旅の話その12 御岳は神の山だよ。大雨,パンクだ,タイヤが裂けた!

1993(平成5年)7月30日〜8月1日(3日間) 走行距離:不明(ダート長い)
マシン:YAMAHA SEROW225  HONDA XLR250BAJA

(1日目)天候:雨後大雨 宿泊地:王滝川畔
八王子〜岡谷〜牛首峠〜楢川〜木曽福島〜王滝

 中央道を一路岡谷IC目指し,超高速走行?(80km/h)で突き進むが,雲行きは怪しくなる一方である。茅野を過ぎた辺りからポツポツ降り始めたため,岡谷ICを目前にしながら諏訪湖SAでカッパ&休憩タイムとなった。カッパを着終わる頃には本降りとなり,岡谷ICを出るときには雨はかなり激しくなっていた。インター近くのすかいらーくで食事タイムとなるが,濡れた荷物を持ち込んでもイヤな顔一つされなかった。(超ラッキー!教育が行き届いているのでしょうか。)
 20号塩尻峠手前で勝弦峠へ進み,153号を左折してほどなく牛首峠方面へ右折する。雨の牛首峠は暗い感じの山道で気持ちも暗くなる一方である。激しくなる雨の中,19号に出て名古屋方面へ向かい,日義村で給油し木曽福島へと進んだ。木曽福島駅前で休憩兼作戦タイムとなる。雨は小康状態だが雲行きはかなり怪しく今夜はどうやらテント内宴会は免れないようだ。
 気を取り直して,御岳方面へ向かうはずが,右折する交差点を行き過ぎてしまいおっとっと,Uターン。王滝川沿いを進むが,もう雨の降り方が半端ではなく,まさに集中豪雨。道は川のようだ。なすすべもないままドロドロと御岳湖岸を進み,やがて王滝村の農協ストアで今夜の宴の買い出しとなる。レジのおばさんに「この雨の中でキャンプするのか。大変だね。」みたいなことを言われた。
 王滝部落のはずれの王滝川近くにテントを張ろうとしていると,中部電力のパトロールカーがやってきて乗っていたおじさんに,上流のダムが放流を始めているのでもっと川から離れた高いところに移動するように注意される。水位が上がっても十分な場所だと思っていたが,まだ死にたくはないので更に高い所へ移動する。
 堤防沿いの道の脇がちょっと広くなっている所にパッとテントを張って,テント内宴会となった。雨中走行の疲れからか酔いは回るが,増水してゴウゴウと唸る川の音とその水位が気になり,ご用足しの度に川の様子を見に行くも,夜半前には二人共撃沈とあいなった。

 大滝川沿いのキャンプ地


(2日目)天候:晴れ 宿泊地:下呂温泉はずれの渓流脇の公園
王滝〜真弓峠〜付知〜下呂温泉

 夜半過ぎには雨は上がったようで,昨日の雨が嘘の様に朝から晴天である。濡れた物などを乾かしていると,中部電力の昨日とは違うパトロールカーがやってきた。乗っていた人は「雨の中よくキャンプするねぇ。」のようなことを言って去っていった。
 乾燥にてまどい10時過ぎに岐阜県境真弓峠を目指して出発する。氷ヶ瀬で左折するはずが,間違えて少々手前で左折してしまい,謎の林道に迷い込む。御岳は見えるが,一向に峠は現れない。やがて,工事で行き止まりになってしまった。工事をしていた人の話では,よく真弓峠への林道と間違ってバイクが来るとのことであった。

 迷い込んだ謎の林道(右奥は御岳山)


 もと来た林道を引き返し,改めて氷ヶ瀬から左折し,ダートを真弓峠へと登っていく。しかし,やはり峠は現れず,またしても尾根の様な所で行き止まりになってしまう。ター坊曰く「途中に切り通しになった分岐があった。」と。ということでまたしても引き返す。少々戻った所の分岐を曲がってすぐにゲートがあり,真弓峠到着となる。ゲートの鍵はかかっておらず,開けて通り,元通り閉めておく。

