Ryohei's Exhibition 2010

小机

長い間眠っていたシウリ桜を天板と抽斗前板に用い、両面から使うことができる小机。脚部は楢の白色オイル、天板と前板は試供品でいただいたオリオ2による仕上げ。
天板は剥ぎ合わせ時に組み込んだアリ桟を介し上の貫に固定され、見た目少し浮いた状態になっています。

左右二本の貫の間には鏡板はなく、抽斗側板が直接見えます。前板の包みアリは、クランプなしで叩き込むだけ。少々手間をかければ、手加工の味を見せることもできて一石二鳥です。

ツマミは、6mm厚の黒檀を手に馴染むように削り、薄いホゾが前板を貫通して固定されています。



思い出の箱T

仏壇や厨子のように重厚で格式ばったものではなく、親しかった人の写真、懐かしいペットの写真、あるいは思い出の品などを納め、ごく親しい人に戸を開けて見せたりする壁掛け用の箱。普段は両側に小さな花瓶などや人形を置くとよい。

冗談半分ではありますが、将来自分の写真はこのような気楽な箱にでも入れて、時々見てもらえるといいなあと・・・。縦格子の間から、家族の様子も見ることができて、入れられている方に閉塞感はありません。名古屋の展示会でも、これに興味を示された方がかなりおられました。

本体はブラックチェリー、格子戸はヒバ、裏板はシウリ桜で、全て無塗装です。
時計

名古屋の展示会で壁が寂しいので、急遽端材で作りました。外側はブラックウォールナット、中はシウリ桜と黒檀の薄板を張り合わせ、上下の枠に固定しています。

「時計がない」という娘にやってしまい、今は手元にありません。

思い出の箱U

シリーズ二作目。なんとなく使わずに置いてあったケヤキを本体に、開き戸は真っ白で美しいセンを神代ニレで縁取りするような構造です。中央の縦の神代ニレの薄板は少し後ろに飛び出していて、戸が開ききらないようになっています。
前作と同様、中から外が見えるように、小窓をあけました。この斜めのカットがけっこう難しい。
組立式ディスプレイテーブル

これも長い間使わなかった栃の板を天板に使い、割れなどから逃げるように、このような雲型にしてみました。脚部はバーチとブラックウオールナットで、水性つや消しウレタン塗装です。

天板はネジを使った簡易送りアリで固定していまして、脚部もブラックウォールナットで補強した相欠きで、二つに分かれます。

1(犬)

「木の仕事の会」の展示会で行われた「100額展」の出品作品です。素朴な犬の絵に合わせ、額も手加工だけで作りました。反ったままの荒い材に段欠きをしたり、反台鉋を使って削ったり、とても楽しい作業でした。上部の紐掛けは楢材の削りだしです。無塗装。
額2(醤油差し)

簡素な醤油差しの絵、それに合わせ、簡素で手加工の素朴さがでるようにと考えながら作りました。格子の相欠きは手加工です。あまりに軽いので、風が強い場所では飛んでいくかもしれません。ブラックウォールナット、ワックス仕上げ。

ピアノ椅子

My奥様が「ピアノ椅子を買っていい?」と聞いてきました。「ウチは一応家具屋から、それはアカン」というわけで、作らざるをえなくなった次第。

こういう形も大きさも決まった、直角の物を作るのは早い。実質一日でできました。天板は残っていた、大きな節のあるホワイトオークを大胆に使っています。こういう材の選択は売り物ではできません。水性つや消しウレタン塗装。