バイクの遊び方  その5   {the stage of a superhighway}
                      日付  1999/11/13(sat)
 
  今日は、土曜日なのに仕事になり、いやいやしていると
昼頃に友人から、本日に諏訪のユーペンに行くという連絡が
携帯に伝言で入る。 
仕事を済まし、「30分のサービス残業付き」18:00に会社を飛び出す。
すぐユーペンへ、予約のtelを帰りの車の中から、気にせずいれる。
「今月からは運転中の携帯は、禁止になっている」
予約が無事とれ、家に着くとすぐさま部屋にある、お泊り用の
スクランブルセットのリュックを肩にかけ、ヘルメットとグローブを抱え、
FJの灯を入れる。
一発で始動する。調子は良好だ。今日もたのむぞぉ…とタンクをたたく。
30秒の暖気後、近くのスタンドまで行きハイオクを満タンしてやる。
 


  18:40可児を出発する。BGMはZARDのREQUEST−M
を選定する。当然ながらCD−Rにコピーしたものだ。
中央道の多治見インターから高速に乗る。
  流入のランプを2速で走行し、本線に入ろうとすると
走行車線に、でかいロングのトレーラーが真横にいた。
現在の進入速度は約100Km/hだ。 流入路が残り100m強あり、
トレーラの後ろの状況がわからなかったので、ここで減速して
後ろに入るのは危険と瞬時に判断し、スロットルを全開手前にし事実上の
フル加速をする。2速全開はフロントがリフトしやすいので
高速では危険だ。以前に恐い思いをしている。
160Km/hまで加速し、難なくトレーラの前に合流をすませ、
手をあげてトレーラーの運チャンに、礼を送る。
やはり、土曜の夜とあって交通量が若干多い様な気がする。
ただ、トラック系が少ないのが救いだ。
 


  少しの間、110Km/hぐらいで走り、覆面のチェックと
マシンの状態をモニターする。  異常なしだ、ここで時計を確認する。
18:55、トリップは 015Km を示している。
  いよいよ遊びの始まりだ。 楽しい時間が過ごせそうだ。
集中力を上げ、テンションを高める。ミスは許されない。
ギアーを2つ落とし、スロットルをふかし回転をあわせ3速にする。
FJは3速だと、タコとスピードのメーターが同じ位置で
比例関係にあるので、回転を合わせるのに楽だ。
つまりスピードメーターの針が真上なら、タコの針も真上となる。
  追い越し車線に進路変更し、マシンが加速の状態に入った事を確認し、
一気にアクセルを全開にもっていく。
心地よいバンスの響きと共に速度を増していく。4,5速とシフトUPし、
ひとまず、220Km/hで加速を止め、後方の確認をする。
誰もいないぞ、よしよし。「何が、よしよしか、わからないが…」
  しばらくは、150Km/h前後のところでスピードメーターの針が
ダンスしている。 タコメータの方が7000rpmあたりで、かえって
安定している。 このくらいのスピードの巡航が快適だ。
スロットルの開度は、30%くらいだ。
  一部区間は、110Km/hぐらいでないと、通過できないカーブもあり、
しぶしぶスピードを落とす。


 


  しばらくすると、メインステージである恵那山トンネルにはいる。
多治見を出てから20分後ぐらいだ。
ここは以前に下り線でレコードの250Km/hを記録した、
最高速アタック区間である。
上り線は全体的に緩やかな上りになっており、不利な状況だ。
  全長が8500mあるトンネルだか、200Km/h前後で通過するため、
2分30秒ほどで通過してしまう。アタックのタイミングがむつかしい。
250Km/hは秒速にすると、69.4m/secだ。
  ふと思うのだが、あのスピードメーターは何で(Km/h)表示なのだろう。
秒速表示(m/s)の方が、実用的と感じるが、自分だけか。そうすれば
スピードの出し過ぎは危険だということが、分かりやすいとみるが。
  で、3秒後は208m先にいる。 追い抜く車両との速度差は150Km/h
以上になる。  止まっている車両のすぐ側を、150Kで通過するのと
同じことだ。 さらにこっちは動いているだけ余分だ。
非常に集中力が必要になるところだ。 が、その分気合もはいる。 

