イタリア旅行2019

2019年3月27日~4月3日、現地6泊のイタリア旅行をしたので備忘録として簡単な記録を残します。旅行社のツアーではなく、AirBnBという、一軒まるごと借りることができるサイトで宿を決め、フィレンツェとローマにそれぞれ3泊の旅行。以前ロサンゼルスでこのような宿を使って、ホテルにはないリラックス感とその地に暮らす感覚が気持ちよく、今回も娘主導で宿を決めた。費用も4人だと断然有利なのもいっしょに旅行する理由の一つ。

準備:
イタリア旅行をするには二人だけより人数が多い方がいいと前々から考えていたが、ラッキーなことにロスに居る娘とパートナーが日程を合わせてくれることになり、急ぎ2018年末に航空券を手配した。価格よりも安心安定を重視、ANAのサイトから往きはルフトハンザでフランクフルト経由フィレンツェ、帰りはANAでローマからミュンヘン、羽田経由でセントレア帰着の航空券を購入。春休み中でもあり、一人約16万円。ロスからノルウェーの格安航空会社を使った娘達はなんと一人往復約6万円(泣)。ただ、この航空券は不安な要素があったことが後になってわかる。

3月27日(水)

自宅→セントレア→フランクフルト→フィレンツェ→宿

ANAのサイトから予約したルフトハンザ便は事前に座席指定ができない。このため、空港には早めの3時間前に行くが、問題なくチェックインでき、定刻に出発。なんと超ガラガラ。私は4席分使って、横になることができた。以前サーズ騒ぎでガラガラの飛行機に乗ったことはあったが、ここまで空席が多いのは初めて。嬉しいやら欧州へのルフトハンザ便がなくなるのでは?と不安になったり。とにかく、楽に行けたことはラッキーだった。ビジネスクラスの方は混んでいたので、車関係のビジネスマン用に必要な路線なのかも。

機内でダラダラと過ごし、ほぼ定刻にフランクフルト着。ユーロ圏に入る厳しいチェックを終え、フィレンツェ便の搭乗ゲートへ。小さめのローカル便という感じで、ほぼ満席。機内ではわりと美味しいサンドイッチの軽食が出た。2時間半くらいでフィレンツェへ着く。本当に小さな空港。何のチェックもなく、預けた荷物を担ぎ、サンタマリアノヴェッラ駅へ向かうバス停へ行き、発車間際のバスに乗れた。片道6ユーロ、駅そばのターミナルで下りて、事前に地図で調べておいた駅から数分の待ち合わせ場所、サンタマリアノヴェッラ教会の広場の白い塔へ向かう。塔が目指して歩いていると娘達が声をかけてくれ、感動の現地集合!。そこから、夜のドゥオーモなど見ながら宿へと向かう。「この辺はスリに気を付けるように」などとアドバイスをもらいつつ、足速に歩く私達だった。

曲がりくねった路地にAirBnBで確保した宿があった。まず入口でパスコードを入力し、建物に入り、さらに部屋の前で別のパスコードを入れて、入室する。ここはスーパーホストの宿で評価が高いと知っていたが、本当にすばらしく期待を裏切らなかった。ベッドルームとシャワー&トイレが2つずつ、それに20畳くらいの広いリビングに台所など、文句なし!。リビングでソファーに寝転ぶもよし、大きなテーブルで、明日の計画を立てるもよし、メチャ快適。

さて夕食。イタリアでは晩飯は遅いらしく、午後7時頃に開店する店が多いという。宿からかなり歩いて、大学生が集まる通りエリアにある、レストランCucineria La Mattonaiaへ。早いのですぐテーブルに着けた。食べた物を記録しておいたらよかったのだが、とにかく、初めて本場のパスタを食べた。味はいわゆる定番の味とは違って、新しい味と思う。各自、ラムのパスタ、牛ホホ肉、アサリと帆立のパスタ、エビのつぶつぶパスタなどを注文して食べた。

3月28日(木)

