ユリノキの小さい葉
◆クマシデ属の化石の撮影を試みる
片側がぼける
(1)ユリノキ?−

 白い石からたくさんの葉の化石が見つかりました。この化石は葉の先が二つにわかれ、ウサギの耳のような形をしています。ユリノキという葉の小さい葉やマメ科の葉にも似ていますが、まだわからない植物のひとつです。
 この化石は故堀治三朗さん(化石研究家)が山でお弁当を食べていた時、座っている石を割ったところ、見つかったそうです。その後、次々と同じ化石が発見され、今では多く産出するようになりました。
 なぜたくさんの人が化石採集をしながら、これまで発見できなかったのでしょうか。それは「葉の大きさが30センチを超える大きなものもあり、葉の全体の形がわからなかった」からです。
 一人が見つけると、次からは化石は見つかる場合が多いのです。注意して見ているからでしょう。また、この化石は神戸だけしか見つかってなく、神戸の地層はまさに不思議な百貨店といえるでしょう。

 ※葉の左側のぎざぎざ(鋸歯)が波打っているように見えますが、これは、割れているだけです。ぎざぎざはありません。化石は、割るときに欠けてしまうことがあります。

◆これまでの内容
 0 化石を調べているところ

◆ デジタルカメラを使う

ユリノキかどうかを調べるために、いろいろ試してみました。練習ということで、標本はクマシデ属の化石を使ってみました。
★デジタルカメラで微最脈を写す。実体顕微鏡と三脚を使って、写してみました。フラッシュをしないようにレンズから1センチほど離して写します。しかし、標本も微最脈が肉眼で見える程度でないと写しても、全く見えません。またレンズのあわせ方がむずかしく片側がぼけてしまいます。
 ※実体顕微鏡は高価なので、ルーペで微最脈を観察してみてください。

◆参考 プランタ87号特集:植物の葉/街角の植物史 ユリノキ 植村和彦/2003/研成社