またまた今回も写真塾のようになってきましたが、いつもご覧いただきありがとうご ざいます。今回もしばらくお付き合いください。。)^o^( 前回、No.13「白を白く、黒を黒く写す」で書きましたように、カメラの露出計は万能で はありません。精度は素晴らしい訳ですが、人間の感性のように状況判断をする様 なアルゴリズムがない為です。この点を改善すべく、多くのカメラには複数の測光方 式が選択できるようになっているはずです。 各カメラメーカーご自慢の「評価測光」は、画面を10や20といった複数のパーツに分 け、人間が見たような状況判断をさせるプログラムを組み込んでいます。 良く言われる、「逆光で人の顔が黒くならないように補正する。」などをカメラ側でやっ てくれるスグレモノです。多くの場合露出について何も考える必要がないモードです。 他には、「中央部重点測光」や「スポット測光」等がありますが、それぞれ意味があり 使い分ける事ができるようになれば良いのですが、決まった方式に習熟するのが失 敗が少なく、特性を掴むためにも良いのではないかと思います。 阪急の列車を撮影する場合、私は「スポット測光」を使用しています。1N-RSの場合 「スポット測光」では、撮影面積の約2.3%の部分の明るさを測ります。実際の撮影では 列車の顔の一部分だけの明るさを測るので、その構図が逆光であっても、「顔」は適 正露出という訳です。梅田駅で停車中の列車では、車両番号の直下部分を測光して います。評価測光では、周りの明るい光や車内の明かり等も含め判断されますので、 「顔」が暗くなってしまいます。 また、線路際からの置きピン撮影時には、事前に線路と枕木、バラストあたりを測って おいて、その後走行してきた列車(これは撮影しません。露出決定の為のモデルにな ります。常に白ハチマキの編成にそのお役を担ってもらいます。白頭の撮影はしません が最近はそのモデルばかりで困ります。もうそろそろセンスを取り戻して。阪急さん!) の露出値を測り、最終決定します。 阪急の車両は、概ねバラストあたりの色目と似た反射率なのか、大きく露出が狂う事 がありません。 完全な逆光時には、「顔」の部分を適正にするとバックが白飛びしてしまう事もありま すが、それでも逆光はやはり露出不足気味になることが多いようです。 あとは、イメージ通りの走行の瞬間を待つのみです! 順光で、構図の大部分を車両が占めるような場合は、「評価測光」でも大きく狂わな いようですが、私自身、順光バッチリといった構図での撮影がほとんどありませんので その傾向については良くわかりません。世の書物や寸評では-2/3EVの特性とも。。。 デジカメ全盛期の今、露出についての基本知識。持っておいて損はないと思います。 |
2000.3.5
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