ウッフィツィ美術館→ヴェッキオ橋→ピッテ宮→カフェ→グラッツィエ橋→ミケランジェロ広場→ドゥオーモ→近くの図書館のカフェ→宿→レストランIL GIOVA→宿

お疲れの娘達は寝坊をし、私達は早くから起きて、宿からすぐの有名観光スポットであるウッフィツィ美術館へ。朝早いのに、もう入場待ちの列ができている。それに並ぶこと小一時間。どうも有料のガイドツアーに入ったり、団体旅行客はスンナリ入場できるようだ。なんでもカネ次第ということ。

写真のような超有名な絵画を多数見ることができるが、キリスト教のことをよく知ってないと、正直よくわからない。「ああこの絵は教科書か何かで見たなあ」というような浅い感想しかないのは、ちょっと情けなかった。昼前に美術館を出、近くのベッキオ橋を渡ったりする。

イタリアに居たことのあるパートナーの話では、昔この橋には肉屋さんが並んでいたそうだ。肉を処理する際に出るごみを川に流していたのだという。ところがメヂチ家の人が美術館へ通うようになって、景観をよくし悪臭をなくすために、今度は金属装飾品を細工販売するお店に入れ替えたとか。

その後、一度宿に戻り、娘達といっしょに昼食に行くことに。まずはフィレンツェを見下ろすことができる”ミケランジェロ広場”を目指す。その途中で目的のレストランを探すが、どうも見当たらないようだ。階段を上って広場から町を眺め、また下っては町をひたすら歩くが、店が見つからない様子。それでサントスプリト広場に面したピザ屋さんの店前のオープンスペースに席を確保し、マルゲリータ、ズッキーニとパルメザン、スパイシーサラミなどを食べた。これが流石にうまい。

遅めの昼食の後、ドゥオーモ方面へもどり、私達は明日も使えるドゥオーモ共通券を購入する。その後、ドゥオーモのドームを真近に見ることができる穴場という、近くの図書館の屋上カフェに行く。そこでカクテルやジュース、コーヒー、サービスのミニプレートなどを食べて、宿へ戻った。予約が取れなかったクーポラだが、当日午後によくキャンセルで空きがでるという。

宿で少し休憩した後、昨晩行った店からも近い”IL GIOVA”へ行く。その辺りは学生街らしく、学生が道路で楽しそうに飲んで騒いでいるのを見ながら歩く。目指すお店は本当に小さなお店だった。幸いテーブルに着くことができたが、周りのお客のほとんどは馴染みの地元の人という感じ。イタリア人のチョイ悪おじさん数人のグループはハムの盛り合わせなどを食べながら、多いに盛り上がっていた。

私と娘はボンゴレを、あとの二人はトリュフのパスタ等、また焼き野菜などを食す。ここのボンゴレは本当にうまかった。アサリの汁は全てパスタに吸わせている。とにかく美味い。イタリアンパセリは入っていなかったので、ボンゴレに必須ではないのだな。店の主人も働き者の良さそうな人で、とてもよい店だった。大満足して宿へ戻った。

3月29日(金)

宿→アカデミア美術館→サン、ロレンツォ教会→レストランGOZZI→ドゥオーモ、ドゥオーモ付属博物館、クーポラ登り→宿→La vacchia Bettola→宿

(娘達は電車で近くの町へ)

アカデミア美術館まで歩いて行き、ここでも入場待ちの列に並ぶ。30分ほどで中に入れた。有名なダビデ像、その後ろのベンチに座って休憩しながらダビデのお尻を見る(笑)。その後は石膏像の部屋とか、楽器の展示室が興味深かった。本物のストラディバリウスや今では貴重な鍵盤楽器など、なかなか良かった。

美術館を出て、サン、ロレンツォ教会前の広場へ。今日は自力でレストランを探して昼食をとらねばならない。スマホで調べたら、レストラン”GOZZI”というのが、安くて人気らしい。ちょっとのぞくと行列ができていたので、他の店を探すが、どうも決断ができず、あらためて”GOZZI”の列に並ぶ。意外と回転が速く20分ほどで席に着けた。イカのリゾット、サラダ、トリュフ風味のクリームラビオリを注文する。

そこそこ美味しくて安かったけど、ちょっと塩からかった。この店は日本の団体旅行客も多いようで、添乗員さんが日本人数人を連れて入ってきて、その添乗員さんから挨拶をされた。個人で来る日本人は珍しいのかも。

