Ryohei's Exhibition 2012

ウェーブスルーキャビネット

抽斗の前板に立派な板を使わない方向で、アイデアを考えました。均一ではない形、手道具でしかできない形、そして隙間があってもいいのではないかと、この形になりました。
本体は13mmほどの楢を上下とも包みアリで組んでいます。
横桟や束は、強度を損なわない範囲で、極力薄くしました。前板の代わりに、チェリーの板を抽斗側板に等間隔に組み込んでいます。
本体のカーブに概ね合わせて、前板の横板をカットし、各板を寄せ来る波をイメージしながら、自由に削りました。継ぎ目は段差がないよう、本体に入れてから、最終調整をします。
抽斗は、前板に相当する横板のはみ出した部分が、束に当たってストッパーになるようにしています。
折りたたみ飾りだな

展示会用にと、簡単に折りたたむことができる、飾り棚です。棚板は写真では3枚ですが、二枚追加可能です。
棚板は軽いベニマツ。斜めに入れて、柱となる部材に欠き込み部分をあわせて滑りませる構造です。これでしっかり固定されます。
畳んだ様子。白みまじりのチェリーでハシゴ状のものをつくり、それを兆番使って、折りたためるようにします。クセがでないよう、注意深い木取りをする必要があります。


栃の端材で、教室の合間に作りました。小さな四方反鉋を使って内側のカーブを削りだしています。このような滑らかな曲面を鉋なしに作ることは、困難だと思います。