6月の思い出
6月の梅雨、 9月の台風の雨音が、怖い 激しい雨音を聞くと、心臓がドックン、ドックンする 特に夜・・・ 特に1人の時・・・ こどもの時、近くの川が大雨で氾濫した 瞬く間に、家の中に汚れた水が押し寄せてきた 本当に一瞬の出来事・・・ その頃の実家は文具屋 品物の何もかもが水に濡れてしまうと、取り返しのつかない事態になる それは、幼心にもわかっていた 家族みんなで、品物を家の2階に持ち運んだ 全て、運び出せなかったうちに、それは、やって来た その時は音も出さず、ただ静かに、それは、やって来た 何時間かたった後、 それはまた、音もなく静かに元の落ち着くべきところへ、戻って行った 後に残されたのは・・・ 無残な姿になった、品物と、 空虚な、私達の心・・・ 今となっては、どのようにして、後片付けを終えたのかは、覚えていない でも、あの時の恐怖は、きっと忘れない おそらく、ずっと忘れる事はできないと思う 雨音は怖い シトシト雨なら、長く続いても平気だけれど、大粒の雨は・・・ 心と、 そして、気持ちが、乱れる |