白川大池第三凝灰岩
白川大池第三凝灰岩の下部には硬質な砂岩質な部分と泥岩の互層がある。気にはなっていたが、わからずじまいだった。ところが、湊川高校の木村一成先生はこれを精査し、3枚あることと苦鉄質凝灰岩であることをつきとめた。つまり、神戸層群の凝灰岩には流紋岩質の白色凝灰岩だけでなく、安山岩質〜玄武岩質の苦鉄質凝灰岩の存在が明らかになった。今後、神戸層群の火山灰起源を考えていくためにも重要な研究である。
 写真では3枚のうちの上位1枚はやや不明瞭であるが、このように見られことが多い。切り通しでは明瞭に観察される。化石採集では、植物化石だけに目をとられやすいが、凝灰岩の特徴を調べておくことで、層準を把握する鍵にもなるといえる。
(地球科学56巻5号 神戸層群白川累層中の普通輝石を含む苦鉄質凝灰岩の発見 木村一成を参照させていただきました)