5月の思い出


今から、7年前
長男を産んで3ヶ月目の頃・・・
出生の期待が大きかった我が子を、大切に育てていた
もちろん、何もかもが初めて尽くし
これで良いのか?・・・と、手探り状態の毎日だった

手を抜く事を知らなかった
全てにおいて、完璧なまでに、こなそうとがんばった

育児書どおりにいくはずはない・・・頭ではわかってるつもりだったけれど、
少しでも、標準と違うところがあれば、不安になった
誰かの、「順調ですよ・・・」
その一言が欲しかったのかもしれない




そんなある日、体調をくずした
風邪なのか、熱もでてきた
それでも、がんばろうとしていた

幻覚を見た・・・
自分の手に、無数の糸が何本もからまっている
取ろうともがいても、少しも取れない・・・
気持ちが悪い
誰か、助けて・・・

私の体調の変化に驚き、夜遅く、母が来てくれた
私の姿を見て、抱きしめ、そして励ましてくれた
それでも、少しも事態はかわらなかった

ついに、救急車がやって来た
運び込まれた病院で、点滴を受け、しばらくの間、眠った
極度の過労とストレスによる、過換気症候群と風邪を併発・・・との診断だった

その日は、朝まで母が長男の面倒をみてくれ、久しぶりにゆっくりと休めた
母乳もミルク作りも、泣き声さえも気にせずに・・・

翌朝には、少し元気になった私がいた
母に言われた・・・
子供のために、元気なお母さんでいないと・・・
そして、そのためには少しは手を抜き、楽しんで子育てをする事も覚えなければ・・・

そう言えば、うれしいはずの育児が、
いつの間にか、苦痛の何ものでもなくなってきていたのに
私は、気付いていなかった
いや、本当は気付かないふりをしていたのかもしれない
そうやって、自分をだましながら、育児に向かっていたのだろう

子供といっしょに楽しもう
それができてこそ、母親も1人前になるのだろう
今できる事をすればいい・・・
無理な事は、今しなくても、明日すればいい・・・
そう考えたら、肩の力が抜けていった


それからは、ずいぶんと楽になった
気持ちにも余裕がでてきて、ささいな事を気にする回数も減ってきた

みんな歩む道・・・
子どもに教えられ、親もいっしょに成長していく
時には立ち止まって、ひといきついてみるのもいいかもしれない
そして、少し位の寄り道も・・・


  

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