その後、ドゥオーモまで戻り、クーポラへ登る予約が取れないかと見に行ったら、同行者の言う通り、午後4時頃に空きが出ていて、予約ができた。それまで付属博物館を見たりして時間を調整する。そしていよいよ4時頃、クーポラへ登り始める。息は切れるが、登りは割と順調だ。そして、一番高い屋上からの眺めを楽しみ、下り始める。山もクーポラも、下りが怖い。下からどんどん登ってくる人達と喉首のような狭い階段のところでぶつかり、フン詰まり状態に。15分くらい待っても解消しないので、経験のある人が何かブツブツ言って、狭い通路を身体をこすりあいながら、抜けていくことに。まあなんとか無事通過できなけど、これはもう少しちゃんと交通整理してもらわないと危険だと思った。

夕方宿へ帰り、娘達と合流、しばらく休憩した後、フィレンツェ最後の晩飯へ。短期イタリア在住経験のある同行者おすすめのステーキが有名な店、La vacchia Bettolaへ行く。ここがまた遠い。「まだかなあ」と思いながら、30分以上歩いたと思う。そして着いた店は、本当に地元の人に愛されているお店の雰囲気。1kgステーキ、テキーラソースパスタ、アンチョビサラダなどを食べる。これまた美味い。デカンタのワインも頼み、1kgのステーキも食べ、4人で一万円少々なのだ。日本でなら、3万円くらいすると思う。

大満足で宿へ帰り、シャワーを浴びてバタンキュー!。

3月30日(土)

ジョットの鐘楼→ファーマーズマーケット→リストランテGaston→宿→駅→ローマ→宿→TORATTORIA GINO→ナボーナ広場周辺夜散歩→宿

娘達はもう一度ドゥオーモへ行きたいというので、行って別行動。私達は長蛇の列に並んで、ジョットの鐘楼に登る。カミさんは上まで行くのはシンドイと言うので、私だけてっぺんまで登って降りてきた。一番高い所まで行かないと気が済まない、山好きの性格である。その後娘達と合流し、少し歩いて地元の人が集まるファーマーズマーケットを見に行く。肉やキノコ類、チーズに野菜など、興味深いマーケットだが、午後はローマへ移動するので、買うわけにはいなかい。

街の中心部へ戻り、フィレンツェ最後の昼食である。洒落たリストランテ”Gaston”へ入る。いかずみリゾット、ポテトスープ、ジェノベーゼなどを注文したが、予想より出てくるのが遅く、午後のローマ行列車が気掛かり。食べながら、列車に間に合う方法を考える。

写真の快適だった宿に別れを告げ、駅まで競歩並みのスピードで歩く。リュックを背負った若いカップルとシニア夫婦が、ブランドショップが並ぶ通りを駆け抜けて行くのはかなり目立ったのではないだろうか。そのおかげで、13時48分の高速列車に間に合い、ローマへ着くことができた。

かなり疲れている私達だが、タクシー利用には目もくれず、またもやモクモクと宿まで歩く。一時間近く歩いたのではないかと思う。

最後は中世の雰囲気が残る路地を通って、これまたディープな宿に到着である。ローマの宿は、古い宿で、特に中二階は後付けの山小屋風である。都会風で快適なのはフィレンツェだが、野生的でローマらしいのはこちらかな。

しばし休んで、ローマ初の夕食だ。こちらでは有名な”TORATTORIA GINO”で、パルメザンとコショウのパスタ、アマトリチャーナ、カルボナーラ等を食す。これらのメニューを食べるとローマの庶民的パスタ料理はほぼ食べたことになるらしい。

その後、夜の散歩で、ナボーナ広場など歩いて宿に帰り、長い一日を終えた。

3月31日(日)

