リクガメ飼育法


 管理人のリクガメの飼育法です。あくまでも、ウチの方法というだけで、こういう方法が、必ずしも正しいとは限りません。ご参考まで---(^^;。



1.普段の世話
 我が家のリクガメ達は、基本的にケージ飼育です。各ケージに、同一種のみを同居させて飼っています。最初に、毎日のリクガメの世話について述べます。朝は、タイマーで5時に、ライトとホットスポットをつけます。ケージの掃除をして、餌を与えるのは6時過ぎです。餌を与えるとき、既にウロウロと餌を待っているのは、爆食王ホシガメの愛ちゃんと、ヘルマンぐらいです。他の子は、餌を与える時に起きてくる子が多いです。クモノスとヒラオは、自分では起きてこない子が多いので、霧吹きやぬるま湯をかけて、起こしてやります。餌やり後は、基本的になにもせず、タイマーで夕方5時にライトとホットスポットを切ります。

 ケージの掃除は、糞をピンセットで拾い、餌皿と水皿を洗うだけです。餌の準備時間を含めて、現在のリクガメ用7ケージで30〜40分ぐらいです。朝の出勤前なので、忙しいですが、平日彼らと触れ合えるのは、この時だけなので、充実した楽しい時間です。ケージ全体の掃除は半年に一回程度で、床材の交換などを行います。
2.温度と湿度
 ケージ数が多いので、基本的に、エアコンによる部屋の全体暖房です。冬場はカメのために最低21℃に、夏場はチンチラのために最高27℃に設定し、終日運転します。このように書くと、電気代が大変と思われがちですが、ペットのいる部屋は狭く、また最近のエアコンは省エネが進んでいるので、夏場の電気代は、家全体で15000円/月程度です。エアコン暖房では、各ケージ毎の暖房用のライトやプレートヒーターが不要となるので、電気のタコ足配線が少しはましになるのもメリットです。

 冬場のカメケージは、場所によって最低19℃位まで下がりますが、昼間はライトとホットスポットで、最低25℃ぐらいになります。これで、アカアシを含め、ほとんどのカメさんは問題を生じていませんが、ホシガメだけは、鼻水を出すので、別に60Wのブラックランプで、最低25℃ぐらいに温めてやります。夏場は、昼間、温度が上がりすぎるので、サーモスタットで、ホットスポットをON/OFFして、上がりすぎを防ぎます。

 湿度については、エアコン+水皿常設で、50〜60%ぐらいです。これではヒラオやクモノスには低すぎるようなので、毎朝水を床材にまいたり、霧吹きをして、一時的でも湿度を上げてやります。
 
3.ライト
 ライトは太陽光がベストですが、常時日光浴させる事は出来ないので、普段は爬虫類用蛍光灯に頼っています。ケージの各段に、20WのパワーUVBを1本設置しています。パワーUVBは、1本で買うとかなり高価なので、ワンカートン(6本)まとめて、1本当たり3000円程度で買っています。ケージサイズの割りに、W数が少ないですが、天井高さが低めで、床面からの距離が25cmと短いので、良いかなと思っています。

 さる有名なリクガメ飼育書に記載されているデータによると、あるメーカーの20Wライトを30cmの距離から照射した時のUVB量が1.1としたら、2本にすると1.8に増えるそうです。一方、30cmを20cmにすると、1本で1.7になり、30cmの2本と同じ程度です。パワーUVBの使用説明書では、床面からある程度距離を取って設置する様に書いてあります。これはおそらく、爬虫類用蛍光灯が、明るさの割りにはUV量が多いので、万一の場合を考えての事だと思われますが、昼間の太陽光のUV量を考えると、取り越し苦労と私は思います。私の個人的意見としては、距離をある程度近めにした方が、多い部分のUVB量は多くなり、一方光の当たる範囲は狭くなるので、少ない部分はより少なくなって、良いように思えます。ライトを増やすのは、消費電力の面からも避けたいので、ウチでは、床面からライトまでの距離を25cm程度にしています(このあたり、根拠薄弱なので、真似される方は、ご自分の責任でお願いします)。

 これに加えて昨年の年末より、ソリガメケージのみメタルハライドランプを導入しています(ちょっとエコヒイキですね)。Rexのサンビーム35という、35Wのメタハラで、ホットスポット代りに隅に照射し、パワーUVBと併用しています。メタハラは、35Wのくせに非常に明るく、紫外線量と寿命を考えれば、爬虫類用蛍光灯を2本にするよりお買い得かも知れません。ただし私の場合、ケージに室内用ガラス温室を利用している関係上、メタハラランプ自体をケージ内部に設置しています。この為、メタハラの熱がケージ外へ逃げにくく、また照射面とランプの距離をあまり離す事ができないので、夏場は35Wでも温度が上がりすぎ、使用していません。最近、同じRexから20Wのメタハラが発売されたので、余裕が出来れば購入したいと思っています。
4.床材
 これが、永遠のテーマと呼ばれるだけあって、難しい。どれも一長一短あって、完璧なものはありませんね。私が使ったことのあるものを、以下に示します。

新聞紙/気軽に交換できるのが、ともかくメリットです。ただし、歩行障害が出ると言う話もあるので、よく観察して、足を引きずるようであれば、止めるか、なんらかの工夫が必要でしょう。個人的には、見た目がよくないので、普段は使いませんが、人からリクガメを短期間預かったりする時には使用します。

