その2 ワインディングの攻め方

このコーナーでは、バイクの大きな楽しみの一つである
峠の走りかた、楽しみ方を紹介しましょう。
ライダーたるもの、やっぱり峠を攻めなくては
しょせんもぐりです。
曲がりくねった生き物のような道を、
一つひとつ、クリアーしていく感じは、他では味わえません。
まず、必要な道具、物をリストアップします。
・ バイク
「出来れば軽量なもので125cc−2ストくらいが
ベスト」
・ 整備は万全に
「空気圧、オイル、チェーン、ブレーキは必須」
・ 革つなぎ 「当然上下かワンピースのもの」
・ グローブ、ブーツ
「使い古したものなら、なお良い」
・ バンクセンサー
「オプション扱いです。欲しい人はどうぞ」
・ ハイグリップタイヤ
「前後ですね。つるつるボウズの
タイヤは厳禁」
・ ヘルメット
「当然フルフェースで、スネル95UPで」
・ ストップウオッチ
「バイクに固定し操作ができるもの」
こんなところでしょうか。
他にもいろいろありますが、
ひとまずこのくらいがあれば、攻めれます。
あと、心構えも必要で、下記の点に注意しましょう。
・ ハートは熱くても、ブレインは冷静に
・
恐いのをがまんして走ってもだめ、楽しく走りましょう
・ ほかごとを考えないこと
たとえば「昨日の女は、よかった」 など厳禁ですぞ
・ センターラインは絶対に超えないこと
・
ステップをこすってもあわてず、あせらず対応する
・
自分より遅い相手は速やかに抜く、決して後ろで
あおらないこと
・
上りより下りにおいて、自分の本当の実力がわかる
・ 1時間以上、続けて攻めない 休息をいれる
以上の点に注意して、攻めてみてください。
一段と楽しくなります。
では、走り方の参考例として、近所のぼう峠のレポート
をお届けしましょう。
少々昔の話しですので、あしからずご了承ください。

鈴鹿のS字コーナーを眺めています。
19XX年7月15日
なぜか、午前3時半に目が覚める。再び寝付かれない。
出かけるとするか… 真夏の一日の始まりだ
熱いコーヒーを飲み干し、革のつなぎに体を通す。
相棒の「RZ125」(YAMAHA)のシートカバーをはずす。
キーを廻し燃料コックを開け、チョークを引いてキックする。
パンパンパンと乾いた音が、まだ薄暗い闇に響く。
ヘルメットのあご紐をいつもより、きつめに締めフル装備で
静かに出動する。
真夏とはいえ、早朝の風は冷たくて気持ちがいい。
前夜の熱帯夜の汗がひいていく。
国道41号線を北上する。
目指すは「岩屋ダム」のレイクサイドコースだ。
このコースはダム湖の横に走る、きれいなワインディングである。
高低差も少なく、道幅もあり路面も良好である。
ただ、おいしいコーナーのクリッピングにマンホール
があるのがいただけないが、しかたない。

空の色が濃い紫から、しだいに白色に明けていく。
この夜明け前の空が、きれいだ。
国道を 110Km/h
前後で走り、現場に到着する
時間は、午前5時をまわったところか。
まずは、ゆっくりと路面の状況を把握する。
ここは早朝、野ザルが道路に群れている事が多く、
今回も失礼だか、御移動していただく。
奴等は朝から、路上で何をしているのだろうか。
知るすべはない
途中軽くローリングして、タイヤを暖めておく。
メインコースの終点でUターンして
ワインディングモードに、頭を切りかえる。
体を前傾姿勢にして、全開で加速していく。
後方には白煙がみえる。
第1コーナーに2速で進入、つづいてすぐ反対の方に
倒し込む。
3,4とシフトアップして、一瞬100K/hを
越える。
再び2速にダウンし次のコーナーに進入する。
心地よい、加速Gと横Gの繰り返しだ。
バイクはコーナー出口で、バンクしている状態から
加速していくときが、一番気持ちいい。
コーナー進入時は、フロントタイヤがロック寸前の
ところで キュッ、キュッ と音がしている。
コーナー途中は、アクセルがパーシャルの状態を
保ち、脱出のタイミングをはかる。
出口の視界が開けたらアクセルを、全開にする。
こういう時に、125ccであれば気軽に全開に
出来る快感がある。
ビックバイクは毎回全開では、命がいくつあっても
足らない。 こちらは制御するたのしみか。
完全にワインディングのみの世界に浸る。
時折、減速時にリアがロックしているが
制御範囲内だ。
後方の白煙が少なくなってきた。 エンジンが
暖まってきて、ちょうど良い温度になったようだ。
マシンの各パーツも、最適な動作をする状態になっている。
このコースのメインともいえるブランドコーナーに進入する。
ここは見物コーナーでもある。
今回、ギャラリーはいない。
右側に2回続けてターンする。
当然奥のコーナーの
Rがきつい。
ここは若干路面にうねりがあるので
ステップの荷重に注意する。
マシンと体が振られても
頭は、振られないようにする。
当然、路面に対しては頭の垂直を保つ。
しばらく、現実とはかけ離れた世界をたのしむ。
午前6時半頃だ、そろそろ帰る時間が来たようだ。
茶屋のトイレで放水し、帰宅の途につく。
帰りは余韻を楽しむかのように、のんびりと走る。
無事、7時半過ぎに戻る。 バイクをしまい、朝食をとる
食欲旺盛で、何を食べてもうまい。
朝刊のニュースに
目を通し、チャリで、通いなれた高校に行く。

平凡な一日のはじまりだ…
授業中、すごくねむい。 あたりまえか
夏休みが待ち遠しい時だね。
こんな高校生活もありましたね。
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