの移動とはまったく違う,海,線路,高速が一度に全部見える景色の中を清水市内へと入り,美保の松原へちょっと寄り道。「羽衣の松」は何のことはない砂浜に生えた1本のただの松でした。(ただの松じゃなければどんな松だって?ウ〜ムムム)
清水からは150号で海沿いを進み,途中で静岡駅方向へ右折する。1号を横切って静鉄の新静岡駅付近でちょっと迷うが,何とか梅ヶ島方面への県道に入り,安倍川沿いに北上する。何だか雲行きが怪しくなりはじめ,井川湖へ向かう県道へ左折するころには空が真っ暗になる。ポツポツきたのでカッパを着込み,ちょっと進むともう本降りになった。雨の中,山間のクネクネ道を井川へと急ぐが,路線バスがちんたら走っていて閉口してしまう。
大井川鉄道の終点,井川駅を過ぎ,かつて井川が静岡市と合併する前は村(町?)役場だったと思われる建物がある部落で買い出しとなる。店が少なく八百屋っぽい店で食料はすべて調達することになる。椎茸のパックも買ったのだが,傷んでいるということでサービス(タダに)してもらった。東京へ電話をしたかったので,カードが使える公衆電話という意味で「緑の公衆電話,近くに有りませんか?」と聞くと,ちょっと戻った洋品屋の角にあるとのことなので行ってみると,唖然!あったのは確かに緑だが黄緑のカード電話ではなく,昔ながらの公衆電話の色(薄青緑?エメラルドグリーン?そんなの知らないって?!)をした赤電話と同じ形の10円玉が6枚まではいる電話だった。仕方なくありったけの10円玉を用意して,用件は何とか告げることが出来た。よくもまだこんな電話あったもんだ。さすがは山奥です。部落のはずれ近くの酒屋で酒とつまみの乾き物を入手し,野宿地を物色しながら井川湖上流へと向かう。湖畔にはテントが張れそうなところがなく,更に川の上流へ少し行った林道途中で川原へ降りることが出来る踏み分け道を発見。バイクは林道脇に置いて,荷物だけを持って
川原への急な道を降りる。川原はかなり石が大粒だが,もう戻るのも面倒なのでとっととテントを張って,宴会突入。あれ,雨が止んでいるではなか。もらった椎茸を含むキノコ煮などつまみながらどんどん飲む。その結果,ご酩酊となりテントに入るがター坊が来ない。「寝るよ〜!」と呼ぶと,「オッ!」とて手をあげたので,了解したと思いそのまま寝てしまう。ところがその後ター坊はテントの外で撃沈状態となっていたらしく,夜半過ぎにテントに潜り込んできた。それが寝ていても何となく感じられたのか,夜中に熊にテントの入り口を開けられて襲われる夢を見てしまった。ター坊がテントに入った直後に,どうやらまた雨が降り出したらしい。濡れなくて良かったですな。
井川湖上流のキャンプ地
(2日目)天候:雨後曇り
井川〜早川〜中富〜市川大門〜勝沼〜相模湖
カピカピの頭に雨音が響いている。ダメです。今日も雨降りです。うだうだとラーメンなどを朝飯に食って,やけくそでテントを撤収して出発する。井川雨畑林道山伏峠を越えて山梨県の早川町へ抜けるのだ。林道を登るうちに雨はどんどん激しくなり,完全に雲の中に入ってしまったようで視界はほんの僅かだ。近くでは雷鳴も聞こえているし,かなりスリルがある。バイクに落雷しまいかとビビリながら山伏峠に着くと,そこには施錠された踏切型のゲートがあって,脇もすり抜けられなそうである。仕方なく,荷物を降ろして,バイクをたおしてゲートの下を通した。荷を積み直して出発しようとしていると,静岡側からレオーネがやってきて残念そうに引き返していった。こういう時はバイクは便利?だ。
山梨側に入って雨は小降りになり視界は戻ってきたが,道が結構荒れていて,路肩が何カ所か崩落しており,またまたビビリの走行が続く。そして林道も終わりに近い,下りの傾斜が緩くなった林間の暗いコーナーの連続でそれは起こった。左のブラインドコーナーで前を行くター坊が何かに当たったかのように急激に止まってしまった。何だ何だとすぐに追いつくと,何と対向してきた真っ赤なCRM250と衝突していたのだ。相手側は3台でCRMが先頭,下のゲートが閉まっており誰も走っていないだろうとたかをくくって右コーナーでINに切れ込んで来たのだ。まったくアホな奴だ。衝突の状況は,まさに正面衝突で,まるで相撲の立会いのように,フロントフォークとパンドルバーでがっぷり四つに組んでしまったのである。双方とも体の方は何でもないようなのでとりあえず一安心。バイクはというと,CRMは無傷のようだがXTの方は古くなって硬化していたフロントのフェンダーが割れてしまった。相手が平謝りなのとXTが古いのとター坊が気がいいのとで,お咎めなしのその場示談ということになる。すぐに気を取り直して出発する。ちょっと行くと舗装になり,程なく踏切型のゲ
ートが現れた。ゲートは施錠されていたが,谷側の脇が甘く,難なくすり抜ける。
雨畑林道のゲート(XTのFフェンダーが無惨!)
雨畑湖に着く頃にようやく雨が上がった。早川町の人気のない県道を抜け,中富町から52号を富士川沿いに北上する。日曜で休みの酒屋の前で休憩となり,XTの被害状況を再確認してみると,地面は乾いているのにフロントのタイヤが接地しているあたりが濡れているではないか。調べてみるとホークのボトムのあたりからホークオイルが漏れていた。この後ダートを走る予定もないのでとりあえずそのまま帰ることにする。市川大門の食堂でカツ丼を食ってから,広域農道で勝沼まで行き,20号で帰路についた。
その後まもなくボーナスが出たこともあって,傷ついた老兵XT250Tは修理されることなく,XLR250BAJAの下取りとなってバイク屋に引き取られることになった。XTのリアタイヤは新品に交換してから間もなかったので,セロー用に抜け目なくいただいたのは言うまでもない。
XT250T,1983年式,走行距離2.2万km,井川雨畑林道(の事故が原因で)に滅す?!9年間ご苦労様でした。
この旅での教訓
たとえ林道でもブラインドのコーナーでは何が飛び出してくるか分からない。キープレフトと減速を心がけた方が身のためだ。(それでも不届き者がいると事故は起きる。困ったものです。)