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デジタル334万画素を使う
最新型の334万画素デジタルカメラを使ってみました。
ひと言でいえば、"動きもの以外には使える.....!"と思います。

従来からデジカメは所有していましたが、全くの初期モデル(35万画素)であり、品質
は満足の行くものではありませんでした。今般、「阪急エキスパートカメラ」様の懸賞
にてデジタルカメラを頂けるという幸運に恵まれ現在テスト中です。
約750ショット程度(銀塩ではフィルム20本程度)の使用ですが、なんとなくイメージが
掴めて来ましたので、感じたことを書いてみたいと思います。

1.レンズがものを言う
銀塩でもデジタルでも、やはりこれは同じでしょう。使用しているデジカメはNikonの
最新モデルE990ですが、レンズの解像力は広告に違わない素晴らしいレベルだと
思います。このクラスの3倍ズームとしては、相当能力は高いようですが、ワイド、
テレのいずれも終端では歪が目立つのは仕方ないレベルかもしれません。

2.シャッターレリーズタイムラグも僅少
走行中の列車を撮影する場合でも、半押し状態で待機していればタイミングを逃す
ような遅れは発生しません。ただ、EOS1N-RSと同じ時に、持ち替えて撮影をすると
感覚が狂います。一眼レフとの同時使用は本来間違っている撮影スタイルかもしれ
ません。
また、これは半押し状態からのタイムラグであり、起動時からの時間差については
後述します。

3.色の再現性は好みを分ける?
銀塩であれば、色の再現性は使用するフイルムを選択することでかなりの自由度が
あります。ところがデジタルの場合は、その機種に搭載されているCCDに左右されて
しまうために、異なった色再現性を同一の機材に求めることが出来ません。
レタッチによって色調を手直しすることは可能ですが、その機種が持ち合わせている
本来の色傾向が、自分の好みに合うかどうかが大きなポイントになるかもしれません。

4.光学ファインダーはオマケ?
他の機種を使用した事がないので、一概に言えないとは思いますが、光学ファインダ
ーの位置付けには不満を感じます。
液晶ファインダーを顔の前にかざして撮影するスタイルは写真撮影に置いてはタブー
そのものです。にもかかわらずその液晶オン時を優先した機能設計になっている事は
いかがなものでしょうか。
せっかくの5点AF測距点も光学ファインダーでは確認できません。また、液晶をOFFに
していれば中央1点しか機能しない上、コンティニアスAFも働きません。また、視野率
も85パーセントのレベルにとどまっています。せっかくの視度補正機能付きなのに、こ
れでは光学ファインダーが泣いてしまいます。
更に、シャッター、絞り値の確認がファインダー内で出来ないこと。
絞り優先AE(Avモード)の場合では、指定絞りに対するシャッター値が確認できない為
スローシャッターになっていても、その限界を確認することが出来ません。
これは、ファインダーにも上部表示パネルにも表示されませんので、液晶画面で確認
しなさいと言う事でしょうか?

5.AF速度は?
AF速度は、1N系と比較すること自体が間違っているかもしれません。しかしながら、
「一眼レフのサブとして使える実力」という評価は、AF能力においては的確ではない
様に感じます。少なくとも高速で走行中の列車を追いつづける能力については、比較
の対象とするものではない様に感じます。
また、シングルAF合焦速度についてもかなり迷いがあります。合焦しないとレリーズ
できないためチャンスを逃すことがあります。技術に詳しい方の説明によると、迷いが
多いのは精度が高い証明との事(微妙な差も感知し調整を続ける能力が高い)らしい
ですが、このあたりのアルゴリズムは使い勝手優先であっても良いと思います。

6.起動タイムラグはチャンスを逃す?
一眼レフでは、電源オン状態で待機している限り、シャッターチャンスを確実にモノに
することができます。しかし、電気を大量消費するデジタルでは常時オンにしておくと
アッと言う間にバッテリーが切れてしまいますので、液晶モニターがオフになっていて
も節電モードに入ります。電源オフまたは節電モードからの起動時間は決して短いと
は言えないように感じます。シャッターチャンス到来を感じても、起動時間待ちの間に
肝心のチャンスは終わっているケースがたびたびありました。

私の主たる撮影被写体である、阪急電車の撮影に限って言えば一眼レフから置き替
わるものではない様に感じます。ただ、近距離での人物撮影や静止物を撮ると素晴ら
しい画像を再現してくれます。また、ホワイトバランスはオートの状態でも確実に機能し
梅田駅でも緑カブリのない画像を得ることができました。
当然、前々回で書きました時間のメリットが最大限に発揮できるデジタルでありますし
鞄に入れて常時持ち歩ける機動性を生かしてこそのカメラであると思います。

2000.08.04

amco@hi-ho.ne.jp  BACK