宿→老舗カフェ→教会→パンテオン→フォロロマーノ→コロッセオ→ピザレストラン→宿→バチカン→ジェラート→Osteria DEI Cappelli→宿

昨夜見たパンテオンなどを経由してコロッセオのある地域へ向かう。超有名らしい老舗カフェでカプチーノを立ち飲みし、教会を見たりしながら、歩く。フォロロマーノの入り口付近で、カミさんがトイレを所望し、近くのカフェでまたお茶をしてトイレも借りる。フォロロマーノは有料の所へは入らず、外から見るだけにして、コロッセオへ向かう。が、コロッセオは到底入れそうにないし、死闘を見物した所を見ることに興味も薄く、外から見るだけでここも通過、その後も歩き、馬のレースをした所や真実の口に並ぶ人を横目で見ながら、ディープな昼飯屋さんへ向かう。

宿からもやや近いピザ屋さんでは、ハムセットやマルゲリータなどを食べるが、これがまた美味しいこと。その後、ゆっくり宿へ戻り、娘達とちょっと別行動し、私達はバチカンへ。超有名なサンピエトロ寺院の中で娘達と合流し、宿へと向かう。途中、ジェラート屋さんでジェラートも食し、イタリアの食はかなり食べた感有。

宿から歩いて目指すレストランへ行くが、予約客のみということで断られ、宿から50mほどの”Osteria DEI Cappelli”へ入る。私はここもかなり気にいった。ジェノベーゼやポルチーニのパスタ、むね肉、アーチチョークのフライ、サラダなどを注文。私はラムのローストを頼んだが、出されたのは小山のようなラムロースト。一同目を丸くして、ビックリ仰天。でも美味しいので、皆で分けながら完食。ワイン一本を入れて、四人でここも一万円少々。イタリアの食事は美味しくて安いと思う。

4月1日(月)

サンタアンジェロ城→宿→ナヴォーナ広場→パンテオン→トレビの泉→スペイン広場

事実上の最終日である。娘達はコロッセオの見学ツアーを予約し、午後は近郊のサイクリングツアーにも参加する。私達はちょっと疲れているので、それぞれ別行動とし、まずは歩いてサンタアンジェロ城へと向かう。バチカンが有名だけれど、私はこのお城がとても気に入った。帰ってから見た「ローマの休日」でもここでのロケがかなり多いのに驚いた。

城ゆっくり見学し、出てから近くの店でサンドイッチとビールを買い、宿で昼飯とする。これがなかなか美味かった。というかイタリアの食事で不味かったという記憶がない。

ちょっと休んで、私達だけで、ローマの街を復習しながら歩く。超有名なトレビの泉は超満員だが、なんとか泉の側に座ることができたし、スペイン階段でもいい場所に座ってノンビリできた。帰国後しばらくして「スペイン階段で座ることが禁止」になった。ギリギリ、階段に座れて本当によかった。

宿に帰って娘達と合流、最後の夜は同行者が目を付けていたユダヤ料理店へ行く。私はまたもやラムチョップを注文。アーティチョークのパスタ、魚のフライ、アーティチョークサラダなどを食す。「オトンは前半はボンゴレ、後半はステーキとラムローストにラムチョップと肉ばっかりやったなあ」と言われた。自分でも肉が好きなんやと思った次第。

4月2日(火)

カンポデフィオーリ広場→カフェ朝食→タクシーで空港へ→ミュンヘン空港→帰国便搭乗

ついに最終日、帰国の日。宿から歩いてすぐのカンポデフィオーリ広場でお土産物を探すが、適当な物はなかった。近くのバールで最後のイタリアらしいパンとカプチーノの朝食を食べ、宿で荷物をまとめて、近くのタクシー乗り場へ向かう。そこで空港までのタクシーに乗るが・・・、これがとんでもなく荒く速い運転。イタリアで一番怖かったのが、このタクシーの運転だった。「ここでトラック抜かんでもええやろ」などと思いながら、ヒヤヒヤしながら、空港到着。

娘達の飛行機に合わせて空港に来たので、ちょっと早すぎで、私達の乗る飛行機の搭乗ゲートが表示されず、心配したが、無事ミュンヘンへの飛行機にのることができた。

15:20 ローマ発で16:50 ミュンヘン着。ミュンヘン空港で5時間ほど時間待ちがあったが、大変美しい空港で簡単な仮眠ができるベッドのような椅子もあるし、美味しいドイツもビールも飲むことができて、よかった。

そんなこんなで4月3日(水)15:50 羽田着。そして18:45セントレアに無事到着し、車で自宅へ帰り着いた。