96年秋季ツーリングレポート 紀伊長島(9月15〜16日)

                                 木下直樹

参加者 尾崎、林、森本、川井、山木、zzz、木下  計7名。

 


 その前日まで私は会社の見本市で、有明ビッグサイトでスーツを着て商品説明員をしていた。最初の予定では土曜日にゆっくり東京から新幹線で大阪に行き夕方に川井家を訪問、KDX125を引き取るはずだったのに、突然の休日出勤で松原市に入ったのは夜の10時30分だった。今回の私の目的は、年に1度の遊輪1泊ツーリングを楽しむこととあと一つ、川井から譲ってもらったKDXを大阪から名古屋、そして東京まで自走で運ぶことだったのだ。もちろんそのために17 日に夏休み(プラスでは夏休みは5 日間分好きな日に設定できるのだ)をいれてあった。

 さて、KDX は15日午前0 時に多少のエンストをしながらも1年ぶりに1時間の走行を終え、吹田までたどり着いた。

 翌朝、時間通りに集合場所の関大前へ行く。山木と一緒にいったが、まだ全員はそろっていない。  ZZZ(FZR250R) 、林君(ZXR750)、山木(SDR)、そして私(KDX125SR)と4人そろう。川井(TT250R) は伊賀上野で合流とのことなのだがまだ誰か足りない。

 尾崎さんだ。

 いつものごとく夜遅くまで明石焼き屋で飲んでいた尾崎さんはみんなの予想通り寝坊したのだった。

 森本さん(マグナ)も家をでるのが遅れたようで途中四条畷あたりで待ち合わせることになり、林君が先に出発、残り3人は尾崎さんを待つのであった。

しばらく待つと尾崎さんが車で登場したため先頭になってもらい出発、林君たちを追いかけ、中環からR163へと進む。めざすは外環との合流点。

 さて、急造の集合場所に着いたが森本さんはいない。このままでは川井との合流もできないので尾崎さんとZZZ、そして私が出発。R163で 笠置町をぬけ、伊賀上野をめざす。

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 1時間ほど遅れてようやく合流地点の伊賀上野ドライブインに到着するも山木、林君、森本さんはこない。しばらくお茶を飲みながら到着を待つ。もちろんジョージアコーヒーだ。(今年こそ!)そして忘れちゃいけないアメリカンドッグ。そういえば川井は一人濃い格好をして周りにいたこれまた濃い兄ちゃんと同化して見つけるのが大変だった。

川井のピース

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 しばらく馬鹿話を続けるも林グループは来ない。どおやら尾崎さんの携帯に連絡があったようで森本さんと合流はできたが時間が遅くなったのでそのまま進むらしい。これにより尾崎グループも出発することにするが、クルマが混じっているのでペースを合わせるため、また地図を見やすいためシビック尾崎さんに先頭をお願いする。

「それじゃあ出発するで」

 尾崎さんはさも当然のように125cc未満は進入禁止の名阪国道に上がって行った・・・

 

 

 再びはなればなれになった遊輪の一行だが我々には強い見方があるのだ。ハンディ無線機だ。ヘルメットのなかには尾崎さんとZZZの会話が聞こえる。しかししばらく走っている内に返事がなくなった。何しろ彼等の無線は外部電源、アンテナ、対してこちらは乾電池にノーマルのホイップアンテナ、出力を最大にしても届かないのは当然か。しかしながら改めて長いアンテナの威力を思い知ってしまった。

 こうなったら仕方ない、最後に聞いた無線の内容と川井の周辺の道路事情の知識を元に尾崎、ZZZ組を追いかける。この段階でついに遊輪は3つのグループに分かれてしまったのだ。

 (ところで国道何号線を走っていたのだろう。)この道だろうと川井が言う国道をしばらく走ると徐々に無線が通じはじめた。こちらの声は届いてはいないが。どうやら道はあっているらしいのでそのまま進むとようやく合流できた。携帯電話の連絡で林組は国道23号沿いのとあるレストランで昼食にするとのことなので我々4人になった尾崎組も一路その店をめざすことになる。

 さて、私はもう道はわからない。ただ天気はいいので気持ちよくバイクを走らせる。普段は4st党だがアクセルがあけられるなら2stもなかなかいいものだ。この冬は荒川の河川敷でモトクロスごっこか?春には秩父の林道に行こうか、などと想いをめぐらすうちに海沿いの国道、23号線にたどり着く。後はあまり楽しそうな道はないだろう。とりあえず目的の店でメシだ。

 目的地らしいうどん屋に着くと先発隊(と言うか後発隊と言うか)のバイクが止まっていた。店にはいると彼らはすでに昼食を食べ終わっているではないか。なぜ後からきているのに先にいるんだ、と思いながらあわてて注文をする我々だった。そしていつものごとくテーブルの端にはなぜか泡のでるお茶が・・・

 こんな時のライダーの話題と言えばやはりバイクの走りの話、ましてや社会人になって乗る機会も減っているのでなおさらだ。

 

 私「やっぱり2stはアクセルをあけると気持ちいいな、ストレートで100km/h出たよ。」

 川井「だろう、あれ140kn/hはでるもんなあ。」

 私「え、俺結構引っ張ったけどな、まだ回るのかな。」

 

 のどかな時間が過ぎていったが朝方のタイムロスが大きかったのでまだ食べている尾崎、川井、ZZZ、そして私を残して先発隊は紀伊長島めざして出発した。続いて残りの後発隊も20分ほど遅れて出発した。ZZZは林君に追いつくためクルマの脇を抜け先に行き、川井、そして私も続いていった。海沿いからはずれると伊勢に行くクルマがいなくなるので道がすいてくる。川井はさらにスピードを上げ、私も追いかける。緩い上り坂で先行するクルマはいない。KDXのスピードメーターは二桁から三桁に移ろうとしたそのとき・・・不意にバイクが失速する、ガス欠か?エンストか?クラクションを三回鳴らし先行する川井に知らせようと思ったが、KDXにはバッテリーがないのでエンジンが止まるとホーンが鳴らない。走り出すと振り返らない走り屋はそのままいってしまい、私のバイクはするすると止まってしまった。

 

 私のツーリングはこれでおしまいである。この後は尾崎さんのクルマで宿に向かい、釣りをして、宴会でうまい物を食い、酔っぱらい、そして川井に乗ってきてもらったレンタカーで動かないKDXを名古屋まで運んだのだった。しかし今回は全員でそろって走ったことは一度もなかったのではないだろうか。

 KDXクルマに乗る

「来年は止まらないバイクで参加します」 筆者談 (その後川井との信州ツーリングの際、AX-1のスピードメーターが壊れて動かなくなってしまった)


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