B級品とは

外観不良品です。
 宮古島でのパッションフルーツ栽培では、土壌に疫病菌がいるため、遅かれ早かれ病気が出てきてしまいます。葉っぱに斑点が出てきて、雨で流されたりしてこれが実の表面にも出てきます。表皮に斑点を出さないための対策のひとつが、農薬散布です。
 さかのファームでは、農薬を掛けると、後味が悪くなるなど食味が悪くなること、食べる人の身体にも良くないこと(作る自分の身体にも良くない)、などの理由から、農薬散布はしません。
 人間の病気でも、保菌者でも発病しない状態があるように、さかのファームではパッションフルーツの木に力を付けて、木が病菌に冒されていても美味しい実を付けるための対策をベースに、袋掛けなどしたり、いろいろと対策を講じています。それでも実の表皮に斑点が出てしまうものがあります。
 さかのファームのB級品は、色付きし完熟状態で落果したもので表皮に斑点が出てしまい、外観品質が悪いものをB級品としています。
 幸いなことに、パッションフルーツはリンゴや桃などのように皮が薄くないため、「表皮の状態が悪い=まずい」とはなりません。したがって、パッションフルーツは、表皮に斑点が出ていても、完熟品であれば、外観良品と味は変わりません。さかのファームのB級品は、こういう品質のものです。
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美味しいパッションフルーツの見分け方
は、ありません。
 外観から中身の味を知ることはできません。ただ、以下のことを知っていると味を考える参考になると思います。
 ひとつは、パッションフルーツ表皮の色が、黄色種と紫種に大別され、大まかな括りでは「黄色種=酸味が強く、甘味が弱い」「紫種=甘味が強く、酸味が弱い」ということです。しかし、パッションフルーツは、基本的に雑種なため、黄色種のメシベに紫種の花粉を授粉して出来た黄色実の種を播種すると紫色の実が付く苗が出来ます。この表皮が紫色の実の中身は、黄色種の性質を引いているため「酸味が強く、甘味が弱い」という傾向になります。名の知られているものでは「キングルビー」という、綺麗な艶のある赤紫色の大玉のものがあります。だから単純に「紫種=甘味が強く、酸味が弱い」とはいえません。
 ふたつには、収穫後の実の表皮の色が色付いてくるということです。味は、完熟実が糖度が上がり、変な後味がない状態になっていますが、未熟実では糖度が低く、変な後味が残ります。しかし、未熟実でもしばらく置いておくと色付いてくるため完熟実と見分けが付かない物が出来てきます。
 こうしたことから、外見は綺麗でもまずいパッションフルーツがあるのです。完熟実か未熟実かは、収穫している生産農家には分かります。
 したがって、美味しいパッションフルーツを入手するには、完熟実だけを出荷している生産農家のものを購入することです。
 みっつには、農薬を掛けたものは後味が悪くなるということです。食べた瞬間、甘味や爽やかな酸味が感じられても、それらの味わいが消えた後、口の中に苦みのような味覚がしびれるような、嫌な後味を感じるものがあります。農薬を掛けたものは、外観が綺麗でも、こうした後味の悪いものになることがあります。
 ところで、パッションフルーツの味について、さかのファームでは「甘味、酸味、香りの調和」ということで考えていましたが、これまで数多くのパッションフルーツを試食してきた結果「甘味がやや弱くても旨い」ものがあるように思えています。旨み成分として、グルタミン酸、イノシン酸が知られていますが、パッションフルーツにも何らかの旨み成分が含まれているのかもしれません。糖度が高く、旨み成分が豊富なパッションフルーツが、一番旨いのかも。
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