 真弓峠のゲート


 峠からの下りは砂利が大きい上に深いので,走りにくいことこの上ない。深い砂利が切れた後は激しいダート走行が続き,やがて鉄格子のがっちりしたゲートが現れた。固く閉ざされてはいるが,脇にはバイクのすり抜けられるスペースがあり無事通過。
 その後舗装路になったが,セローのリアタイヤが何か変である。空気が無いではないか。パンクである。最初に現れた部落のはずれの道端で修理すべくリアホイールを外し,タイヤの片耳を落としてビードを起こしていると,なっ,何とタイヤの向こうから光が差し込んでいるではないか。タイヤはピレリのガラエンデューロだったので,ブロックの間が結構あいており,パンクに気付かずダートを走行したために,ブロックの間が裂けてしまったのであろう。リアタイヤを探すしかなさそうである。とりあえず,一服して気を落ち着かす。まだ午後2時だ。
 二人乗りするためにBAJAの荷を降ろそうとしていたとき,タウンエースのバンが下から登ってきた。運転していたおじさんはこれから付知の町中まで戻るそうで,付知にはバイク屋もあるという。乗せていってくれるというのでとりあえずリアホイールを持って,同乗させてもらう。ター坊は荷を降ろしてから迎えに来ることになった。おじさんの車には夏休みの孫も乗っていた。町に着くまで東京から来たことや昨日雨の中でキャンプした話などをする。15分くらいで付知に着き,バイク屋(サイクルショップハラダ)の前で礼を言い降ろしてもらう。
 バイク屋の主人に事情を話すと,18インチのオフロード車のタイヤはエンデューロタイヤ(BSのED02)しかないと言う。廃車か何かはないかと訪ねるが,そんなのはあるはずもなく,高くてもタイヤがなくては走れないのでそれを買うことにする。チューブは修理していると面倒なので,持っていたスペアを入れて組んでもらった。途中でター坊がBAJAで到着した。タイヤは定価(税別13,700円)だったが取り付け工賃はサービスしてもらった。出来上がったホイールを抱え,BAJAに二人乗りで戻り,急いでホイールを取り付けた。
 一服しながらの作戦会議の結果,今日中に木曽側に戻るのはやめて,下呂温泉でひと風呂浴びて,その辺で野宿地を探すことにした。下呂では共同浴場で疲れを取って,スーパーで買い出しをした後,飛騨川に流れ込む小さな渓流の上流に向かい,人気のない公園を見つけ,端の方にテントを張った。地域限定ビールから焼酎と飲み進み下呂の夜は静かに更けていった。しかし,昼間は本当にあせってしまった。さすが御岳,神の山だけあって,集中豪雨の次はタイヤが裂けて,明日は何が起こることやら。 

 下呂の渓流沿いの人気のない公園キャンプ地

(3日目)天候:晴れ
下呂温泉〜鞍掛峠〜大滝〜木曽福島〜塩尻〜八王子

 今日も天気は良い。下呂の町は祭りのようで何となく朝から騒がしい。早々に支度をして出発する。257号の舞台峠手前から左折して鞍掛峠へ向かう。ダートは長くはないが,厳しいコーナーの連続だし,ガードレールはない。石の多いガレっぽい路面では,セロ−の前輪が跳ねてしまい走りにくい。

 鞍掛峠から見た岐阜県側(よく見えないがコーナー手前を雨傘ディグリーが下っていく。)


 鞍掛峠(何故か展望台がある。誰が使うのでしょう?)


 鞍掛峠は岐阜県側に展望が開け,今登ってきたつづれ折りがよく見える。展望台のようなものがあるが,いったい誰が使うのか。長野県側にあるゲートは踏切型だが,施錠してあるので左側の脇をすり抜けることにする。50cm位の幅はあるがその外側は熊笹が茂っており,1m程下に小川が流れていて落ちればアウトだ。安全のため荷を降ろして,1台ずつを2人で慎重に通した。
 通し終えた所に長野側から荷物に長い雨傘をくくりつけたタイヤつるつるの福井ナンバーのディグリーが登ってきた。手助けして脇を通す。続いて岐阜側から美濃加茂からきたという荷物なしアルテイシアとDR250がやってくる。危ないから手伝うと言っているのに,アルテイシアは一人でゲートの脇に突入し,見事に失敗。アリャリャとバランスを崩して小川側に転倒。運良く熊笹の中に結構大きく上が平らな岩があったので横倒し状態で転落は免れる。4人で引き起こし長野側に通した。アルテイシアは重いね!続けてDRも慎重に無事通過。やれやれと一服していると,地元の車ライトバンがやってきて何やらタイヤレンチの様な工具をゲートの施錠装置に突っ込んで回し始めた。うーむ,こうやって開けるんですね。何となく作れそうな気もしたのですが・・・あの工具。

 鞍掛峠の長野県側のゲート(向かって左をすり抜けた)


 長野側の下りは締まった路面で道幅もあるのでハイスピードコースだ。釣りをするというアルテイシアとDRとは三浦貯水池の脇で別れる。三浦貯水池はちょっと不気味な感じの所もある。長い長いダートを抜けやっと滝越に着いた。やれやれ。天気もいいので滝越でしばしボーッとしたあと木曽福島へ向かう。
 木曽福島の町中にあるこきたない食堂で昼食をとっているとき,ター坊が「何かBAJAのリアタイヤの空気が異常に減るんだ。」と言う。点検するがパンクではなさそうである。またしても御岳の仕業なのか?途中で空気を補充しながら19号を塩尻へ急いだ。塩尻ICで中央道に入り八王子ICでさようならとなった。


この旅での教訓
 ・カッパがゴアテックスでも激しい雨中のバイク走行で使用すると,耐水圧を超えた使用状態となるので,雨が浸みてくる。
 ・いくらパンク修理の道具を持っていても,タイヤ自体が裂けてしまうと為すすべもない。(当たり前か?でも,スペアタイヤまでは持ち歩けない)


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