デザートブレンド/ナッツの殻を砕いたもの。比較的安価で、埃が立ちにくく、軽いと、なかなか良いので、一時期良く使っていました。しかし、水皿の下の部分がカビやすく、また野菜について、結構食べてしまうので、現在は使用していません。

コーンベッド/正確な名称は知りませんが、とうもろこしの穂軸を砕いたものだそうです。これも、デザートブレンドと同じく、カビやすいです。

おからサンド/おからとカルシウムが主成分で、食べても安心ですが、ヘルマンが餌以上に喜んで食べるので、やめました。

コルクシート/これはなかなか良いです。カメも歩きやすそうですし、汚れたら洗えるので、2枚用意して交換するとGOOD。ただ、水皿をのせて置いたりすると、だんだん反ってくるのが少し我が家には向きませんでした。

ミズゴケ/一時ヒラオに使用していました。湿らせるには良いですが、軽すぎて、チョットという感じ。

ハイドロボール/園芸用ですが、土、砂系ではもっとも固く、埃っぽくなりにくいのが特徴です。カメが歩くとガサガサとかなり大きな音がします。一時ソリガメに使っていましたが、色が赤っぽいせいか、食べようとするので止めました。

人工芝/飼育環境の写真の、テラスの子ガメ運動場の床は人工芝です。時間とともに芝が取れてくるのがNGです。

牧草/これもなかなか良いですが、水分をあまり吸ってくれず、濡れた時の感じが悪いので、使っていません。

焼赤玉土/ホシガメ用に現在使用しています。かなり臭いをすってくれますが、徐々に埃っぽくなるのが欠点です。洗えば、再度使えます。

ヤシガラ土/クモノス、ヒラオ用に現在使用しています。多湿にするのに向くが、色が濃いので糞を見分けにくいのが欠点です。

爬虫類用サンド(細粒)/ソリガメ用に現在使用しています。餌について、食べてしまうので、餌皿の下は、別のプラスチックの板を敷いています。焼赤玉土ほどではありませんが、やはり序序に埃っぽくなります。

ビニルカーペット/ヘルマン、アカアシ用に現在使用しています。足を引きずらないようであれば、埃は立ちませんし、掃除は拭けば良いだけなので、結構使いやすいですが、糞が柔らかかったり、踏み潰したりすると、汚くなります。また水分はほとんど吸わないので、下にペットシートを敷いて使っています。

 という状況ですが、どれかに固定するのではなく、種類や個体の状況、成長などによって変えるのが良いようです。とかえらそうに言いながら、本当にいつも床材には悩んでます。いい床材あったら、だれか教えて!!! 
5.餌
 リクガメの餌は、やはり葉野菜中心です。主は、小松菜・シロナ・チンゲンサイより1〜2種類、副として、サニーレタスと、季節の野菜(ナバナ、水菜、大根葉、モロヘイヤ等)を、1cm幅位にきざみます。これに、少量のリクガメフード(レプカル小粒)と、果物やトマトを加え、炭酸カルシウムを降りかけて与えます。メニューは週替わりです。



 リクガメフードの使用には、賛否両論あるようですが、ウチでフードを併用している理由は、(1)フードは大変嗜好性が高いので、味を覚えさせておくと、薬を与える時や、食が落ちた時に便利。(2)アカアシのように、リクガメの種類によってやや高蛋白な方が良いとされる種類がいる。(3)野菜だけではどうしても種類が同じようなものばかりになり、ビタミン等が偏るのではないかと心配している。からです。ただし、大量に与えると、そればかり食べて野菜を食べなくなるので、量としては、ごくわずか(一番大きなアカアシやホシでも、1日10粒以下)です。

 また、リクガメフードは、全ての種類に毎日必ず与えるのではなく、種類や成長度合いや甲羅の様子も見ながら、与えたり与えなかったりしています。ソリガメには基本的に与えていませんし、ヘルマンも成長が鈍いなと思う時期に、3〜6ケ月で様子を見ながら、与えたり、やめたりしています。アカアシには、ほぼ毎日与えています。ホシも、かなり与えていますが、ウチで大きくなった愛ちゃんは、15cmを越えるホシとしては、甲羅も比較的デコボコが少なく、綺麗に成長してくれたと思っています。必ず必要かどうかは分かりませんし、それのみでは問題があるかも知れませんが、使いようによっては便利と思います。
6.水
 我が家では、ケージ内に水皿常設です。水皿は糞尿で汚れて衛生的でないので、温浴で与えるべきだとの意見もありますが、温浴の時間が取れませんし、温浴では、未消化の野菜まで、排出してしまう事も多いので、自然な事とも思えません。しかし、脱水は大変危険なので、餌にサニーレタスを混ぜるとともに、水皿常設し、毎朝掃除しています。

 温浴は、全くやっていない訳ではなく、餌食いの落ちた個体や、便秘ぎみと分かった個体がいたら行います。また、2〜3ケ月に1度は、全個体温浴して、ホコリや汚れを落としてやます。水やりという意味では、毎朝クモノスとヒラオに霧吹きを行いますが、その時にヒラオは口を動かして、少しずつ飲んでいますね。

以上のように、特に変わった方法というわけではありません。ここまで読んでくださった方、お疲れ様。ありがとうございました。