 


  ずーと200K 前後でトンネル内を流し、ラスト2Kmの
ところでアタックをかける。4速で9000rpmまでもっていき、
5速にUPする。220K,230K−と上昇するが上がりが鈍い。
上りだということと、バックミラーが車検用のままで、両側にあるのと、
若干エンジンオイルが多いのが影響しているのか、どうか分からないが
240Km/hのところで上昇が止まった。
そろそろエアークリーナーを替えなければと思う。
ふと気づくと出口まであと500mを切っていた。 すぐに後方の安全を確認し
フルブレーキング状態に入る。  ABSが前後で動作している。
トンネル出口で240Kから120Kに一気に減速しタイトなカーブを無事通過する。
やはり、速いわ…。
 


  飯田を越えてからは割合飛ばせるルートになる。  常速を170Km/hに
切り替える。 アクセル開度は、50%だ。
  気分良く流していると、SAからほぼ速度で飛び出して
来る車を確認する。 覆面のスクランブルかと思い、すぐ走行車線に移動し、
ブレーキランプを点けずに、100Km/hにダウンし様子を見る。
こういう時の為に、リアブレーキのブレーキランプは点かないように
改造してある。
ぴったり後ろに付かれ少々あせる。
さらに80Km/h「実はこれが中央道の制限速度のなだ」まで落とし、
先に行かせる。なんだ、普通のマークUだ、「ちぃっ」と舌打ちし、
ついでにしばしのインターバルをとる。巡航110Km/hに設定する。


 
  伊那のICを越えてから、再びペースをあげる。 常速160Kくらい。
ZARDのナンバーを聞きながら、気持ち良く流していると、前方にぽつんと
赤い点が見える。しかも走行車線は何も走っていないのに、追い越し車線に
スターレットのような車が一台いるのだ。 なんやーと思いながら、
200mぐらい後方からPASSの合図を送る。
が、いっこうに走行車線に戻る気配がない。 じきに追いついてしまう。
前方車両の速度は、120Kである。
  通常、走行車線に何もいなけれは120Kでも、走行車線に戻るものである。
自分もそうしているし、追い越し車線でも、後ろに付かれれば200K走行時
でも進路を譲る。まっ、付かれたことは一度だけだが…
ドライバーは俗に言う「おばちゃん」みたいだった。
「ったく」と思いながら、走行車線から抜いて前にでる。が、依然追い越し車線の
まま走っている。じきにミラーの視界から消えてしまった。
  ここで、あのドライバーの運転心理を考えてみた。
いろいろ考えたが、一番もっともなのは、
「この中央道は制限時速が80Km/hとなっているので、このドライバーは
80K以下なら左車線で、それ以上は右車線と理解していて、
走行、追い越し車線という概念がそもそもが無いのだろう」  、と
本人に直接質問したわけではないので、真意はわからないが、
この他の理論では、あの行動を理解するには無理がある。
「おそるべし」、とはこのことですなー。


 
  本日、最大の試練のおばちゃんをクリアーし、長野道に入る手前で
FJの時計が1時間を経過した。 この時のトリップは  156Kを示して
おり、  015Kを引くと  141Kとなり
レコードが出たようだ。  19:55 のことである。
1時間の走行距離が 141KmということでAVe.も 141Km/hとなる。
この数字をだすには、常時160−180Kぐらいで走らないと無理だ。
ちなみにこのペースで、小牧「名古屋」―吹田「大阪」間を走ると
1時間12分で着く。しかし、免許の保証は出来ない。
 


  岡谷で高速料金をカードはやめてキャッシュで支払い、
20:15 にユーペンに到着、出発してから1:35だ。
可児―諏訪間が、この時間なら近い。
距離は173Kmだった。
  宿の温泉に入り、からだの緊張と頭の集中力を開放する。
頭が「ジーン」とくる感じと、全身の力が抜けて、実に気持ちがいい。
その晩は、友人と2:00過ぎまで話していた。
こういう遊びは、リッターならではである。
が、非常に危険なので、よいこは真似しないように。


なお、この文章はすべてフィクションです

非常にリアルな描写ですので

現実と混乱しないように

注意してください


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