現在、334万画素デジタルカメラを評価使用中です。 ひと言でいえば、"動きもの以外には使える.....!"と前回に書かせて頂いたかと思い ます。使用中の機種はNikon E990ですが、AF速度や、光学ファインダーに不満が残 るものの、レンズの性能は素晴らしくキレのよい画像を提供してくれます。 私のメイン被写体である「走行中の阪急電車」には、少々役不足の感が否めません でしたが、雨の日に集中的に使用したところ、流し撮りの練習には最適である事が判 りました。 「撮ったその場で画像が確認できること」 がその理由です。 失敗した点をすぐに矯正、再度撮影に臨めるためです。 また、光学ファインダーを見る限りミラー暗転がありませんので被写体を確実に捕らえ 続けられることもあります。(1N-RSはこの点も問題はありませんが........) 流し撮りは、雨天等、早いシャッターが切れないながらも走行中の列車を撮影したい 場合に使ってきました。もちろん、意図的に背景を流した表現をする一つの手段でも あるのですが、スローシャッターを使うことによる撮影技量の問題があり、私にとって は、成功率が下がる撮影方法でした。 また、理論上、焦点の合う場所は一点のみとなり他は流れた画像となるため、好みの 問題もあります。モータースポーツの世界では500や600ミリと言った長玉を1/15等の、 低速シャッターで流すという腕利きのカメラマンがその地位を確立していますが、私に は手の届かない世界です。(私はヘルメットを被り、ステアリングを握る立場でした) 鉄道の世界では、主に天候や撮影時間帯によるネガティブな状況から流し撮りを採用 するケースが多いように思います。 流し撮りの基本形は、構図の特定一点で被写体の一点を捕らえたまま動きに合わせ レリーズします。当然、ファインダーを通した画像と自分の目だけが頼りです。 ここで、光学ファインダーがプアーなデジカメは使用機材としては予選落ちとなります。 顔の前にカメラをかざし、液晶画面を見ながらの流し撮りは、まず不可能ではないか? と思いますし、仮に成功しても偶然の域を出ないのではないでしょうか。 光学ファインダーと自分の目だけを頼りに撮影をしますが、置きピンをすること(デジカ メでもAFロックが可能であることが条件です)と、構図を確実にイメージしておくことが 大切です。当然、被写体を捕らえた後は決して他の部分を見ません。一点だけをひた すら見続けます。後はシャッターレリーズ後も動きに合わせ動かすことがポイントです。 デジカメの光学ファインダーは視野率が低く、見えていない部分も写り込んでいるため 実際に写る範囲とファインダーを通して見える部分の差をあらかじめ掴んでおくことも 大切です。現実には、四方が均等に広く写るのではなく左側だけがかなり広く写るとか 上部は下部に比べ相当広く写る。。等々なので、このような事を事前に考える必要が あります。しかしながら、こう言ったストレスを撮影者に与えることは撮影機材としては あまり望ましい姿ではない様に思います。 動きつづける編成に対し、四方の見えない余白部分を想像しながらフレーミングする。。 といった作業は視野率100パーセントの(あるいは100パーセントに近い)一眼レフでは 必要のない事柄です。 デジタルカメラは、現時点では技術革新のテストアイテムのようなものであり、未だ工業 製品としては完成の域には達していないのを承知の上で、そのメリットだけを生かした 使い方をして行きたいと思います。 |
2000.09.18
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